あらすじ
■ハイブリッドキャリアが教える答えなき時代の仮説と成果のつくり方。
「VUCA(予測不能)の時代」といわれるように、現代は「企業の行く末」はもちろん
「組織の在り方」「自身のキャリア」……、それらの一寸先の未来すら読みにくい時代だ。
こうした時代には「今、目の前に見えるもの」から物事を考えるのではなく、
「その背景には何があって」「どのような法則が働いて」「どのような未来になりうるのか?」を見抜く必要が生じてくる。
つまり、不確実性の高い環境変化を読み解いた上で、確実性の高い仮説と結論を生み出す「推論力」が必要になるのだ。
さらに、ビジネスの現場で直面する大小さまざまな困難に対しても有効だ。
本書では、ビジネスを事例に「推論力」の基礎から
応用を身に着けられるように徹底的に推論の技術を深堀りしている。
■目次
まえがき 「正解」から「可能性」へ
第一章 可能性を広げる推論力 今後希少性が高まるスキル
第二章 「優れた洞察」を生み出す推論法 帰納法
第三章 「予測と検証」を可能にする推論法 演繹法
第四章 「仮説」を生み出す推論法 アブダクション
第五章 成果を倍増させる「推論力の合わせ技」
あとがき 未来をより幸せなものに変える力
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Posted by ブクログ
困難に直面した際に、より確実性の高い可能性を見い出す力、それが推論力。
推論とは頭の善し悪しで決まるものではなく、方法を知っているか知っていないかでその差が決まる。
目の前に起きた事実から、なぜその事実が起こったのか見えない法則を見つける。
そのためのプロセスとしては
①事実を正しく認識する
②事実に対して問題意識を持つ
③推論する
④仮設を導き出し、検証をする
⑤結論を出す
推論の方法としては大きく3つ
・帰納法
・演繹法
・アブダクション
■帰納法
複数の事実から共通点を見つけ出し、そこから結論を出す。
A=B、B=C、つまりA=C
帰納法は目の前の事実から共通点を抜き出す手法のため、目の前の事実に依存をする性質を持つ。
そのため事実に偏りがあったり、第3の事実が出てきた際には論理が破綻する可能性がある。
帰納法で最も大切なのは、正しい事実を認識し、
事実の中から見える法則だけでなく、裏に隠れた見えない法則も見つけること。
■演繹法
前提となるルールに目の前の物事を当てはめる。
AなのでBはどうなのか?
演繹法は正しいとされている法則を元に結論を出すため、二者択一で結論を出すことができる。
演繹法は前提のルールが正しい条件が必要であること、ただルールに当てはめるだけなのでルールの裏に隠れているものも読み取る必要がある。
■アブダクション
起こった現象を説明できる、もっともらしい法則を導きだす。
Aが起こった。Bが起こればAになるので、Aが起こったのはBが原因である。
演繹法は正しいとされる前提に目の前の物事を当てはめることで、今後の予測を行う。
アブダクションは起こった現象に、正しいとされる法則を当てはめ、原因の仮設を立てることができる。
未来の予測を行うか、過去の原因を見つけるかの違い。
アブダクションは法則すらも自身で見つけ出すことができるため、他での応用などとしても使うことができる
Posted by ブクログ
帰納法、演繹法、アブダクションをビジネスで若しくは日々の生活にどのように活用していくかという内容で、実践的な書籍。
要所要所で実例を挙げているので分かりやすい。
推論は補助輪なしの自転車訓練に似ていて、コツを掴めば無意識に実践できる。(あとがきより)
いかに推論の頭の使い方を習慣として身につけるか。わざわざ訓練のための時間を確保するのではなく、日常生活で推論するクセをつけることが大切。
Posted by ブクログ
・推論とは、正解のない問いに対して、事実・前提となるルール・法則から答えを導き出すための思考法である。
・多くの前提や事実、法則から推論や仮説を導き、結論を出すことで、戦略立案・方針策定・問題解決などに活かしていく。
【帰納法】
・複数の事実から共通点をみつけ結論を導き出す。
・既に起きている事象から結論を導くことで、自身の戦略立案・方針・提案事項に説得力と根拠を持たせることができる。
・事実については、疑いを持って一度立ち止まることも必要。また、共通点や結論が飛躍していないか振り返りを行うことで、より精度の高い推論が可能となる。
【演繹法】
・前提となるルールに事象を当てはめ、結論を導く。
・前提となるルールは客観的に捉えても、一般的、不変的な内容になっているかが重要となる。
・ビジネル環境の変化における戦略立案、提案の是非、「法則」から価値を生み出す場面で有効。
・前提となるルールを設定するためには、ビジネスにおける一般論を情報収集する必要がある。100%正しいルールを知っておく。
・前提となるルールに対して「Why」と問いかけることで、新たなルールを見つける契機になる。
【アブダクション】
・起こった事実に対して法則を当てはめ起こった現象を説明できる仮説を導き出す。
・限られたソースで妥当な結論を導くことに有効。
・結果→原因→仮説
・問題の原因究明、トレンド背景のキャッチとキーワードからほかへの応用、他社の成功事例の応用
・フレームワークを活用することでよりエビデンスを確保できる仮説を生み出すことができる(ロジックツリー、PEST、3C等々…)
・上記3つを組み合わせて推論を行うことで、多角的かつ、複数の根拠(事実、ルール、法則)をもとに仮説を導く出すことができる。また複数の根拠が生まれることで、様々な仮説、企画・戦略立案や提案に結びついていく。
・昨今のビジネスにおいては「正解」はない。上記の思考法を多少大まかな粒度でもいいので、高速で検証し、ロジカルかつ確固たるエビデンスを備えた仮説を導くことが重要。