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Posted by ブクログ 2024年03月24日
ぜひ最後まで読んで欲しい。
確かに本書の前半は冗長な語り出しで、
何が言いたいの?と疑問に思ってしまうのだが、そこでやめてはもったいない。
後半はややショッキングな内容。
そうか、これを隠すための、あえての自分語りだったのかな?
衝撃の内容?はここでは置いておくことにして、ひとつだけ。
太古...続きを読むの昔、人がまだ道具を使う前、どうやって獲物を仕留めていたのか?
それは走ること。
人間は草食動物よりも走ることに特化してる。複数人で協力して、1匹だけをとことん追い込む、そうすると必ず動けなくなって倒れ込む。そこを仕留める。
なんという原始的な方法。
だが人間が生き延びてきた進化の歴史を垣間見た。
一読の値はある。
オススメです。
Posted by ブクログ 2023年10月18日
走るとすぐ足が痛くなる著者は、自問する。How come my foot hurts ― どうして私の足は痛むのか?スポーツ医学の専門家には「走るのは体に悪いから控えたほうがいい」と言われるものの、それに納得がいかない著者は、やがてメキシコの「走る民族」ことタラウマラ族の存在を知る──。
走るとい...続きを読むう人間の能力の謎、タラウマラ族の謎、そして超人的なランナーたちが繰り広げる過酷なレース。読み終えるころには「おれは走るために生まれた!」と(心の中で)叫びながら走りたくなる、そんな熱いスピリットあふれる良書。
■キーフレーズ
銅峡谷(バランカス・デル・コブレ) カバーヨ・ブランコ タラウマラ族 どうして私の足は痛むのか?(How come my foot hurts?) ガゼルとライオン 「このへんは大麻だらけだ」 質問という暴力 ララムリとチャボチ ビアスの失踪 カスタネダが描いたシャーマンたち ララジパリ ランニングは移動手段 痛みと友達になる レッドヴィル アン・トレイソン イエスかノーで答える二進法 ワラーチ レースの定石 ウルトラランナーの幻覚 つま先で走る、腹で走る、笑顔で走る 走る人類(running man) $ エミール・ザトペック 「死んだときに葬儀屋にも悲しまれるような生き方をしよう」 人生への愛 「トレイルとけんかするんじゃない」 「楽に、軽く、スムーズに、速く」 スコット・ジュレク 「きみはひとりじゃない」 ジェンとビリー ベアフット・テッド ランニングシューズの発明 ナイキの罪 ベジタリアンでも走れる 走るのをやめるから年をとる 糖分ではなく脂肪を燃焼させる 有酸素運動は強力な抗鬱剤 手ごろな鉄槌(handy hammer)症候群 「ネアンデルタール人の謎」 ランニングマン仮説 汗をかく能力 自然淘汰は2つに収斂する 動物追跡(animal tracking)の技術 カラハリ砂漠のブッシュマン 走ることこそ、われわれを人間にした
Posted by ブクログ 2023年03月28日
人は走れるようにデザインされている
人間は靴なしで走れるようにできている
我々が街をランニングしたり、山を走ったりする時、最初に走り出した時は苦しいがだんだんと安定して走ることに集中していく。また走り終わった後には快感が残る。そんなところに我々に刻まれた、走る生き物しての原型の姿が残っているような...続きを読む気がする。
身体を最大限に生かして、驚くべき距離を走ることが当たり前の民族がいる。(タラウマラ族)
狩りをするときに、動物を何時間も走って追い詰めて狩る民族がいる。(長距離ハンター、アニマルトラッキング、アフリカ ブッシュマン)
現在のランニング界は、その人たちから学ぶべきもの(走り方、食べ物、靴)があります。
決して厚底のシューズで走れば怪我をせず速く走れると言うわけではなく、裸足に近いペアフットシューズで走ることが大事だとかかれている。
最後にカバーヨ・ブランコが企画したレースを成功させるところは、物語のクライマックスで心に残るシーンです。
この本を読むと、間違いなくぺたんこのペアフットシューズを履いて走ってみたくなります!
Posted by ブクログ 2022年05月11日
面白かった。
ウルトラマラソンやトレイルランを走りたいなど一生思わないと思っていたけど、走ってみたくなった。
物語としてもすごく面白くできている。
Posted by ブクログ 2021年08月28日
滅茶苦茶面白くて頁を繰り手が止められなんだ。
三つある大筋はいずれも興味深く、ぐいぐいと引っ張られる。久しぶりに読み終えるのが惜しいと思えた一冊だった。
Posted by ブクログ 2021年08月15日
私も普段から走るが、人から
「 なんで、そんなに走るんですか? 」
という事に答えられなかったが、本書にて、
走るから若くいられるから。
痛みも知れるから。
とか色々言えるようになってた。
読んでよかった、一冊になりました。
Posted by ブクログ 2020年11月22日
読んでる途中に、走りにいきたくなるぐらい面白い本だ。実際走りにいった。
ただ純粋に走ることを愛している超個性的な登場人物達の思想、食べ物、走法、変態度が書かれていて最初は、旅の話ばかりだったが、すぐに面白くなってきて飽きなく読めた。
レースシーンもよかった。読んでると、自分もレースにでたくなるぐらい...続きを読む興奮する!
