あらすじ
「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性が気になって仕方のない〈わたし〉は、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で彼女が働きだすよう誘導し……。ベストセラーとなった芥川賞受賞作。文庫化にあたって各紙誌に執筆した芥川賞受賞記念エッセイを全て収録。
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Posted by ブクログ
文庫本にエッセイが入ってるということで再購入して再読しました。
主人公が家賃も払えないくらい困窮しているのに、ちゃんとした暮らしをしようとか、今後の生き方とか将来について考えることもせず、むらさきのスカートの女と友達になりたいと思いながら異常に観察をし続けて、結局友達にはなれず、所長にお金を無心するところがやっぱり面白い。
こんな主人公見たことない、、
友達にはなりたくないけど、こんな人いたらちょっと羨ましいなと思ってしまうかもしれない。
毎日とにかく平穏に暮らしたい、普通の大人として見られたいと思って読めない空気を読みながら、正解なのかな間違ってないかなと思いながら生きてる私にはとても魅力的にも見える。
エッセイもとても良かった。
今村夏子さんってどんな人なんだろうと思っていたのですごく楽しく読めました。
回転レストランでのタイミングをずっと待ちながらいつ話そうと考え過ぎて人の話をあんまり聞けてないけど最後話せた時は嬉しかった!
宮本輝さんのことも書いていて、私も宮本輝さんすごく好きなので嬉しかったです。
Posted by ブクログ
とにかく不気味でした。たまに現実でも存在する、何でも真似してきていつのまにかその人になろうとしている人の頭の中を覗いたような作品でした。
まるでその人の感情や行動を全て理解しているかのように、善意と好意でストーカー行為をしているのがいい意味で気持ち悪かったです。人間に全てを理解することなんて出来ないのに!
ラストの主人公がむらさきスカートの女に手を差し伸べるシーンでは、男子中学生が考えるヒーローのような登場の仕方をしていて気持ち悪さと異質さを感じました。ずっとこの会話を主人公は練習していたのかなと考えると本気すぎて滑稽にも見えますが。
ここまで一人の人間に執着できるのは楽しいだろうなと思いつつ、フィクションだからこそいくところまでいってしまった人間を見るのは面白かったです。依存先ひとつしかないとそれが壊れてしまったときに心も壊れてしまう、と聞いたことがあるのですがラストシーンから主人公はいつまでも大丈夫そうだなと感じたので安心しました。印象が強すぎて、夢にまでむらさきスカートの女が出てきました!
Posted by ブクログ
2026.04.15
むらさきのスカートの女、と言うタイトルなのに装丁のスカートは水玉なのが最初からひっかかっていた。が、読み終えてその理由が分かったような気がする。これはきいろいカーディガンの女のスカートだったのでは、と。
「きいろいカーディガンの女」の目線を通して物語は進んでいくが、読む人によって感じることはさまざまなのでは?と思う。
一言で言えば、世にも奇妙な物語のようなストーリー。
映像化して欲しいなと思う。
Posted by ブクログ
さすがは芥川賞受賞作品。
ありきたりな展開でなく、社会風刺や人間の心の奥に眠る黒い部分を掘り起こして描いた、余白の多いお話だった。
ここからは私の解釈を。
「黄色いカーディガンの女」は、「むらさきのスカートの女」と同じく社会不適合者である。
「黄色いカーディガンの女」はかなり曲者で、自分が「むらさきのスカートの女」より上に立つことで、自分の存在意義や生きがいを見つけようとしていた。
それゆえに、狂気的な方法ではあるが、彼女を自分の職場(ホテル清掃)へ誘導するなど、献身的にサポートしてきたつもりだった。
しかし、「むらさきのスカートの女」が、そこで社会的地位を確立し始めたことで、彼女の中での気持ちが変わっていく。
嫉妬心なのか?生き甲斐がなくなったことへの虚無感なのか?
そして、「むらさきのスカートの女」が悪者になるよう、おそらく「黄色いカーディガンの女」がバザーにホテルの備品を出品をしたのだろう。
彼女の地位を貶め、そんな彼女を救う正義のヒーローになりたかったのだ。きっと。
今まで一度も話しかけられなかったくせに、「むらさきのスカートの女」の大ピンチには颯爽と駆けつけ、逃げる方法を流暢に語り出す感じ…ものすごく不気味で面白かった。
もう一つ面白かったのは、「黄色いカーディガンの女」に関する人物像が、最後の数行(所長の発言)でしかわからないことだ。
それまでの彼女の行動は、犯罪に該当するものばかりなのに、それをするのは「当たり前」というように話が展開していく。
その違和感に本人が気づいていない描写こそ、彼女のヤバさの真髄。「黄色いカーディガンの女」が明らかに変な人間であることが明記されず、最後に所長の言葉で答え合わせができる展開は面白かった。
ストーカーの気持ちの疑似体験をしたような気持ちにもなった。
「むらさきのスカートの女」は、徐々に商店街の人や子供たちから気づかれなくなっていく。一方で、「黄色いカーディガンの女」は、最後に子供たちにベンチでタッチされる描写があった。
これらは社会に溶け込むと、その人の存在が希薄になっていくことを暗に示しているように見えた。
「黄色いカーディガンの女」は、物語のラストにかけて、社会から浮いた存在になったことを証明しているのかなぁ。メッセージが奥深くて、何度も読み返したくなる作品だった。
Posted by ブクログ
こういう気持ち悪い語りの話めちゃくちゃ好き。
最初はむらさきのスカートの女という変わった人がいる、という感じで進むけど、徐々に語り手が異常者じゃん...と入れ替わっていく対比の構成が良かった。
匿名
あまり分からなかった
不気味でゾクゾクするよと進められた本ですが
私にはどこでゾクゾクするのかは分かりませんでした、主人公の観察力が物凄いところにはずっと違和感がありましたが、それ以外は普通の日常を書いたお話のように思えました
Posted by ブクログ
読み終えたあとに「あっ、とんこつQ&Aの
作家さんなんだ!」と驚いた
むらさきのスカートの女の変化が
面白かった
公園でクリームパンを大切に食べていた女は実は運動神経が良くて実は仕事覚えも良くて
実はコソコソと悪いことをやる女だった