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メインテーマは一見、現代的なお金の話。でも物語の底に流れるのは、幸せってなんだろう?という普遍的な命題。
専業主婦からやり手大家になったみづほは経済的には成功しているものの、夫への愛を失い、小1の息子からもそっぽを向かれつつある。少ない予算の中でなんとか夫の好物や息子の離乳食を工夫して作っていた在りし日と比べると、果たして幸せは増したのか?と疑問に思ってしまう。かつてはハワイ旅行のスクラップブックまで作り、購入する場面を夢想していたヴィトンの財布を目の前にぽんと置かれても、心が動いていないように見えるし。
みづほと対象的なのは善財。ノンフィクション作家に転向し、倫理観なしの危うい節約記事を書いていたライター時代から収入は減ったものの、本人は充実感を得ている。仮想通貨で失敗した彩も、夜逃げはしたけど今は若い夫とお腹の子どもがいて。
お金ってやはり幸せになるための手段であって、目的にしてはいけないんじゃないかな……と思わせる物語であった。
あとひとつ疑問が。文夫が見た、神社で40分以上微動だにせずニヤニヤ笑いながらお参りしていた女性は一体なんだったの!!?金の亡者???誰か教えてください!
Posted by ブクログ
284ページ
1400円
9月8日〜9月8日
葉月みずほは、夫から渡される月5万円で食費をやりくりしながら貯金をする。それはハワイに行って、ルイヴィトンの財布を買うためだった。念願かなってイニシャル入りの財布を手に入れるが、夫がハワイでいくら使ったのかカードの明細を教えてくれない。なんとかして調べてみると、とてつもない借金を抱えていたことに驚く。手放した財布は、持ち主を変え転々とすることに…
おもしろくて一気に読んでしまった。『お金の大学』を読んだ後にこの本を読むことになるなんて、運命的なものを感じる。投資のこととか専門用語とかは、2冊に共通するものがあって、何かの巡り合わせかなと思ってしまう。
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ひとつの財布に触れてしまう人たちが、それぞれ全く別の世界で生きているのに、知らない間にお互いと関わってしまっているのが面白いと思った。
まだお金について何も知らない学生の私にとって、金額を示されてもそれが高額なのか分からなかったり、投資について具体的に想像することは難しかった。だけど、お金は人が生きていくのに必須要素で、お金で良くても悪くても人を極端に変えうるものだと知ることが出来た。
社会人になって、お金と格闘するようになったらもう一度丁寧に読み直したい。
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チェンソーマンで悪魔になるならリボ払いの悪魔になろうと思う程度にリボ払いを恐れているので、一種のホラー体験をするためにリボ払い話を探していて見つけた本。
でもこれがリボ払いより夫の方が怖い。ゾッとする。ホラーだよ。
リボ払い夫恐怖編1章まるまる新潮社特設サイトで読めるのでぜひ読んでほしい。
もちろん他の章も面白かったです。
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原田ひ香作品、リーダビリティに長けてる。読むストレスが一切ない。LOUIS VUITTONの財布がお金に執着する男女を巡るに巡るお話。まず、節約に命を懸け、ハワイ旅行に漕ぎつけた主婦から話しは始まる。馬鹿な旦那のリボ払い設定で超負債がたまってしまう。一念発起した主婦の勢いは凄かった。大学奨学金の恐怖や契約社員の不条理には日本の社会の闇が見えた。派遣社員・契約社員の早期の地位向上が我国の喫緊の課題。財布の値段の200倍が年収か~自分の財布は確か2万円くらいだったような?もう少し良い財布を買おうかな。⑤
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「疑う」と「学ぶ」がよかったです。
「疑う」主人公の旦那さんの呑気加減に唖然としたけど、いま気づいて良かったね‼、とエールを送りたくなりました。
「学ぶ」奨学金返済について、危ないものに頼らずコツコツ返すのが一番だよ‼ってハラハラしました。いい方法がみつかってこれまた応援したくなりました。
その他も面白かったし、世の中いろんなお金事情がしれてとても勉強になりました。
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ついに読んだー!
サイコーに面白い!
「財布は踊る」のではなく、まわりが踊っていたね。前向きな意味で。
最後の裏切り方も、気持ちがいい!
