【感想・ネタバレ】ニシキタ満福亭 かりそめ夫婦のごちそうおむすびのレビュー

あらすじ

「僕のお嫁さんになってくれない?」

逃げ出した先で再会した将臣との仮初めの関係。
彼が営むおむすび専門店『満福亭』のおむすびは美優にとっても“思い出の味”だった――

付き合っていると思っていたのに実は浮気だったことを知った美優。
そのことで職場で陰口を言われ居場所がなくなった彼女は、逃げ出すように昔住んでいた兵庫県へ。
歩き回りお腹がすいた美優は、おむすび専門店『満福亭』に入る。
そこで、幼い頃よく一緒に過ごした将臣と再会し、突然婚約者のふりをしてお店を手伝ってほしいとお願いをされる!?

兵庫県西宮市にあるおむすび専門店を舞台にかりそめ夫婦が結ぶ心にしみる物語。

お品書き
一品目 心に沁みるおむすび定食
二品目 玉子は最高のつきあい上手
三品目 個性よ光れ! おむすび寿司?
四品目 ヤキモチ焼きの焼きおむすび
五品目 梅干しと、あなたと、巡る季節

◆著者
烏丸紫明(からすま・しめい)
2013年に別ペンネームにて作家デビュー。
2019年に烏丸紫明の名でキャラ文芸・ライトノベルジャンルにて活動開始。
著書に『神戸異人館の(自称)ジェームズ・モリアーティ』(一迅社)、『晴明さんちの不憫な大家』(アルファポリス)、『悪役令嬢は『萌え』を浴びるほど摂取したい!』(KADOKAWA)などがある。

◆イラストレーター
ななミツ

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Posted by ブクログ

ネタバレ

平凡であるということは、当たり前のものを当たり前に持っているということ。
これって大事な視点だなぁと思うが、思春期の若者にも響くかな。
あーおいしいおむすび食べたいわー。

0
2022年10月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

出てくるおむすびがとれも美味しそうで、読んでいて激しくお腹が空いた。
深夜に読むには絶対向かない本だ。
是非、何か食べ物を片手に、それこそおむすびを片手に読むことをオススメする。

『ニシキタ幸福堂』をA面とするなら、こちらはB面の話。
ある男に生活を壊された女性の、もう片側の話。
そして経緯は違えど、こちらも仮初の夫婦(というか婚約者)を演じることに。
なお、前作を知らなくても特に問題はなし。

この最悪の男を最悪に振り切らないあたり、作者さまの優しさを感じた。
まあ最悪に書き切ると、両方のヒーローが暴走するか。

今回のヒーローもネグレクト経験者かつ毒親毒姉に現在進行形で搾取されている重すぎる事情持ち。
幸い金銭面は問題ないとのことだが、そりゃ自分の居場所を持ちたくなるよなという。
そんな彼が子供の頃から一途に思い続けていたのは……言わずもがな。

一方で主人公。
例の男と同僚たちの心ない言葉にひどく傷つき、衝動的に飛び出した先でヒーローと「再会」
彼女もまたDV父持ちだったという、重めの設定。
ゆえに、男性にあまり慣れてなく、自己肯定感が非常に非常に低い。
読んでいるこちらが苛立つほどだったので、彼女を思い続けてきたヒーローの心情を慮ると涙を禁じ得ない。
自分を救ってくれた存在が、自身を低く見積もって傷つき泣いている様なんて見たくないだろうに。

ヒーローのための仮初の関係だったけれど、実際は主人公のリハビリだった二週間。
誠心誠意、彼女に食で言葉で説得してきたヒーロー。
勿論毒親たちとの対決に例の彼との対面を乗り越えた先には。
勿論、お店の名前に恥じない「福に満ちた」エンドが待っております。

0
2022年08月15日

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