あらすじ
「好きなだけ乱れればいい」
魔都・上海を舞台に燃え上がる至上のエキゾチックラブ!!
20世紀初頭、魔都・上海。元娼妓で、今は情報屋として名を
馳せる笙鈴には影のように付き従う護衛がいた。彼――秀英
は義母に売られた笙鈴を妓楼から身請けし、護衛の対価とし
て彼女を抱く。彼に抱かれるのはただの代償、そう思いつつ
も、激しく執拗な秀英の愛撫に乱れ、笙鈴の身体は慣らされ
ていく。やがて笙鈴の中に、淡い思いが芽生え……。
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この作品のカラーはブルーグレー
相変わらずこの作家さんは情景描写が細やかで、上海租界の華やかな世界と裏の社会の対比が目に浮かぶようです。
はっきり言うと、この作品は甘い恋物語とは遠いです。辛口です。甘さを期待して読むと、がっかりするかな。
主人公の秀英と笙鈴は過酷な運命に翻弄されながらも、自分の頭で考え、失敗しながらも、しっかり自分の足で立とうとするのは印象深く、惚れ惚れします。だけど、お互い依存するような甘えた考えがないから、辛いわけです。例えば、笙鈴が秀英を姓の『胡』と呼び捨てにするような。
どこかで読んだことある登場人物だなと思ったら、この作家さんの『淡雪のごとく恋は降る』に繋がる作品でした。パズルが合ってスッキリ。だけど、読み返すには重い。