個性的なアスリートの面白い日常や性格などハチャメチャなところや感心できるできたり、お気に入りは、ビリーのジョニーの酔っ払いや二日酔いのシーン そして二人ともすごく純粋
人間工学の裸足走法や高級なジョギングシューズは、足に悪いなどを根拠づける冒険も、興味深く自分も試してみたくなった。
僕のお気に入りシーンは、リリマリとグリンゴが心通じ合っていくところ
ルナサンダルが、世にでるまえ。言葉も違うし、文化も違う二人が、顔がひっつくんじゃないかと思うぐらいに、ルナがビリーにサンダル作りを教え、ビリーは、真剣に教わっている。メキシコの僻地の木の下で世界的に有名なルナサンダルが生まれた。純粋に走ることを愛する二人が作ったサンダル!試したくなった。
本の中の感動した一部を抜粋
何かを真に征服する唯一の方法とは、愛することなのだ。
知恵の女神に心をささげ、愛し、気持ちを向ければ、富の女神が嫉妬して、おまえを追いかけてくる
ランニングに何も求めなければ、思ってもみなかったものが得られるということ
この本おすすめ
Posted by ブクログ 2020年09月26日
タラウマラ族。
超長距離をペラペラのハンドメイドのサンダルのようなもので走り切る部族。
いろいろ興味深い話があり、面白かった。
243ページから
シューズをはいたら余計に怪我をする。
はいたら早くなるとか、怪我が治るデータは出ていない。
高価なシューズほど怪我をする。
クッションはクッションの...続きを読む役目を果たさない。
衝撃は裸足と同じ。
底のあるシューズを履くことで、必要な筋肉がつかなくなり、故障する足になる。
251ページから
プロネーションについての勘違い。
シューズを履くと踵接地ができるようになる。
裸足なら踵接地は痛くてやらない。自然と痛みを避けるためフォアフット寄りになる。
踵接地はプロネーションを引き起こす。
シューズによって足に本来備わっている動きを制限して変えてしまっている。
…このような話は、私自身よく故障していたので、読んだことがある。
結局某メーカーのシューズをやめて、別のメーカーに変えたところ、ほとんど故障がなくなった。
結局シューズを履くのだけど、この本を読むと、たまには裸足で歩いたり走って本来の走りに必要な感覚を手に入れたいと思い、早速、ベアフットシューズを買った。
早速ウォーキングと軽いジョグを3kmほどしてみたけど、ふくらはぎが筋肉痛…翌日からかなり酷く、治るまでに丸5日間かかった。でも、その次に走った時は5キロと10キロの自己ベストが出た。偶然かな?
でも、薄底のシューズで走るのは気持ちいい。
316ページから
人間は走るために生まれてきた。
生まれてきたというか、進化してきた。
アキレス腱、土踏まず、大きなお尻、頭靭帯、汗腺の多さ、呼吸が1対1ではない…
マラソンタイムについて
19歳を振り出しとして、タイムは27歳にピーク。
そこからタイムは落ちていくが、19歳と同じタイムになるのは、65歳。この結果は男女に差はない。
歳を取ってまで十代と競い合えるのは、マラソンぐらい。
後半はタラウマラ族とウルトラランナーとのレース。
スコット・ジュレクさんの本は2冊既読している。
タラウマラ族と走った記録は『EAT &RUN』
アパラチアントレイル走破の記録(この本が出版された時点ではまだなので書かれてない)は、『Northへ』
Posted by ブクログ 2020年10月28日
ご多分に漏れず影響を受け、ワラーチも履いた。レースシーンはワクワクする。これ読んだ時は50マイルのトレイルレースは出たことがなく、憧れが膨らんだ。
Posted by ブクログ 2019年06月19日
謎の男 カバーヨ・ブランコ を探すランナーの話
人類は長距離を走るために進化したのではないか と説く男の話
世界最高のウルトラランナーVS走る民族のレース
アベベ、小出監督から誰も知らない史上最強のランナーまで登場する、とっても面白いマラソン史に残る名著。
Posted by ブクログ 2019年05月21日
面白い!!人類は走るために生まれ、走るために進化してきた。人類は地球上で最も走れる動物なんだ、と。そしてまた、登場人物がみんな楽しそうに走るんだ。これが。走るモチベーションがとてつもなくアガります。そして、裸足で走りたくなります。(最近流行りのベアフットランニングですね)走る人には完全にオススメです...続きを読む。
Posted by ブクログ 2018年09月21日
人間は持久走で狩猟していた。長く走るには、熱を逃がすこと(全身で汗を掻く、毛が生えてない)、足の動きよりも早く呼吸ができること(前足と後ろ足で走る動物は、一回のストロークで一度しか呼吸できないが、人間はピッチと呼吸頻度が独立している、と。なるほどー!