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みずほの夫が最低でイライラ~。みずほの行動力がすごい!登場人物全員が崖っぷちのような生活でどうなっちゃうの~とサクサク読めた。文夫の生い立ちが可哀想だったけど、そんな生い立ちに負けること無く生活を立て直して家族を持てたことにホッとした。
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読み始めたきっかけは、新しい財布が欲しいなぁとここ最近思っているせいだったか。
確かに財布やお金にまつわるいろいろなこと。何人もの登場人物が、お金に泣かされたり、騙されたり、苦労の末、投資家になったりする。
象徴的なのが、みづほがハワイでやっとの思いで買った十万円のヴィトンの長財布。この財布がいろんな人の手に渡り、巡り巡ってまたみづほと再会することになる。
みづほは、その財布を再び取り戻そうと思い、結局思い直して、やめるわけだけれど。
不労所得って、働かずして収入が得られる仕組みが作れたら、良いとは思えど。
そこに踏み込む気にはなれないんだなぁ。
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原田ひ香さんの本はワイドショーっぽくて好き。リアルな日常!
お財布を巡るお金に関する色んな人の短編集。短編集なんだけど全部繋がってて読んでてかなり面白かった!元気と癒しもらった。こういう小説好きだなー
投資ってほんと分からんよね。
一時の決断が人生を変えることもある。
難しいなぁ。。。。
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この作者らしい、お金をテーマにした、ある種実用的なストーリー。
ヴィトンの財布を手にする人々は、ほとんどの人がお金に困り、また問題を抱えている。仕方なく手放された財布は、その人の不幸の種にもなり、手放して幸福の種にもなる。どちらになるかは自分次第で、だからこそこの世は面白い。
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財布を通して色々な人のお金の事情に基づいたお話。
みずほはすごいなぁ。元々投資家の才能があったのだろうなと思った。
でも、今の私は以前みずほがしていたように、主婦雑誌を読んで、節約をしている。そのことが、本を読んだ後になんだか恥ずかしい気がして少し凹んだ。
不動産投資で成功して幸せになることが全てではないと思うので、(実際に浮気でシングルマザーになるかもという示唆がされている)自分の幸せ、お金の使い方について再度考えてみようと思った。
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節約して買ったヴィトンの財布、夫の借金発覚で手放し、返済のために変化することを決意する。財布は色々な人の手に渡り、それぞれお金で苦労している生活から抜け出そうとしている。お金のこと、を考えさせられる作品。
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面白かった!
お金の話ということで欲にまみれてるという話が多かったし、クズだなみたいな話も出てきたし、ここまでやっておいて幸せになれたのか…という話もあったけど、終わりよければすべてよし。
個人的には最後解決するとこまでいってほしかったな。
あとは文章が読みやすくて面白かった。
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お金と付き合うって本当に難しい。
価値観も人それぞれだから、
絶対の正解はないし。
最後も何が正解なのかはよく分からないけど、
本人が選択するってことが大事なんだなあ。
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ヴィトンの長財布が巡り巡って、その持ち主たちのお金にまつわるストーリー6話。
カードのリボ払い
ネズミ講
仕手株
風水
奨学金返済
不動産投資
若い子が口の上手い大人に騙されたり、知識がないばかりに不利益被ったり、世の中なかなかむずかしい。
労せずして稼げる事なんて滅多にない。けれど、最低限の金融リテラシーくらい中学生で教えるべきかも。
これ読んで、NISAだったら手堅いとか、不動産投資が良いのかもなんて短絡的に思う人がいないといいな。
あくまでも物語。
原田ひ香さんの本は好きなのですが、私には、この本、少しお金のリアルがキツイ…なので星3です。
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三千円の使いかたに引き続き、原田ひ香さんのお金な関する作品。
ちょうどお財布を買い替えたところだったので、妙な親近感を持ちながら読みました。
節約、リボ払い、奨学金…何が違ったら自分もこうなっていたかも…という身近なテーマでした。
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02月-06。3.0点。
専業主婦の主人公、切り詰めながら家族でのハワイ旅行、ヴィトンの財布を購入するが。。。
