【感想・ネタバレ】セイジのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

淡々と流れるなかの鮮烈なシーン。
文字を追うだけでは、読みこなせない文字数そのものよりも心にずっしりきた。

『奇蹟』がそう簡単に(決して簡単なシーンではないが…)起こるとは思えないけれど、その一瞬以上のものを感じ、絶対忘れられないなと思った。

竜二と高志なの関係、言葉なしなのが心に沁みる。

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2022年01月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

映画を観て原作が気になり読んでみました。
エピソードが絞られている分セイジの言葉が意外に多く、映画のセイジより人間らしく感じられた。強烈なエピソードだけど、セイジがカミサマだったことに救いがありました。
辻内さんの作品は初めて読んだけれど、もう一つの作品も含めて人間社会に順応できないヒトを描くその視線がすごいと思う。

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2012年03月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

併せて収録されている「竜二」は未読。

伊勢谷友介監督、西島英俊、森山未來出演、2月18日公開の原作ということで、本当は読まずに作品を見ようと思っていたが、本屋で出会ってしまったそれが、すでに映画版の表紙になっていたので思わず手にとってしまった。

原作はえらく短い。しかしながら、確かに、映像にするのはなかなか興味深い。原作を生かすか、殺すか。伊勢谷君のお手並み拝見。

気になっていた「ある出来事」を、知ることとなるが、
これをどうやって映像にしてくるのか、
いろんな意味で気になる。

本当は☆☆☆☆☆でもいいくらい、
わたしは「あり」
なぜだろう。すごく共感してしまうのは、わたしもある種の
「陸の魚」なんだろうか・・・

西島さんも、森山くんも、原作読んだ段階ではナイス配役。
伊勢谷君の力量に注目。
映画への期待をこめて今は☆☆☆☆★

これをTOHOでやるのか・・・なかなかやるな。

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2012年02月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今かなり見に行きたい映画、
『セイジ 陸の魚』の原作。


映画記念特別カバーも勿論いいんだけど、
やっぱり通常版の方が
セイジ にしっくり来る気がします。



一部抜粋

わしが思うに、そういう奴は頭が良すぎるのかも知れんなーーー」
「そういう奴って、誰よ?」とカズオさん。
「そういう、何もせん奴よ」

(略)

「わかんねえな。何で頭が良いと何もしなくなるんだよ。東大を卒た奴が皆んなグータラになっちまったらニッポンはエライ事だぞ、先生」
というカズオさんの言葉に、
「いや。そういうんじゃ無いんだ」
先生は、またプカリと煙を吐いた。
「わしの言うのは、つまりものごとが、見えすぎる、わかりすぎる、そういう神経を持った人間の事だ。感じすぎてしまう人間の事だよ」
そして先生は、こんな事を続けた。
「ものごとが、みえすぎる、感じすぎるというのは、これは、まあ、不幸、と言えば不幸であるかも知れんな。人間は或る意味じゃ鈍感だからやっていけるんだろう。だからこそ社会というものも成り立っていけるんだろうと思う。みえすぎる目で眺めてみると、この社会なんてのは汚れと欺瞞のカタマリなのかも知れない。不可解でやりきれないものの巨大なカタマリなのかも知れないな。それを感じてしまう心は、不幸だろうな」






ここまでは、友達と高校生の頃によく話したなぁって思う。世の中とか、人間とか、とにかく生きてる自分と他人とか、分かれば分かるほど落ち込むというか。

なんか、こんなことわかんない人はわかんないわけで、
気付かない人は気付かないわけで、
その方がよっぽど幸せなんじゃないの?

って思うんだよ、そう、幸せなのはどちらなのかな?って。


なんにも悩んだりしないでとりあえず騒いで見えないように深く探らないようにして
とにかく楽しく楽しく生きる上っ面の人生と、

いちいち疑問抱いちゃったり見て見ぬフリできなかったりして
とにかく悩むばかりの先の見えた諦めと妥協?というか変にそういったことに納得している人生と、




本の話からは逸れるけど、
こんな歌詞がある。

何も知らない方が 幸せというけど
僕はきっと満足しないはずだから


(『君は僕に似ている』See-Saw)



これが凄くしっくりくるというか、

どちらが幸せかはわからないけれど
私は知らないままでは満足できないだろうなっ。

ていう一連の流れを思わずにはいられない文章でした。






ただ、そのあとにこう続くのね

「・・・・・・・・・ただ同時に鈍感な者には見えないキレイなもの、ウツクシイものも、またそこには見えてくる事も有るだろう。それは逆に大変幸福だということも言えるかも知れない」



私が知る側でいたいと思うのはさっきも書いた通りやっぱり幸せになれるかじゃなくて
自分に向き合うというか逃げないためだったから、

そういう私にとってこの文書は斬新でした。


しかしそれも割合ではないかなとも思う。

いくらキレイなものに触れられる可能性が高くてもやっぱり苦しさのパーセンテージが多すぎたら潰れるんじゃないかな。

むしろたまに会えた綺麗なものへの衝動で全部捨ててしまいそうで怖い。



更につづいて引用したいところもあるけれど口説いので一言だけ。

『むきだしの孤独』


凄く適切で的を射た表現です。
知りたい方は是非読んで見てくだされヾ(@⌒ー⌒@)ノ



同時収録されている『竜二』も含め、
作者は散々、とことん、人間というものを突き詰めて考え悩んだのではないかと思わせる一冊。

綺麗事でしめることもなく、
かと言って絶望のドン底に突き落とすだけということでもなく、

ただ乱雑な極論を使って読者を惹きつけるのではなく
真摯な姿勢で作られた物語だとおもいます。



ストーリー自体はびっくりすることも!

おすすめです。

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2012年01月25日

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