Posted by ブクログ 2018年09月01日
本書は、ランナーのバイブルと言われる一冊である。
自身もランナーである著者が、速く走ることを追い求めて”走る民族”と言われるタラウマラ族に行きつく。ノンフィクション。
本書の構成は以下の3本が入り混じり、1本の話を作っている。
1.タラウマラ族への接近、謎の追求
2.最新のランニングシューズが人体...続きを読むに及ぼす悪影響と、バイオメカニクスや人類学による”走ること”の科学的アプローチ
3,タラウマラ族と、"私たちの世界”で最速のウルトラランナーたちがメキシコの荒野で繰り広げるレース
1.を軸に話は進む。タラウマラ族への接近と、彼らをとりまく状況などが描かれる。きっちり2. 3.の伏線となるエピソードを展開していく。この構成がしっかりしているため、ダレることなく読み進められる。つまりノンフィクションではあるが、読み物として普通におもしろい。
2.はいわゆるベアフットシューズの流行を生んだきっかけとなった論旨だ。
人々がハイテクシューズを履くようになって、逆に故障率が激増したりかつてはなかったはずの病気まで生んでいる、だからこそ裸足感覚こそが重要なのである…というところから、少し突飛な理論展開を経て、人類は走るように進化した、走るために生まれた生き物だ!という壮大な結論を経て、タイトル回収が行われる。
ここでの理論展開はかなりの熱量があり、なんかすげえやと妙な高揚感をもって引き込まれる。
3. でこれまでのサブエピソードで紹介されたウルトラランナーたちと、タラウマラ族最速の男を含めたランナーたちとのレースが描かれる。
これまで丁寧にエピソードを散りばめられたのはこのためか!と府落ち。
ところでウルトラランナーは超人と言って差し支えない走力を誇る人々だが、その中でも優秀な本著に登場する彼らははっきりいって色々とネジが飛んでおり異常なくらいキャラも濃い。奇人変人のそろい踏みだ。ロードと違い、トレイルはより身体感覚が研ぎ澄まされるものだが、ウルトラトレイルまでなると瞑想的な要素も多分に含む。言われてみればビートニクとの相性もよく、現代のロックはウルトラトレイルのようなエクストリームスポーツにあるのかもしれない。
私自身、ランナーであるため(もちろん彼らのようにはなれる気もしないが)非常に楽しく読めた。私は五感を研ぎ澄まされるような、目の覚める体験ができる旅が好きだ。トレイルは旅の要素も含む。それがウルトラトレイルともなれば、非常に濃厚な時間を過ごせるのだろう。こちらにも俄然、興味が出てきた。
これを読めばずっと長くて自然な道を、自然な気持ちで"楽しんで"走りたくなるし、「ビブラム ファイブフィンガーズ」が履きたくなる。あと、トルティーヤが食べたくなる。
特にトレランが好きなランナーは必読だし、そうでない人にもおすすめしたい。
Posted by ブクログ 2024年02月12日
話の切り替わりにあまりついていけず集中して最後まで読むことはできなかったが、十分に楽しめる内容だった。
人間が有酸素運動をすることをやめたら体調が悪くなるのはその通りだと思う。
シューズを履く方が怪我しやすいというのは信じたくないが納得できる気もする。
Posted by ブクログ 2022年01月26日
コメントいただけると学びになるので嬉しいです。
クリストファー・マクドゥーガルと言う人がランニングによる負傷をきっかけにタマウマラ族と言うメキシコの秘境的な峡谷に住む一族に学びに行くお話し。
最後の方は全米を代表するウルトラランナーのスコットジュレクとタラウマラ族とのウルトラマラソンレースが銅峡...続きを読む谷と言うタラウマラ族の地元で開催。
とても面白い。
学びとしては
・ランニングシューズが高価になると怪我が増えると言うデータ。
・裸足で走るとけがをしづらくなる。
・持久狩猟と言う人類が獲得した身体的能力を活かした狩猟法があって人類は鹿的な獲物を追い詰めれる程の持久力を獲得した。
私が今まで読んだ本の中でも特別面白い素敵な1冊でした。
ビブラムファイヴフィンガーズを高い金を出して買ってしまいました。
Posted by ブクログ 2021年06月11日
チャプターはあるものの目次がなく、話があっちこっちに飛ぶので読みづらい。なので見開いたところから断片的に読んでも問題ないく、読みながら自分で章立てして読み返すと理解が深まるかも。私の場合、初マラソンに向け本格的な練習を始めた矢先に転倒して脚を怪我してしまい、この本を繰り返し読むことによって、自分なり...続きを読むのイメージを構築できたお陰で概ね理想のタイムで完走できた。技術的なことを超えたところで、走ること意味・意義を見出だすには良い本だと思う。
Posted by ブクログ 2021年03月21日
<感想>
アメリカの白人たちが、メキシコのタラウマラ族とのウルトラマラソン大会を開催するまでのノンフィクション。
「走るために生まれた」というタイトルから想像したのは、精神論だった。しかし、読後には考えを改めた。まさに人間は走るために生まれたのだ。後半の、一見すると本編のタラウマラ族とのレース開催...続きを読むへのプロセスとは関係のないと思われた学者のパート。その並列の物語が動物としての人間の秘密を解き明かし、クレイジーと思われたランナーたちの方が正しい生き方をしていると感じさせる。
これまでとは違った視点で「走る」ことを感じさせてくれた一冊。
<アンダーライン>
・本質的にウルトラマラソンとは、イエスかノーで応える数百の質問からなる二進法の方程式だ。いま食べるか、あとにするか?この下り坂を爆走するか、スピードを抑えて大腿四頭筋を平地用に休ませておくか?
