感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2017年12月06日
2017/12月
辻内さんは自分と似た生に対する探求心をもっているというかその境遇におかれているような気がして
セイジも竜二も
生の本質に迫る気がします
Posted by ブクログ 2014年05月20日
「・・・・・だって、私、神様を目の前で見たんだもの。」
他人の痛みを共有するということ。
無骨で不器用な男・セイジがした行為。
救い―――必ずしも光射すとは限らない。
慟哭から立ち上がるのは自分の足で、なんてことは解ってる。
作者が優しいんだと思う。
不器用な人間に。
敗者に。
ドロップアウト...続きを読むした人間に。
乗り損なった人間に。
そして、勇気がなかった人間に。
そう書いてる俺様もきっと勇気がない敗者のひとりです。
Posted by ブクログ 2012年04月29日
いまはもう寂れてしまった国道沿いの一軒のドライブイン。そこで、僕は、ただ純粋に不器用に生きる青年セイジに出会う。「人間って何だ」「人生っていったい何だ」ーそんなことを考えながらも気のおけない仲間たちと楽しく過ごしていたある日、目の前で奇蹟は起こった。文壇を騒然とさせた話題作。太宰治賞作家の原点とも言...続きを読むうべき名作。「竜二」を併せて収録した。
Posted by ブクログ 2012年03月13日
映画化を機に読んでみました。
物語はセイジの視点ではない上セイジがあまり語らないため、周囲が思うセイジ像=セイジになっている気がした。
セイジが何を思っているのか、何が生きづらいのかが伝わっては来るものの、セイジの心理に共感することは難しかった。
しかしそれでも、「人とは?」「生きるとは?」「人を...続きを読む救うとは?」というこの小説のテーマを突きつけられた。
痛みを伴うが、読んでよかったと思える本だった。
Posted by ブクログ 2011年11月13日
再読、氏の作品の中で最も好きな一作です
ここ数年で、辻内智貴さんの本を何冊売ったことでございましょう
いぁ、w244―、書店員でも取次ぎでも出版社でもありません
辻内智貴さんを直接知るどころか、触れたことも見かけたこともありませぬ、唯の一読者であります
それでも、この寡作ながら真摯な著作活...続きを読む動と、稀に上梓される作品の確かさに惚れこみ、『ナンカ、イイ本ネェー?』と問われれば、見境なく辻内智貴さんをお奨めてまいりました
リアル知人に対しましては、その懐具合なども鑑み、遊び暮らしている後輩には無理矢理書店に連れて行き購入させ、子育てに追われオコヅカイに不自由する友人には『読み終わったから』と差し上げその己分を再購入し、懐豊かな年上の知人には新刊をおねだりし…
こうして辻内智貴さんを、皆さまに殆ど強制的に読ませてきました
その最初の取っ掛かりの一冊として、【青空のルーレット】か【いつでも夢を】を奨めてまいりました
どちらの作品も、クサイ台詞がテンコ盛りの古典的な友情物語、おとぎ話です
それでも読み切れてしまうユーモア、随所に散りばめられた素適な言葉たち、読後の爽やかさ―、そして確りと残る読後感があります
w244自身―、これらの作品を愛してますが、よりいっそう愛しますのが【セイジ】であります
但し、こちらの方は読後の爽やかさというところで奨め難かったり致します
人生ってものを突き詰めて、かなり本気で考えているかに見えるセイジの姿も、受け入れられる人には受け入れられましょうが…
Posted by ブクログ 2022年01月05日
淡々と流れるなかの鮮烈なシーン。
文字を追うだけでは、読みこなせない文字数そのものよりも心にずっしりきた。
『奇蹟』がそう簡単に(決して簡単なシーンではないが…)起こるとは思えないけれど、その一瞬以上のものを感じ、絶対忘れられないなと思った。
竜二と高志なの関係、言葉なしなのが心に沁みる。
Posted by ブクログ 2014年01月12日
映画を先に見てから読みました。
物事が見えすぎるが故に、悲しみに埋もれるほかうまく生きていく道がないセイジ。
結局私はこういう人に惹かれるのでしょう。
セイジか発する言葉一つ一つが心に残る。
Posted by ブクログ 2013年05月03日
私たちにはきっと立ち止まって考える為の時間が足りない。歩き続けなきゃいけなくて、でもどこかでそれを求めている。どこかに属して多数派でいる安心感を。
(主人公の二人の人生はそうではない)
どっちの道を歩んでも辛いのです。
