あらすじ
母子家庭で育った倉木は、病気の妹の治療費のために野球をやめ、無気力に生きていた。そんなある雨の日、「あなたを買いたいの」とクラスメイトの美少女・春野に告げられる。彼女は真顔で倉木の時間を30万円で買うと言うのだ。なぜこんな冴えない自分を?警戒し断ろうとした倉木だが、妹の手術代のことが浮かび、強引な彼女の契約を受け入れることに…。しかし、彼女が自分を買った予想外の理由と過去が明らかになっていき――。ラスト彼女の嘘を知ったとき、切ない涙が溢れる。痛々しいほど真っ直ぐで歪な純愛物語。
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Posted by ブクログ
1週間君の時間を買わせてよーーー。
ある日、突然、主人公の前に中学時代の同級生が現れて、1週間一緒に過ごしてくれたら30万あげるとバイトの提案をしてくる。
病気の痛みや苦しみの中で他者を気遣うことが自分だったらできるだろうかと読み終わった後も考えてしまう。それができたのは絶望しかない中で一瞬でも寄り添ってくれた主人公の存在と雨のように降り注ぐ優しさと言葉だったのかな。
Posted by ブクログ
実は死んじゃってた、系。
よくあるパターンだけど、中高生にはうけるかも。
しっかし、みんな死んじゃうな。こんな話ばっかり。
若い人たちに「死んじゃうことだけが人の世の悲しみじゃない」と
大人は教えるべきなんじゃないのか。
死をあまり美化し過ぎない作品も書いて欲しい。
Posted by ブクログ
非常に読みやすい言葉、構成で描かれた、恋愛小説。主人公の精神面の成長がよく取れた。
どんな時も自分の不幸にだけ視点を向けずに周りの優しさに気がつける人でありたい。
Posted by ブクログ
妹が遊具から落ちて頭に怪我を負ってしまい、診察をする為にお金が必要になった。母子家庭なのもあり、金の工面をする必要があった。主人公である倉木は好きだった野球部をやめて良いバイトがないか探すことを決意する。ある日、ヒロインである春野に声を掛けられ、倉木の一週間を30万円で買いたいと言ってくる……という物語。導入は目を惹く者があるのだが、倉木が妹が遊具から落ちた理由を一緒に遊んでいたヒロインたちに確認していなかったり、好きな物を自由に変える友人に嫉妬していたりと、話の展開に煮え切らない部分がいくつか存在していた。沙和ちゃんにもう少しスポットが当たっていると、深みが出て良いのではないかなと思いますね。彼女の掘り下げが欲しかったところ。だが、倉木が春野を好きになっていく過程は丁寧に描かれていたように思う。