あらすじ
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素晴らしき日本の自然「里山」のシンボル。
自然が豊かな、里山の雑木林でしか出会えない、大きくて美しいチョウがいます。
その大きさと輝くような紺色の美しさは、見た人の心に強く焼きつきます。
オオムラサキは、日本の国蝶にも指定され、雑木林を代表するチョウですが、美しい成虫たちの命は一瞬の夏ともに尽きてしまいます。
けれども、次の世代の幼虫たちは、ゆっくりと育っているのです。
しかし、そんな幼虫たちに、天敵が容赦なく襲いかかり、多くの幼虫が命を落としてしまいます。
木々が幼虫を育て、それを食べて天敵も生きる。
それが、自然のありのままの姿です。
豊かな自然があれば、オオムラサキは食べ尽くされることはありません。
オオムラサキの一生を通して、素晴らしき日本の自然「里山」を考える写真絵本です。
【写真と文】筒井学(つついまなぶ)
1965年北海道生まれ。
1990年より東京豊島園昆虫館に勤務。
1995年から1997年まで昆虫館施設長を務める。
その後、群馬県立ぐんま昆虫の森の建設に携わり、現在、同園に勤務している。
昆虫の生態・飼育・展示に造詣が深く、昆虫写真家としても活躍している。
(底本 2022年7月発行作品)
※この作品はカラー版です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
美しい写真と物語のような文章が素敵です。
特に興味深かったのは、孵化したあと成虫になるまでの間の描写で、脱皮を繰り返し一から六齢になるまでに形や大きさや色が変わる様子と理由に、「ほえ〜!」となりました。幼虫が蛹になるところも詳しく描かれています。おもしろいです。
どんな生き物も自然の中で生き抜くには工夫が必要なんだなぁ。
著者、筒井学さんのあとがきもぜひ読んでいただきたいです。生き物はみな多くの天敵とともに共存しているのだということを、折に触れて思い出すことは、人生において大切なことだと思いました。
『里山』が何なのかということも、初めて知りました。
年齢に関係なくいろんな人におすすめしたい、国蝶オオムラサキの写真本です。