Posted by ブクログ 2013年03月24日
2編の物語。それぞれ1人について主人公が語る形で話が進んでいく。
生きるということはなんだろう、死ぬということはなんだろう。
独りではなく自分を取り巻く人たちのなかでそれが現れて感じることが出来るのではないかと思った。
Posted by ブクログ 2012年10月19日
映画を観る前に読み終えました。
「セイジ」も「竜二」もどちらも好きです。どちらも理解するにはちょっと時間が掛かったけど、それでも読んでいて泣いてました。
何回でも読み直したい作品です。
Posted by ブクログ 2012年09月29日
映画を観てから原作を読みました。
原作は思っていたより短くて、あっという間でした。
短編だからか、映画の中の核の部分があっさりしてて、ちょっと残念。
小説では、あっさりしてるのに映画ではあれだけの表現が出来るのはやっぱり映像ならではなのかも。
所々、映画と異なる部分アリ。
もう一つの話。「竜二」。...続きを読む
竜二は、兄弟の想いを描いた作品。
こっちも、生きるとは何か…というようなモノをテーマにしている。
お互いが一生懸命で思いやりを持ってるのに。お互いを理解してるのに。上手く表現できない。
思いやるって、素敵なことだけど、伝わらないのは辛いだろうなーと強く感じました。
★新しく築いてゆく何かがあればこそ、失ってゆく大切なものたちを見送ることも出来る。
Posted by ブクログ 2012年03月10日
映画を観て原作が気になり読んでみました。
エピソードが絞られている分セイジの言葉が意外に多く、映画のセイジより人間らしく感じられた。強烈なエピソードだけど、セイジがカミサマだったことに救いがありました。
辻内さんの作品は初めて読んだけれど、もう一つの作品も含めて人間社会に順応できないヒトを描くその視...続きを読む線がすごいと思う。
Posted by ブクログ 2012年02月12日
併せて収録されている「竜二」は未読。
伊勢谷友介監督、西島英俊、森山未來出演、2月18日公開の原作ということで、本当は読まずに作品を見ようと思っていたが、本屋で出会ってしまったそれが、すでに映画版の表紙になっていたので思わず手にとってしまった。
原作はえらく短い。しかしながら、確かに、映像にする...続きを読むのはなかなか興味深い。原作を生かすか、殺すか。伊勢谷君のお手並み拝見。
気になっていた「ある出来事」を、知ることとなるが、
これをどうやって映像にしてくるのか、
いろんな意味で気になる。
本当は☆☆☆☆☆でもいいくらい、
わたしは「あり」
なぜだろう。すごく共感してしまうのは、わたしもある種の
「陸の魚」なんだろうか・・・
西島さんも、森山くんも、原作読んだ段階ではナイス配役。
伊勢谷君の力量に注目。
映画への期待をこめて今は☆☆☆☆★
これをTOHOでやるのか・・・なかなかやるな。
Posted by ブクログ 2012年01月25日
今かなり見に行きたい映画、
『セイジ 陸の魚』の原作。
映画記念特別カバーも勿論いいんだけど、
やっぱり通常版の方が
セイジ にしっくり来る気がします。
一部抜粋
わしが思うに、そういう奴は頭が良すぎるのかも知れんなーーー」
「そういう奴って、誰よ?」とカズオさん。
「そういう、何もせん...続きを読む奴よ」
(略)
「わかんねえな。何で頭が良いと何もしなくなるんだよ。東大を卒た奴が皆んなグータラになっちまったらニッポンはエライ事だぞ、先生」
というカズオさんの言葉に、
「いや。そういうんじゃ無いんだ」
先生は、またプカリと煙を吐いた。
「わしの言うのは、つまりものごとが、見えすぎる、わかりすぎる、そういう神経を持った人間の事だ。感じすぎてしまう人間の事だよ」
そして先生は、こんな事を続けた。
「ものごとが、みえすぎる、感じすぎるというのは、これは、まあ、不幸、と言えば不幸であるかも知れんな。人間は或る意味じゃ鈍感だからやっていけるんだろう。だからこそ社会というものも成り立っていけるんだろうと思う。みえすぎる目で眺めてみると、この社会なんてのは汚れと欺瞞のカタマリなのかも知れない。不可解でやりきれないものの巨大なカタマリなのかも知れないな。それを感じてしまう心は、不幸だろうな」
ここまでは、友達と高校生の頃によく話したなぁって思う。世の中とか、人間とか、とにかく生きてる自分と他人とか、分かれば分かるほど落ち込むというか。
なんか、こんなことわかんない人はわかんないわけで、
気付かない人は気付かないわけで、
その方がよっぽど幸せなんじゃないの?
