【感想・ネタバレ】協同の基礎理論 「おせっかい」のすすめのレビュー

あらすじ

我々生物はみな、互いに支え合って生活を営んでいる。
そもそも協同はなぜ、生物界に誕生したのか。
そして、どのように進化してきたのか――。
「南医療生活協同組合」を定年退職まで勤め上げた著者の
豊富な経験と、確かな知見に基づく「現代版おせっかい論」。

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ネタバレ

新しい教養「協同・歴史」に驚き

1、これまでのような、マルクス主義の唯物史観でも、皇国史観的な観念論でもなく、支配者どうしの権力闘争でもない。どちらかというと、共同体700万年(あるいは40万年)の人類史から見た、射程の長い現代論。
2、知者はともすれば現代の矛盾をせいぜい近現代史の時間幅で捉えようとする。しかし、本書は人類史全体から現代を取り上げる。「人類史全体(普遍)から見れば、近現代は一瞬の通過点(特殊)だ」という。
3、その上で、「協同の誕生と進化の歴史」、「人類の協同の進化と協同意識」、「くらしの協同が営む共同体700万年(40万年)」、「共同体破壊の明治維新」「現代社会の問題点=所有と所有権の対立、協同社会から孤立社会への転落」、「協同組合の歴史的役割」などに立ち入っている。
4、著者は南医療生協で42年間、地域住民のくらしの協同をサポートし、地域の自発的協同=おたがいさまのまちづくりに携わってきた人物。「現代人でも、ある条件さえあれば、すすんでおせっかいを焼くようになるが、それは、人類史(普遍)では当たり前のことだった。現代が異常・特殊な社会であることの証明だ」ともいう。
5、この本は400ページ。時間はかかるが、興味のある所だけ「つまみ読み」できるように書かれている。これほどコクのある本はない。私としては、新たな教養を吸収できる、これまでにない一冊になった。一読に値する本と思う。
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#癒やされる #深い #タメになる

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2022年06月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

協同学習や協同教育をしているので様々な協同もまた興味がある。人は弱いが故に社会を作るし,そもそも養育されないと生き残ることができない生物的制約は生存に他者を必要としている。生協の職員だった著者がまとめた本。伊藤野枝が出て来て,今宿の組合の話が出てくる。確かにここら辺の昔から住んでいる人は組合というなぁ。すべてを共有する時代から家族単位で個別に生計を営むような時代になっても国や地方に納税し,そこに住む人は協力していることになる。facetofaceで知り合う人たちは税金や制度を越えたお節介や親切が可能。

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2024年07月03日

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