あらすじ
壮大な自然に親しむ登山やキャンプがブームになって久しい。一方で、山への畏れが忘れられていないだろうか?
山には平地では遭遇しえない危険が潜んでいる。クマに襲われたり、落雷が直撃したり、救助に来たヘリが目の前で墜落したり、他人の巻き添えで山頂付近から滑落したりと、ベテランですら生死の境目に立たされるのだ。そんな時、どうすれば生きて帰れるのか?
遭難取材を長年続ける著者が貴重な証言からその術を解説。数多の恐怖が待ち受けるのに「それでも登る」と皆が言う、山の魅力がわかる一冊。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
私も「道迷いで途方にくれていた人」と「ライトを持っていなくて暗闇で行動不能になっていた人」の2回ほど遭難予備軍な人と一緒に下山して登山口まで送り届けたことがあるが、どちらも良く整備された登山道であったからリスクなしに無事に送り届けられた。富士山で救助活動をした大学生の子達はリスクを承知で見ず知らずの男性を助け、自分の命より相手の命を優先することはしないという山岳救助の原則をきっちり守っていて本当に尊敬する。倒れた男性の救助をしていた方々も登山計画に狂いが出ること自体がリスクになるだろうしコロナの時期でなくとも大事な装備に血が付着するのは抵抗感があるだろうに。涙腺が緩くて他人のために行動できる人を見ると涙がぽろぽろ出てくる、こういう人達のように私もなりたい
大変面白かったしためになる山をやる人ならおすすめの本です
Posted by ブクログ
いつ起きてもおかしくない登山中の事故が挙げられていて、身を引き締めるよい教材になったとともに、装備と準備を早速改めなければと思った。
特に、雷が落ちて生還した人のエピソードは貴重。
Posted by ブクログ
登山中に人が落ちてきた(こんなことってある!?)
テントで就寝していたらクマに襲われた(クマ怖すぎ!)
救助にやってきたヘリコプターが目の前で墜落(恐怖しかない)
こんな予想もしないことが実際にあるなんて…
いやはや山の事故はおそろしい
自然は人間の想像を超えて起こりうる
数々のおそろしい山の事故を取材した羽根田治さんの本
この本のサブタイトル…”事故から学ぶ山岳遭難”
そう、必ず生きて帰るための人々の奮闘や知恵
あの時こうすればよかった
あの時こうした
というエピソードは本当にためになります
(いや、そんなすごい山に登る予定はないですが…
でも低山でもいろんなアクシデントがありますので)
ハチに刺された話も怖すぎる
もし、私と友人が山に登っていてどちらかが刺されたら…私、ちゃんと判断できるだろうか…
この本の中で書かれていた
「救命処置の知識があるだけではだめ…」という話
私もAEDの講習会に行って一応できることになってるけど、いざ自分が使おうと思って使えるかどうか…
あと、山を軽く見て軽装で富士山に登る人の話やら
冬山登山なのに軽装で登って救助を求める人の話やら
ある意味その人たちが怖すぎる…
低山ハイキング程度の私ですが
山に登る時は心していくべし!
と、あらためて心に刻んだ一冊。
Posted by ブクログ
おもしろかった、というか、タイトル通り恐ろしかった。東京近郊で子どもと低山を楽しむ程度だけど、ハチはありえるなーと。あと、突然のケガとか病気もありえる。ファーストエイドは勉強しておこう。
Posted by ブクログ
実際に起きた山岳事故から状況を取材・検証し、どのようにしたら防げたのかを考察する一冊です。
登山ブームによって、山岳会などの組織に所属せず、インターネットや書物で知識を学んで山に登る人が増えてきた昨今、『山はおそろしい』場所であることの認識が軽くなってきている傾向があるようです。本書で取り上げられている事例はレアケースも含まれますが、そのレアケースがいつ己の身にふりかかるのかわからないのが山。正しく恐れて、正しく備え、山を愛してほしいという筆者の願いが見える一冊になっていると感じます。
落雷、滑落、クマによる人身被害、滝壺転落、ハチ毒アナフィラキシー、滑落してきた人との衝突、バックカントリーでの宙吊り、雪山軽装登山者の遭難、病の発症など、取り上げられている事案は様々。どれも自分が遭遇したらどのようにするだろうかと想像せずにはいられない内容です。
自分の身を自分で守ることは、まず大前提。技術しかり、装備しかり、天候や体調を含めた状況判断しかり。その上で、何かトラブルに見舞われたときにどのように行動できるのか、またそのような人に遭遇した時に見て見ぬふりをするのか、何か手伝いをすることができるのか。そういった心構えをすることも『登山準備』のうちなのだろうと、本書を読んで感じました。
私もいつか、山に登れるようになりたいと思っている未経験初心者の一人です。長野の燕岳や北岳、御嶽山にいつか登れるようになれたらと思ってはいますが、実現できるのは遠そうだと思うばかり。インターネットでも書籍でも色々な知識は勉強ができますが、知識を持っているのと使えるスキルとして身に着けているのとは別です。
山は下界とは違う世界。自分の落とした石一つが誰かの命を奪うかもしれないと思ったら、きちんとした技術を持たず、覚悟も持たず、無計画に登山をしようなどと思ってはいけないのだろうと改めて思いました。