って思うんだよ、そう、幸せなのはどちらなのかな?って。
なんにも悩んだりしないでとりあえず騒いで見えないように深く探らないようにして
とにかく楽しく楽しく生きる上っ面の人生と、
いちいち疑問抱いちゃったり見て見ぬフリできなかったりして
とにかく悩むばかりの先の見えた諦めと妥協?というか変にそういったことに納得している人生と、
本の話からは逸れるけど、
こんな歌詞がある。
何も知らない方が 幸せというけど
僕はきっと満足しないはずだから
(『君は僕に似ている』See-Saw)
これが凄くしっくりくるというか、
どちらが幸せかはわからないけれど
私は知らないままでは満足できないだろうなっ。
ていう一連の流れを思わずにはいられない文章でした。
ただ、そのあとにこう続くのね
「・・・・・・・・・ただ同時に鈍感な者には見えないキレイなもの、ウツクシイものも、またそこには見えてくる事も有るだろう。それは逆に大変幸福だということも言えるかも知れない」
私が知る側でいたいと思うのはさっきも書いた通りやっぱり幸せになれるかじゃなくて
自分に向き合うというか逃げないためだったから、
そういう私にとってこの文書は斬新でした。
しかしそれも割合ではないかなとも思う。
いくらキレイなものに触れられる可能性が高くてもやっぱり苦しさのパーセンテージが多すぎたら潰れるんじゃないかな。
むしろたまに会えた綺麗なものへの衝動で全部捨ててしまいそうで怖い。
更につづいて引用したいところもあるけれど口説いので一言だけ。
『むきだしの孤独』
凄く適切で的を射た表現です。
知りたい方は是非読んで見てくだされヾ(@⌒ー⌒@)ノ
同時収録されている『竜二』も含め、
作者は散々、とことん、人間というものを突き詰めて考え悩んだのではないかと思わせる一冊。
綺麗事でしめることもなく、
かと言って絶望のドン底に突き落とすだけということでもなく、
ただ乱雑な極論を使って読者を惹きつけるのではなく
真摯な姿勢で作られた物語だとおもいます。
ストーリー自体はびっくりすることも!
おすすめです。
Posted by ブクログ 2016年08月07日
セイジ、竜二共に良く似た雰囲気の作品です。
どこか世間に馴染めない「陸の魚」。世間が見え過ぎて、なにもしたく無くなり、ただ怠惰に寂れたドライブインで世捨て人の様な生活を送るセイジ。
そのセイジが両親を殺された女の子の為に起こす最後の事件は非常に印象的です。
良い話なのです。心が温まるし感動的です。...続きを読むでもどこか嘘っぽさを感じてしまいます。最後の事件が衝撃的であればなおさらです。
もう少し違う扱いをすれば、--例えば時代を移すとか、いっそ背景をいしいしんじ風にしてしまうとか--、変な違和感を感じずに済むのにと思ってしまいました。
Posted by ブクログ 2015年07月31日
昔、単行本の方を読んだのでまた読んでみたいと思い、文庫版を手にとってみた次第なんですけれども、結果はうーん…どうですかね…確かに表題作は良かったものの、もう一個の方は何だか…小説として拙い感じが致しましたけれども、元々シンガーだった作者、ま、この作品以降、きっと上手くなっていることでせう!!