★タラウマラ族はレースを友情の祭りとみなしていたのに、フィッシャーは戦場とみなしていたのだ。
★走ることは人類最初の芸術
★「トレイルとけんかするんじゃない」「トレイルが差し出すものを受け取るんだ。石と石の間を一歩でいくか二歩でいくか迷ったら、三歩でいけ」
★★★「楽に、軽く、スムーズに、速く、と考えるんだ。まずは「楽に」から、それだけ身につければ、まあ何とかなる。つぎに、「軽く」に取り組む。軽々と走れるように、丘の高さとか、目的地の遠さとかは気にしないことだ。それをしばらく練習して、練習していることを忘れるくらいになったら、今度は「スムーズ」だ。最後の項目については心配しなくていい。その三つがそろえばlきっと速くなる」
・地の上を走り、地とともに走るかぎり、永遠に走ることができる
★★★疲労から逃れようとするのではなく、しっかり抱きしめることだ。疲労を手放してはならない。相手をよく知れば、怖くはなくなる。
・何かを征服する唯一の方法とは、愛することなのだ。
★★「長い距離を走ってると」と彼女はつづけた。「人生で大切なのは、最後まで走りきることだけって気がしてくる。そのときだけは、わたしの頭もずっとこんがらがったりとかしていない。なにもかも静まりかえって、あるのは純粋な流れだけになる。
★★★計画どおりにいくものはひとつもないが、それでもかならずうまくいく
★★彼らのノウハウは鍛えることで、無理に耐えることじゃない
・相手の弱点を見つけて、それをこっちの強みにするんだ
★★★「きみの娘さんが通りに飛び出したのを、裸足で全力疾走して追いかけるはめになったとしよう」「きみはおのずと完璧なフォームになる。前足部で立ち、背筋を伸ばし、頭を固定し、腕を上げ、肘を激しく動かし、前足部でさっと接地して尻に向かって蹴り返すはずだ」
★★★背筋は伸びているか?チェック。
膝を曲げて前に出しているか?チェック。
踵を後ろに振り払っているか?
★★★疑問に答えられないときは、逆さまにしてみる、というものだ。速く走るために何が必要かは忘れて、こう考えてみる。どうしたら、スピードが落ちるのか?
★★★走ることはわれわれの種としての想像力い根ざしていて、想像力は走ることに根ざしている。
★★われわれは走るためにつくられた機械、そして、その機械は疲れを知らないのです
★人は年をとるから走るのをはめるのではない、走るのをやめるから年をとるのだ。
★★★人が競争をするのは相手を打ちのめすためというわけではない。いっしょにすごすためだ
★★★「がんばっているなと思ったら、がんばりすぎている」
Posted by ブクログ 2020年01月09日
8割がた過ぎから、一気に面白くなった。
それまでは中々な道のりだった。寝落ちも何度か。相関図とかサイドストーリーの解説が別にあると自分としては面白いと思った。
まあ裸足とはいかないが、これ見てサンダルラン初めて、疲労骨折しました。今年はものにしてやりますよ。
Posted by ブクログ 2021年03月18日
この本を読んで、走るということがより好きになった。
途中、少しだらだらとしていて読みにくいと感じた部分があったので、そういうところはさらっと流し読みをした。
しかし、登場人物たちが走ることを愛し、お互いを尊敬しあう姿には、胸を打たれた。
速い人は、かっこいい。
遠くまで走れる人は、すごい。
険し...続きを読むい道を走れる人は、大きく見える。
でも、それだけじゃない。
走っている人たち全員が、自分と向き合って時には戦って、楽しんだり苦しんだりしているのだ。
全てのランナーに、尊敬と共感を。
楽に、軽く、スムーズに、速く。
ララムリ!
Posted by ブクログ 2018年10月09日
多少読みづらい部分もあるが,RUN好きにはお薦め.随所随所に引っかかる言葉が見つかる.