財布がめぐりめぐる連作短編。財布評論家やマルチ商法を営む男やら。財布の行方と言うよりは、成長物語の側面もあり。面白かった。
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ルイ・ヴィトンの財布を中心に?サブに?話が展開する。
相容れなさそうな登場人物たちがちょっとずつ関わっているのが好き。いや、これまでになさそうな関わり方(犯罪の部分とか)もあったけれど。
何人かが崇拝もとい、参考にしていた本の著者の善財のパートもあるところが、なんだか新しい感じ。
最終的に一番Winなのは誰?やっぱりみづほかな。
それにしても、みずほのパートナーの情けないこと・・
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『三千円の使い方』の著者が手がけた、「お金」系の連作短編集です。
ルイヴィトンの長財布がキーアイテムになりますが、現在のマネーゲームともいえるような資本主義や、奨学金問題、若者の貧困問題などを絡めながら物語が展開していきます。
お金の「怖さ」と、人の「醜さ」と同時に、真摯に生きることの「美しさ」も描いてる物語だと感じます。
貧困や逆境にあっても、めげることなく努力をして苦境を脱する登場人物たちの姿は読んでいて勇気づけられるものがありますが、現実社会はこれほど甘くはなく、頑張っても報われない人もいるのだろうと思うと、読み終えても何となくモヤモヤした気持ちは晴れません。
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感動する、とかではないけれど、マネーリテラシーを小説を楽しみながら身につけられるという意味で良書だと思った。子どもや騙されやすい家族がいたら読ませたい内容。
ヴィトンの財布が旅をしながらいろんな人生に出会う。
お金はあり過ぎてもなさ過ぎても、それを持つ人次第で幸不幸を左右する。
賢い選択をした彼女たちを見習いたいと思う。
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そっちに行ったら絶対ダメなやつ、と思う方向に動いて行ってしまう登場人物たちが、もどかしくて腹が立って、読み進めるのに苦労しました。イヤミス読んだ後みたいな気分。
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ヴィトンの財布が繋ぐ切実にお金が欲しい人たちの縁。全6話からなる連作短編集。
第5話までで5人の主人公が登場し、最終話で全員のその後が語られる。
◇
節約につぐ節約を心がける専業主婦の葉月みずほが、貯金60万を達成して手に入れたのがヴィトンの10万円の財布。
M.Hのイニシャルも入れてもらい喜びもひとしおだったのだが、この幸せは長くは続かなかった。
夫の借金が発覚し、財布はすぐに手放すことに。こうしてみずほの手を離れた財布が持ち主を次々と替えていき……。
* * * * *
最終的には勧善懲悪に近く、自分に合った利殖の方法を見つけて地道に蓄財に励む者のみが安寧を手に入れるという、読者には座りのいい(まあよくある)ストーリー。
だけど設定や展開がおもしろかった。
財布に入れられたイニシャル、M.H。財布を手にした人間のうち、このM.Hに合致する人間しか救われなかったことが印象的でした。
葉月みずほ、蛇川茉美、平原麻衣子のM.H3人は生活がかなり安定しました。
イニシャルF.Mの水野文夫は家族に恵まれますが、仕事は自転車操業に近い感があります。
そしてMやHにかすりもしない野田裕一郎は刑務所の中。さらに麻衣子から財布を奪った斉田彩も苦しい生活を強いられています。
まるで財布が意志を持って救済する人を選んでいるようにも見えます。こんなファンタジーめいた作りも、原田ひ香さんらしいおもしろい設定だと思うし感心したところです。
ところで、財布は彩が持ったままなのかな。もしかして、メルカリに出品されてしまったのかな。ちょっと気になります。
それから財布の価格の200倍の収入が得られるなんて本当なのか⁉ (初めて聞くんだけど……) マジックテープ財布愛好家としては、これも気になります。
Posted by ブクログ
痛い、、この作品、読んでるとヒリヒリ痛みを感じる。
なぜなら自分も自分もそうだから。
スーパーで底値の品をもとめ、主婦雑誌をみて光熱費の節約や1ヶ月やりくりレシピで乗り切る。爪で火を灯す、そんな生活。
とくべつ貧しいとも思ってなかったのに、どこかで人生の道を間違えた、そういう人はどこにでもいる。
大学に行くのに奨学金という借金をしたり、株やFX、仮想通貨なんて投資でふっ飛ぶこともある。
各話ごとに主人公が変わっていく。
最初に登場したみずほが憧れたヴィトンの財布を手放すことになり、話がうつるたび次の持ち主へ渡っていく…のだが、この財布にかかわるとお金に翻弄される。
身分不相応と、財布が持ち主をえらぶのか?財布に十万以上の値をかけるなら、そのお金をどう使うかを問うているのか?
人生の道を変えるには知識が必要。
お金の知識。
作品のなかでは、お金に振り回されて堕落した人、お金がなくても安定した人、お金を使いこなして次の段階へいく人、が出てくる。
でも、お金だけを求めるのが幸せではない。
自分の人生をどちらに転がすか、、それは自分次第。でも怖い、変えるのは怖い。