いつか、自力で山に挑戦する時に、この本で読んだことも頭の片隅においておきたいと思います。
Posted by ブクログ
山のおそろしさがよくわかる本。
ただし、著者は、これらは教訓として心に刻むべきものであり、山の怖さだけがクローズアップされることは本意でないと言っている。
登山と言えるほどの経験はないけれど、私でもとてもためになる内容で、様々なシチューエーションを予め想定することが必要なんだと改めて感じた。
落雷、蜂、熊など滑落や道迷い以外にも山には多くの危険がある。
また、街中とは違い、それらに遭遇した時に救急車はもちろん、救援がすぐに来てくれるわけではない。
山はおそろしいということをしっかり肝に銘じて、山登りを楽しめたらと思う。
Posted by ブクログ
山に登るのに免許は要らないけれど、知っておくべきこと、覚悟しておくべきことはある。
熊、蜂、天候、水流、盗難以外にも、なんなら自分が凶器となって他者を死傷させる可能性もある。
そんな恐ろしさも込みで、登山を楽しんでほしい。
という著者の思いがよく伝わる警告書でもあるレポート。文章がわかりやすいので臨場感たっぷりに被害状況が伝わってくる。自分ごととして考えられるのがよいと思う。
本当に必要な人には届かないかもしれないけれど、少しでもつらい思いをする人が減りますように。
Posted by ブクログ
「雷に打たれる」「ハチに刺される」「熊に襲われる」「テントが盗まれる」「人に衝突される」「助けざるを得ない人が現れる」…油断した隙に危機が訪れる。山には無数のリスクがある。だからこそ山は人を魅了する。太古の昔、人が暮らす場所には何も守るものがなかった。自分と自然の間には何もない。そんな環境でも生きていけるのか。確かめたいという本能。危険を回避する能力を鍛えたい。…いつかは山へ、と思いながら何年経っただろうか。登山するのはいつの日か。整備された公園を散歩しながら、せめて、頭の中でシミュレートしてみる。
Posted by ブクログ
角幡さんからの山岳繋がりで、読んでみた。
これまでも、著者の本や、山岳遭難とか事故検証的なものはいくつか読んだことがあり、なんとなく似たようなイメージで手にしたが、それらとは若干違っていたような…。最後の盗難の話のせいか、起きた事故や遭難が、大きなニュースになるようなものが少なかったからか。
なんにせよ、自然は人がどうにかできるものではなく、その恩恵を享受しつつ同時にリスクをできるだけ減らすために、どれだけ心構えと物理的な準備ができるかってこと。
たまたまその準備と心構えが万全な、正統な(?)登山家に遭難寸前で出会い、命が助かったケースが紹介されているが、驚くことに、その助けられた人物は、命の恩人に対してなんらのお礼もお詫びもなかったというから、これはもう驚きを通り越して呆れるばかり。助けた方も命懸けであったにもかかわらず、だ。
人としてどうなのさ。
それでも、本書を読んだことで、自然に対する畏怖の念は改めて強く感じさせられたし、それを徹底的に弁えたうえで、自然の力に挑もうとする人々の、その向き合う姿にも強い敬意を覚えた。
にしても、なんで私、こういう系の話が好きなんだろう???
Posted by ブクログ
山はおそろしい。だから、登らない、ではなく、山というか刻一刻と変わる自然の怖ろしさに畏怖の念を持って、自然を感じ楽しみたいなと思わせてくれた本でした。
Posted by ブクログ
いやー怖すぎた。自然、無知、救助を待つ間、人間。山にはこれらの脅威があり、十分に知識技術を得てから行かないと死ぬ可能性が高くなるというのがよーく分かった。衝撃だったのは上から人間が降ってきた事件と、一つの事故に3つの事故が合わさった多重事故の話。
Posted by ブクログ
山登りに関する事故•事件を紹介しつつ、ヤマナメンナヨ的な本。
と言う私なんぞハイキングできゃっきゃうふふするぐらいで、山登りと言えば地元の足羽山、全力出して文殊山さんでしょうか。所謂福井県ネタです。はい。
熊に襲われるわ、雷に撃たれるわ、ハチに刺されるわ、沢登りすれば滝に落ちるわ、雪山登れば穴に落ちるわ、登山中持病かなんかで突然死するわ、自然怖いわーと思えば、上から人間が落ちてくるわ、キャンプ地で泥棒に会うわで、人間こえーやろと、え、引きこもりの俺って勝ち組?と思わせる、下手なホラー小説よりも怖い話が続きます。
無知、準備不足、慣れによる油断等で事故は起こります。本当に舐めて登っては駄目ですね。その先に死が待っているんです。プーさんが可愛いじゃねーぞ!
そう言えば昔結婚前の嫁がスキー場をハイヒールで行幸されたのを思い出しました。結婚して20年経ちますが無事生きております。ありがとうございます。
だからといって山へ行くなと言う話ではなく、山を愛するからこそ、十分に勉強し、下調べし、経験値を上げながら、次の山へとレベルアップして楽しんでくれと仰っております。
一度地元の山登りで感動した素人童貞が、次は一気に世界の富士山へと美女にアタックし、結果会話も出来ずに撃沈となる事例が多いので初心者の皆さん、いきなり富士山はやめた方がよろしいです。死ぬぞ。
私はもちろん富士山は畏れ多く、外からそっと眺めるものだと理解し、安全なエロ動画を見て人間の素晴らしさを堪能しております。山2つは最高です。
ま、私は命を懸けてまで登る事はしたくはないので近所の散歩で十分です。車には気をつけます。