・何かを真に征服する唯一の方法とは,愛することなのだ
・人は歳をとるから走るのをやめるのではない.走るのをやめるから歳をとるのだ
Posted by ブクログ 2024年03月04日
話が急に飛んだり、突然感情がドンって表現されるクセの強い独特の文体。有酸素運動してるときの頭の中に似ていると感じた。そして久しぶりに走りたくなった。2022年から始めた読書漬けの日々ももうすぐ一区切りだし、走りに行こうかな。
Posted by ブクログ 2023年07月09日
【感想】
「ジョジョの奇妙な冒険」の第7部「スティールボールラン」に、「サンドマン」というキャラクターが登場する。彼は「大地の俊足」という異名を持ち、一般の参加者が馬を使う中、「自らの足」でレースに参加、1stステージ優勝を果たす。
サンドマンが馬より速いのは、彼だけが持つ特殊な走法が関係している。...続きを読む走る時に踵が地面に一瞬しか触れず、着地の衝撃がつま先に移動する。その衝撃を利用し、地面を蹴り前に進む。普通の人間は衝撃のエネルギーが膝に蓄積するため、足にダメージや疲労が貯まってしまう。しかしサンドマンは足の前方に衝撃を逃し、地面との反発に再利用して加速を行う。これが馬をも超える走りを可能とするメカニズムだ。
驚くべきことに、この「サンドマン」はフィクションの中だけでなく、実際に存在する。メキシコ北西部の山あいにひっそりと暮らす、世界最強の走る民族「タラウマラ族」だ。
タラウマラ族は、近代スポーツ学から見て常識外れなことばかりだ。まず、彼らの履物はワラーチと呼ばれるペラペラのサンダルである。ナイキのランニングシューズのような厚いソールやふかふかのクッションは無い。そこら辺のゴミ捨て場にあるタイヤを適当に加工すれば完成するほど、簡素な作りである。しかも彼らはスカートやTシャツといった、散歩に行くような普段着でレースに参加し、一般参加者を打ち負かす。
また、彼らはフルマラソンランナーのように鍛錬を積んでいない。電解質が豊富なスポーツドリンクを大量に飲んだりしない。練習の合間にプロテイン・バーで体力の回復に努めることもない。それどころか、たんぱく質はほとんど口にせず、もっぱら好物の焼きネズミで味つけした挽きトウモロコシを常食としている。レース当日にいたるまで、トレーニングや調整はしない。ストレッチや準備運動もしない。おまけに、彼らは大の酒好きで、しょっちゅうアルコールを口にする。レース当日まで酔っぱらっていることも珍しくない。タラウマラ族は一晩中パーティーをしたあと、翌朝にはむくむくと起き出してレースを始める。それは2マイルでも2時間でもなく、まる2日にわたってつづけられるものだ。メキシコの歴史家、フランシスコ・アルマダによれば、タラウマラ族のあるチャンピオンはぶっ続けで435マイル(約700キロ)を走ったことがあるという。立てつづけにフルマラソンをほぼ12回、昇った日が沈み、また昇るまでに走破したというわけだ。
ここで一つ疑問がわく。なぜそんな適当な感じで100キロ以上も走り続けられるのか?普段の食生活はともかくとして、ペラペラのゴム草履で一切足を壊さないのはどういうわけなのか?
答えは、われわれの常識が逆なのだ。つまり、ランニングシューズを履くから足が壊れるのであり、本来人間に適する走り方は、薄い靴ないしは裸足での走法なのだ。
クッションつきのシューズが発明される以前、ランニングフォームはどの時代も同じだった。背筋を伸ばし、膝を曲げ、腰の真下で足が地面を後ろにかくようにして走っていた。ほかに選択肢はなかった。衝撃を吸収するものは、脚を縮める動きと中足部の厚い脂肪しかなかったからだ。
しかし、ナイキがランニングシューズを発売し、底に厚いクッションの層を取り入れたことにより、不可能だった「踵着地」が可能となった。踵着地は遅いし足を壊すしでメリットは無いのだが、ナイキは悪どかった。「踵着地のほうがストライドの距離が伸び、速く走れる」「よりケガをしにくい」という説を広め、自社が製造する靴の販促に利用したのだ。つまり、今までに無かった走法を作り出し、それを正当化するために根拠をでっち上げ、そして「自社のシューズを買うことでしかその走りかたはできない」と宣伝することで、シューズを買わざるを得ないよう世界を変えてしまったのである。
この状況を筆者はこう綴っている。「ランニング障害の蔓延を巨悪のナイキのせいにするのは安易すぎるように思えるが、気にしなくていい。大部分は彼らの責任だからだ」。
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本書「Born to Run」は、読めば思わず走り出したくなる一冊だ――今までとは違う新しいフォームで。タラウマラ族の驚異的な逸話だけでも面白いのだが、そこに加えてランニングに関する科学的な視点を身体の構造の面から解説しており、非常にためになる。特に28章、進化学的観点から観た人間の特異性――ヒトは走るのが苦手な生物ではなく、超長距離を走るために設計された生物だった――が解明される章は、筆者の筆致も相まって抜群に面白い。ランニングの本質と喜びについて考えさせてくれる魅力的な作品だった。
――タラウマラ族の本当の秘密はそこにあった。走ることを愛するというのがどんな気持ちなのか、彼らは忘れていない。走ることは人類最初の芸術、われわれ固有の素晴らしい創造の行為であることをおぼえている。洞窟の壁に絵を描いたり、がらんどうの木でリズムを奏でるはるかまえから、われわれは呼吸と心と筋肉を連動させ、原野で身体を流れるように推進させる技術を完成させていた。それに、われわれの祖先が最古の洞窟壁画を描いたとき、最初の図案はどんなものだったか? 稲妻が走り、光が交錯する――そう、走る人類だ。
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【まとめ】
1 走る民、タラウマラ族
どうして私の足は痛むのか?
