あらすじ
「僕はその日をどんな想いで迎えるのだろう」
ペットの終活に向き合いはじめたエレキコミックやついいちろう。
愛犬との日々を綴った温かくてちょっと切ないエッセイ
この本は39歳まで生き物をカブトムシくらいしか飼ったことがなかったのに、いきなり哺乳類の犬を飼い始めた人間のお話です。こぶしという名前のパグです。2011年12月27日、こぶしが僕のところにやってきてから生活は一変しました。今やこぶしと暮らして10年になりました。あんなに小さい仔犬だったこぶしも、体重10キロのおじいちゃんに。気付いたら僕の年齢も追い越されていました。「あーこぶしがおじいちゃんになっちゃった」
こういう本ってだいたい愛犬を亡くしたシーンが最後になると思うんですけど、こぶしは今もとても元気です。でもお互いしっかり歳を取りました。その中でゆっくりではあるけど、淡々とした着実な変化があります。そんな僕とこぶしの日々の記録です。
目次
プロローグ
第1章<春>
出会い/命を迎える/犬はお金がかかる/しつけ/ライフスタイルの変化/毎日の問題/
かわいいの天才/前世/危機一髪/100%/この世に寝に来ている…など
第2章<秋>
秋風/ヘルニア/老散歩/異変/不調の原因/思い出のアルバム/一番幸せなこと/
お風呂が好き/歯の健康/保険について思うこと/もし動けなくなったら/医師との出会い、これも縁/
留守番…など
第3章<次の季節>
先輩の犬/自分より先に死ぬという現実/世界一好きな温度/
今日は何もしてないと言わなくなった/春を想う…など
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
おもしろくて切なくてかわいくてあっという間に読めじゃって、いぬ飼ってた頃のことを思い出して途中ほろほろと泣きました。
うちにいた雑種のあほなかわいいぐーちゃんは「ずっと楽しかったね、ありがとね」って思ってくれてたかな。
わんこたちの、今が幸せ!なリアクションって本当に人間の荒んだ心を癒してくれる。
アイドルオタク卒業したら、またいぬと一緒に暮らしたいなあなんて思ったり。
こぶしくんもこはだちゃんもなるべく元気でやついさんちでたくさん幸せに過ごせますように
Posted by ブクログ
こぶし日記28の「今日は何もしてないよ」と言わなくなったの章がぐっときた。「ありがとね。ずっと楽しかったね。」って愛犬に思ってもらえるように日々過ごしていきたい。
Posted by ブクログ
共感できることがたくさんあって、楽しく拝読しました。我が家の相棒が15歳で今年4月に亡くなったばかりなので、なんでもないところでも、涙が出て仕方がありませんでした。これまでできたことができなくなる、という面もあるけど、今まではやらせてくれなかったことをやらせてくれるようになる、という一面も、老化にはあります。もちろん子犬は可愛いけど、老犬もめちゃくちゃ可愛くて、そんなことも初めての感覚でした。犬と暮らす楽しさ、老犬と暮らす味わい深さ、伝わる一冊でした。
Posted by ブクログ
まず、こぶしは今も健在ということで安心したが、それでも、"プロローグ"と"はじめに"でもう、うるうるしてしまいそうになる。
誤植が少なくないことや構成面に工夫の余地があることを含め、もう少し編集が手を入れたらいいのに…と感じるぐらい、プロっぽさと対極を為す素朴かつ素直な言葉遣いで、犬と日々暮らすことの幸せが存分に綴られている。
あまりに正直過ぎて? 命に係わる誤食騒動を何度繰り返してもまったく飼い主としての反省が感じられない姿勢はどうかと思うが…(苦笑)。
技術的にはまるで素人が書く文章なのだろうが、そんなことは超越して"こぶし日記28"は紛れもない名文であり、他にも、犬とともに時を過ごすことの本質を見事に喝破した表現がたくさん、この本の中には詰まっている。
「こぶしは僕より後から来て、最初は年下だったのに、僕より先に年を取って先輩みたいになり、大切なことを教えてくれる。」
「『うれしいねーありがとうね』という感謝しかこぶしからは伝わってこない。昔を思って感傷的になっているのは、飼い主の僕だけだ。こうやって日々の幸せを感じられるこぶしは、本当に幸せをわかっているんだなと思う。だからきっと死ぬときもこぶしはそんなに気にしないんだろう。『ありがとね。ずっと楽しかったね』ってペロペロ僕を舐めて死んでいくんだろうな。」