ヽ(...続きを読む・ω・)/ズコー
二編入っていましたけれども、どちらも社会に適応できない男の話でしたねぇ…あんまり悲惨な感じはしなくて、かといって必至に社会に適応しようともしていなくて…なんというかアレですね…社会の外側に居て、社会のことをジッと観ていると言いますか…ま、観察者みたいな男が仰山出てきますね! ←え?? 社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
まあ、そんなアレで表題作の方は清涼感溢れる良い小説だと思いました!! おしまい…。
ヽ(・ω・)/ズコー
Posted by ブクログ 2013年03月12日
ハタチくらいまでに出会いたかったなーと思う本。
でも今読めて良かった。私の周りに"陸の魚"が多い。
内容は、生きるとはどういうことかがテーマ。哲学的。
後半のセイジの行動にビックリして、その流れを三度くらい読み返してしまった。
Posted by ブクログ 2012年09月29日
いつのまにか感性が鈍くなり、だいぶ生きやすくなってきたのだけれど、昔はずいぶんといろいろぶつかった。大人になってもぶつかり続けているセイジと竜二の話。ちょっと疲れた。
ストーリーとは関係ないが、「そう」「そんな」「その」みたいな指示語が多すぎて、気になった。半分ぐらい不必要だと思う。
Posted by ブクログ 2012年07月22日
書店で何度か気になっていた作品を購入。辻内智貴は初めてかな。
映画化され公開されるということで表紙に載っている西島秀俊の表情が気になって買ったというのもある。
淡々と情景が進む作品で、読後時間が空いてしまったこともあり、この手の作品は大きな事件以外に詳細をあまり覚えてないというか・・・何と...続きを読む言ったら良いのかわからないところもある。もう1つ収録されている「竜二」の方が心に響いていた気がする・・・
Posted by ブクログ 2012年03月12日
映画を見て読みたくなったので買いました。
映画版の表紙がほしかったと言うのもありますが・・・
映画とは細部が異なっているし、ある意味別の作品として
読めなくもない。
ただ、生きることとはなんぞやってことや
セイジのもつ諦めとか心に刺さるものがある。
映画を見てから見たけれど、
本の僕もセイジは森...続きを読む山未来と西島秀俊ではなかった。
作品によっては映画の俳優さんのイメージでいけるけど
コレはまったく違って見えた。
Posted by ブクログ 2012年03月06日
2つの短編。一つ目の話は寂れた国道沿いに残るレストランが舞台。経営者のセイジさんが魅力的。てきとーでめんどくさがりで達観してるような諦念してるような不思議な人。読んでくうちにだんだんセイジさんの格好良さに気づく。ただ後々の展開を含ませるような文が屡々あってちょっと先を読んでしまう。ラストは衝撃なんだ...続きを読むけどその文がないほうが良かったかなあ。
陸の魚って読んでて山田詠美の「僕は勉強ができない」の中の、タイムラグの話思い出した。
Posted by ブクログ 2012年02月05日
今月公開される映画の原作本です。
大学最後の夏休みに自転車旅行をした僕が立ち寄った田舎町のドライブインで出会った人々のお話。
セイジはドライインの雇われ店主。人を引き寄せる不思議な魅力を持った人物で、感受性が強く、人の痛みに過度に反応してしまうという人。
彼のことを「陸の魚」だという。
残酷なことや...続きを読む理不尽なことばかり起きる世界ではセイジは生きられないと。
生きるとは何かと考えさせられる作品。
でも、少々その答えや登場人物の言葉がくさい。
セイジも神格化しようとしているけれど、ならばもっと寡黙な人なら良かったかな。
Posted by ブクログ 2011年01月09日
「セイジ」だけなら★2つです。
奇跡が起こる前提の凄惨な事件も胸くそ悪くなるし、奇跡自体もそんなんあるか?!って、大体そんなの目の当たりにしたら主人公の「僕」もトラウマになるだろう。読んだ後の私自身も多少トラウマ気味に・・・。
「心温まる」とかなんかのレビューに書いてあったけどちっとも温まりませんで...続きを読むした。
後半の「竜二」の方がまだよい。