それは、ランニングというスポーツが根本的に健康に悪いからだ。ランニング関連の衝撃荷重は最終的に、骨、軟骨、筋肉、腱、靭帯といった脚の主要箇所を、時間をかけて破壊する。
近代医学の常識の外にいるのが、タラウマラ族である。
超長距離走にかけてなら、タラウマラ族ランナーの右に出る者はない。競走馬も、チーターも、オリンピックのマラソン選手も彼らにはかなわない。タラウマラ族の走る姿を見たことのある外部の人間は数少ないが、超人的なタフネスと静謐ぶりが織りなす驚くべき物語は、数世紀にわたって峡谷の外に伝えられてきた。
タラウマラ族の地には、犯罪も戦争も窃盗もなかった。汚職、肥満、薬物中毒、強欲、家庭内暴力、児童虐待、心臓病、高血圧、二酸化炭素排出もなかった。癌の罹患率はかろうじて検知可能な程度だった。彼らは糖尿病にもうつ病にもならず、55歳でも10代の若者より速く走り、80歳のひいおじいさんがマラソン並みの距離を歩いて山腹を登ってみせる。
タラウマラ族は一晩中パーティーをしたあと、翌朝にはむくむくと起き出してレースを始める。それは2マイルでも2時間でもなく、まる2日にわたってつづけられるものだ。メキシコの歴史家、フランシスコ・アルマダによれば、タラウマラ族のあるチャンピオンは435マイル(約700キロ)を走ったことがあるという。立てつづけにフルマラソンをほぼ12回、昇った日が沈み、また昇るまでに走破したというわけだ。
彼らはフルマラソンランナーのように鍛錬を積んでいない。電解質が豊富なスポーツドリンクを大量に飲んだりしない。練習の合間にプロテイン・バーで体力の回復に努めることもない。それどころか、たんぱく質はほとんど口にせず、もっぱら好物の焼きネズミで味つけした挽きトウモロコシを常食としている。レース当日にいたるまで、トレーニングや調整はしない。ストレッチや準備運動もしない。ただ、ふらふらとスタートラインにつき、笑って冗談を言いあい……そしてつぎの48時間は鬼のように走りまくる。
そんなふうに謎に包まれたタラウマラ族は、実は別名が通り名になっている。彼らの本当の名前は「ララムリ」――走る民族――だ。
2 レッドヴィルのウルトラマラソン
フルマラソンよりも長い距離と過酷な環境でレースを行うのが「ウルトラマラソン」だ。ウルトラマラソンは、50キロメートル以上の距離を、険しい山岳地帯や草木が生い茂るトレイルで走る。ウェスタン・ステイツ・エンデュランス・ランは161キロ、バッドウォーター・ウルトラマラソンは217キロ、スポルトマン・デ・アウトラに至っては一つのレースで431キロを走る。完走のためには24時間以上ぶっ続けで足を動かし続けなければならない。
24時間もノンストップで走ると、ウルトラランナーは頭がぼうっとして、懐中電灯の電池を交換することも、トレイルマーカーの意味を理解することもできなくなったりする。なかには正気を保つランナーたちもいる。だが、それ以外の者にとって幻覚はめずらしくない。あるウルトラランナーは懐中電灯を目にするたび、列車が迫ってくると思いこんで悲鳴とともに森のなかに飛び退きつづけた。バッドウォーターでは20人のランナーのうち6人が幻覚を訴え、うちひとりは腐乱死体が道路沿いに並び、「突然変異のネズミのモンスターたち」がアスファルトを這うのを目撃したらしい。
アメリカ西部のレッドヴィルという都市では、町おこしのためにレッド・ヴィル・トレイル100というイカれたマラソン大会が開かれていた。総距離100マイル(160キロ)、フルマラソンほぼ4回ぶん、その半分は暗闇のなかで、途中に800メートルの登山が2回ある。レッドヴィルのスタートラインは飛行機の客室が加圧されはじめる高度より二倍も高く、しかもそこから先は上にしか行かない。
1993年、レッド・ヴィル・トレイル100に数人のタラウマラ族のチームが参加した。リーダーは小柄な55歳のおじさんで、若者二人は18歳ぐらい。チーム・タラウマラは現地に到着するが早いか町のごみ捨て場へと姿を消し、ゴムタイヤの切れ端を手に戻ってきて、サンダルをつくりはじめた。彼らのランニングシューズである。
過去10年間、レッドヴィルの全ランナーを見てきたが、こんな者はひとりもいなかった。これほど、異様なまでに……普通の顔をしている者は。10時間連続で山を走れば、へたばるか、顔にそれが出るかのどちらかで、例外はない。最強のウルトラランナーでさえ、この地点まで来るころには下を向いて思いつめたように、足を交互に踏み出すというもはや不可能に近くなった苦行に集中している。それなのに、タラウマラ族はけろっとしている。たったいま昼寝から目を覚まし、ぼりぼりと腹をかきながら、子供たちにこのゲームのやり方を見せてやることにしたといった風情だ。
ビクトリアーノが最初にテープを切り、セリルドが僅差の二位で到着した。マヌエル・ルナは、新しいサンダルが83マイル地点でばらばらになり、足をすりむき血を流していたが、それでもターコイズ湖のほとりの岩がちなトレイルを走りきって五位につけた。タラウマラ族以外の最初の完走者はビクトリアーノよりほぼ1時間遅く、距離にしてざっと10キロの差をつけら れていた。
3 アン・トレイソンvsタラウマラ族
