【感想・ネタバレ】マスメディアとは何か 「影響力」の正体のレビュー

あらすじ

「マスコミの偏向を信じるな」。インターネットの接触が増えるにつれて、高まる既存メディアへの不信。これまで不動の地位を築いてきた新聞、ラジオ、テレビに、近年は不要論まで語られる。視聴者に大きな影響を及ぼし、偏向報道で世論を操るという「負のイメージ」は、果たして真実なのか。本書では、マスメディアの「影響力」を科学的に分析。問題視される偏向報道、世論操作などの実態を解明し、SNS時代のメディアのあり方の検討を試みる。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

インターネットが身近な時代にマスメディアの立場とは?

マスメディアが私たちの生き方に影響を与えていることを否定する人はいないだろう。また、インターネットの攻勢によってマスメディアの影響力が小さくなってきたと考えている人もいるだろう。ある人は誰もが自由に発信できるインターネットがあれば一定の立場からの情報しか提供しないマスメディアは不要だと考えているかもしれない。

これは「なんとなく」持っているマスメディアへのステレオタイプを解きほぐしてインターネット時代のマスメディアの捉え方についてまとめられた本である。現代までのメディアに関する研究を紹介しながら「マスメディアが人の行動にどのように影響するのか」の研究の歴史を追う構成になっている。

専門用語もあり数多くの研究が次々と紹介されるため読み進めるのは決して簡単ではないが、ところどころに議論のまとめがあるので脱落することはなかった。特に第5章や第6章では、それまでのマスメディア研究の蓄積をインターネットの研究にどのように活かしていくかについても述べられており、今後の研究に興味がわいた。

見たいものを見られるインターネットだから、あえて観るべきものを提供する必要がある、それが社会的にも益になることである、という著者の指摘は重要だと思った。ここに広く多くの人へ同じ情報を届けるマスメディアの存在意義がある。

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2023年12月27日

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