あらすじ
感染症、戦争、災害、孤独……
不安で覆われた世の中に必要なのは
「いのち」の居場所をつくること――
軽井沢病院・院長として「すべての『いのち』が輝ける場所づくり」を始めた著者が語る、
これからの医療・社会のあり方とは!?
「ウイルス」というのは人間側が便宜的につけた名前でしかなく、すべては「いのち」なのです。「いのち」こそが、自然を満たしているのです。今は「いのち」の力や働きを中心にした世界へと移っていく時代の過渡期だと思います。社会が「いのち」あるものになるために、自然界にある「いのち」の力こそが、芯となり軸となり核となって移行していくでしょう。先人としての死者たちから多くのことを学びながら、見通しがない先に一条の光を見つけ、自分のいのちを輝かせて新しい未来へと踏み出していく。社会と無関係に動くのではなく、社会の一員として責任と覚悟を持って生きていく。現代はまさにそうした分岐のY字路に立っているのではないでしょうか。(「まえがき」より)
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Posted by ブクログ
『いのちの居場所』の著者・稲葉俊郎さんの語る“いのち”は、凡人が簡単に捉えられないほどの深遠さを持っていると感じます。
医師でありながら、山形ビエンナーレの芸術監督も務めるなど、稲葉さんの活動の幅はとても広く多岐にわたります。
ただ本人が語る、「外と内の世界を接続させる手段として、芸術と医療を分けることなくみつめてきた」という言葉には、「すべてはちゃんとつながっている」という不思議な説得力を感じました。
「社会が危機的な状況にならないと、“全体性”が問われない」という指摘は、
私が感じていた、“危機感なき時代には学びが起きにくい”という実感と重なります。
「自分を救ってくれたものが、誰かを救うかもしれない」
稲葉さんにとっての「医療」と「アート」がそうであったように、私にとっては、それが「本」と「コーチング」なのかもしれません