タラウマラ族に勝てる者がいるとすれば、アン・トレイソンしかいない。彼女はカリフォルニア州出身の33歳になるコミュニティ・カレッジの科学教師だ。アンはウェスタン・ステーツ100――トレイルランニング界のスーパーボウル――の女子チャンピオンに14回も輝いた。アンはレースとなると見境がなくなる女性だった。一時、彼女は4年にわたり、ひと月おきのペースでウルトラマラソンを走った。それだけ身体を酷使すれば消耗するのが普通だが、アンの回復力は突然変異したスーパーヒーロー並みで、動きながら元気を取り戻し、弱って当然のときにますます強くなるように見えた。彼女は月を追うごとに速くなり、その4年に20レースを制覇した。トラックとロードで打ち立てた世界最速記録は10をくだらない。オリンピックのマラ ソン選考競技会への参加資格も得たし、62マイル(約100キロ)を1マイル6分44秒のペースで走って「ワールド・ウルトラ」のタイトルを獲得し、ウェスタン・ステーツとレッドヴィルを同じ月に制覇した。
そのアンがレッドヴィルに出場する。タラウマラ族との対決だ。
タラウマラ族のフアンは17時間30分でゴールを通過し、レッドヴィルのコースレコードを25分速いタイムで更新した。アンは約30分遅れの18時間6分だった。女子の新記録である。彼女のすぐ後ろにつけていたマルティマノが三位にはいり、マヌエル・ルナと残りのタラウマラ族が四位、五位、七位、一〇位、一一位でゴールになだれこんだ。
アンはゴールまで30分たらずのところでフアンに抜かれていた。“疲れた様子さえない!彼はまるで……楽しんでる!"アンは打ちのめされ、棄権しようと考えた。タ ラウマラ族のあふれる喜びは、アンを心底、落胆させていた。ここまで、それこそ死にものぐるいでリードを保ってきたのに、この男は気が向けばいつだって挽回できたとでも言いたげだ。屈辱的だった。
4 ランニングシューズの罠
タラウマラ族はサンダルで走っているのに、何故脚を壊さないのか?
タラウマラ族の走りに非常に近い、ケニア人の走り方を見てみよう。彼らの足は体の真下に着地し、そして押し返す。ストライドを短くし、前足部で立ち、背筋を伸ばし、頭を固定し、腕を上げ、肘を激しく動かし、前足部でさっと接地して尻に向かって蹴り返す。
そして、この動きがアスファルトからの反発力を推進力に変える。踵着地ではアスファルトからの衝撃が直に膝に伝わり、その逃げ場がない。一方でつま先で着地しそれを次の一歩の慣性に利用できれば、身体の負担は軽減され、かつ速く進める。
ランニングとは本来、危険なスポーツである。アスファルトの衝撃が膝に負荷を与え、脊髄にまで駆け上がるからだ。それは現代のランニングシューズの構造に原因がある。靴はわれわれの足を弱くし、オーバープロネーション(着地の衝撃を分散するために、着地時にかかとが内側に倒れ込むように動く人体の自然な動き)を招き、膝に問題を生じさせる。1972年にナイキが現代的なアスレティックシューズを発明するまで、人々はきわめて薄い底の靴を履いて走っていたが、彼らの足は強く、膝の負傷率ははるかに低かった。
そして、ナイキはそれを知ってなおランニングシューズを普及させた。
●真実その1:最高のシューズは最悪である
最高級シューズを履くランナーは安価なシューズのランナーに較べてけがをする確率が123パーセントも大きい。これはスイスのベルン大学に所属する予防医学の専門家、ベルナルト・マルティ医学博士を中心とした研究の結果だ。故障経験者に共通する最大の変数は、トレーニング場の表面や走るスピード、一週間に走る距離、「実戦トレーニングによるモチベーション」のいずれでもなかった。それは体重でもなければ、それまでの故障歴でもない。シューズの価格である。95ドル以上のシューズを履いたランナーは、けがをする確率が40ドル未満のシューズのランナーの2倍だったのだ。
●痛ましい真実その2:足はこき使われるのが好き
ベイツ博士と同僚たちは、シューズがすり減ってクッション材が薄くなると、ランナーは足をコントロールしやすくなると報告した。
どうして足のコントロール+べらべらになった靴=けがをしない脚になるのだろうか?ある魔法の成分、つまり恐怖のためだ。アディダス・メガバウンスといった商品名から連想されるふかふかしたイメージとは裏腹に、クッション材は衝撃を緩和する役には立たない。しかも、シューズのクッション材が多いほど、足は保護されなくなる。
モントリオールのマギル大学で、スティーヴン・ロビンズ医学博士とエドワード・ワケド博士が体操選手を対象に一連のテストを実施した。その結果、着地用のマットが厚いほど、選手は強く突き刺すように着地することがわかった。彼らは本能的に安定性を求めていた。着地面がやわらかいと感じると、バランスを確保するために強く足をたたきつけるわけだ。
「バランスと垂直方向の衝撃には密接な関係があるとわれわれは結論づける」マギル大学の博士たちはそう書いている。「われわれの発見によれば、現在入手可能なスポーツシューズは……やわらかすぎ、分厚すぎる。人間の運動機能を保護することが目的なら、設計を改めなければならない」
「建築物を見てみるといい」とハートマン博士は説明している。足の中心となるのは土踏まずだ。重量を支えるためのデザインとして、これほど優れたものは歴史上見当たらない。あらゆるアーチの素晴らしさは、圧力をかけられると強さを増す点にある。押し下げられれば下げられるほど、アーチの各部分はぴったりとかみ合うのだ。有能な石工ならアーチの下に支えをつけるような真似はしない。下から押し上げれば、構造全体を弱めることになるからだ。足のアーチをあらゆる面から強化するのは、26の骨、33の関節、12のゴムのような腱、そして18の筋肉からなる伸張性の高い網であり、これはいずれも耐震構造のつり橋のように収縮する。一方で、シューズを履けばそのアーチの隙間を埋め、脚の弾性を殺すことになる。
5 ナイキの大罪
ランニング障害の蔓延を巨悪のナイキのせいにするのは安易すぎるように思えるが、気にしなくていい。大部分は彼らの責任だからだ。この会社を設立したのは、何でも売ろうとするオレゴン大学のランナー、フィル・ナイトと、何でも知っていると自負するオレゴン大学のコーチ、ビル・バウワーマンだった。このふたりが手を組むまで、現代的なランニングシューズは存在しなかった。現代的なランニング障害の大半もしかりだ。
バウワーマンが上手かったのは、自身の新型シューズでのみ可能な新たな走法を提唱したことだ。コルテッツによって、人はそれまでは安全におこなえなかった走り方ができるようになった。骨ばった踵で着地することだ。
クッションつきのシューズが発明される以前、ランニングフォームはどの時代も同じだった。背筋を伸ばし、膝を曲げ、腰の真下で足が地面を後ろにかくようにして走っていた。ほかに選択肢はなかった。衝撃を吸収するものは、脚を縮める動きと中足部の厚い脂肪しかなかったからだ。
だが、バウワーマンには考えがあった。重心より前に足を着地させれば、若干距離がかせげるのではないか。踵の下にゴムの塊をつければ、脚を伸ばし、踵接地して歩幅を長くすることができるだろう。著書『ジョギング』で、ふたつのスタイルを比較した彼は、時の試練を経た「扁平な」着地の場合、「広い面積が着地を支え、身体は安定する」と認めていた。にもかかわらず、こう信じてもいた。「踵からつま先へ」式のストライドが「長距離ではいちばん疲れにくい」、それ用のシューズを履きさえすれば。
マーケティングは完璧だった。同じ人物が新しい走法を作り、製品の市場を作り、そしてその製品を作ったのだから。
実際のランニングシューズと踵着地は、安定するどころか、プロネーションを悪化させ、足とくるぶしの両方に痛みを感じさせた。
リディアードはプロネーション関連の話がすべてマーケティング上のたわごとだとわかっていた。「どの年齢層にせよ、平均的な人に裸足で廊下を走ってもらっても、その人の足の動きにプロネーションやスピネーションの兆しはまず見られない」とリディアードは訴えた。「そうした足首の横への傾きは、足をランニングシューズに通して初めて生じる。多くの場合、シューズの構造が足の自然な動きを一変させてしまうからだ」
バウワーマンは途中から気づいていたけれども、シューズを売るのをやめなかった。彼はナイキのイデオロギーをこう言い表している。「金を儲けること」だと。彼は同僚への手紙で、ナイキは「大量のゴミをばらまいている」とこぼしていた。
Posted by ブクログ 2022年08月14日
超人的な走りを見せる登場人物たちに圧倒され、こんな世界があるのだと感じた。ランニングシューズが脚を弱くしているというのは衝撃を受けた。独特な言い回し、ジョークは頭に入ってこなかったが、全体として興味深い内容だった。
Posted by ブクログ 2022年04月23日
ノンフィクションだけど、劇作っぽいかんじでハラハラするしワクワクする。
ランニングシューズ無しで走るなど常識と思われているが、必ずしもそうではないっていうところが面白い。
10年ほど前に発刊された本だったので、歴史っぽさあって自分にとっては苦手感もあった。
Posted by ブクログ 2021年10月07日
この本は三つの物語で構成されています。
タラウマラ族の秘術を探る話。ランニングシューズについてや人間の身体は走るように出来ていること。そして、ウルトラトレイルレースについての話です。
どれも面白く読み進めるとどんどん引き込まれていきました。ぜひ、一度は見てほしい作品です!
Posted by ブクログ 2020年08月27日
かつての人類は集団で獲物を遠巻きで長距離追い回し、皮膚で温度調節出来ない長距離走ることが出来ない動物をオーバーヒートさせて弱らせて狩っていたと言う説が面白くて印象に残ってる。
逆に言うとそれ以外のセンテンスでは特段印象になこるようなことなかったな
Posted by ブクログ 2018年10月20日
twitterのわたしのTLで話題になって他ので読んでみた本。わたしはランニングは全然しないんだけど面白かった。ちょっと走ってみようかななんて思ったくらい。
人間に有酸素運動が必要というのは激しく同意。
ところで、私は小学校1年生から4年生くらいまでほぼ裸足で走り回っていたので、その感覚が懐かしい...続きを読む。今でも仕事に行く以外は1年のうち8ヶ月くらいはビーサンで過ごしてるのはそのときの後遺症で靴嫌いなのかも(笑)。