【感想・ネタバレ】日本史を疑えのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

定説や最新学説等に疑問を呈しながら古代~幕末までの歴史が語られている本。
時代の流れを意識した解説が心がけられているのでそれぞれの出来事の繋がりがわかりやすかった。
また、秀吉が家康を倒さなかった理由に関して史料がなく明確なことはわからないと素直に書いてあるのは好感が持てた。
歴史というものは諸説ありと言われることが多いように、解釈が大きく割れるもの。
著者の見方も100%正しいかはもはや当時の人にしかわからない。
本を読み終わった後自分でも検証し考えてみるのも面白いだろう。

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2023年11月19日

Posted by ブクログ

なんと言っても、死に際の秀吉が徳川家康に頼んだという秀頼を頼むという言葉が、命乞いだったのかも、という推論が衝撃でした。
他にもいろんな時代のいろいろな解釈が示されていて、改めて歴史って面白いと思いました。

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2023年08月12日

Posted by ブクログ

『日本史を疑え』という題は「如何いうこと?」と思ってしまう。そう思いながら紐解き始めると少し夢中になるような内容だ。
「疑え」とでも言われても、「日本史」というような「伝えられる過去の出来事等」というのは「既に変わらない、変えようのない過去」なので「疑う」という余地が少ないような気もしないではない。が、「これが“意味すること”は“如何いうことか?”」というように「熟考する余地」は十分に在る。その「熟考する余地」に想いを巡らせ、考え、論じてみるというようなことを「疑え」と称しているのだと思う。
本書はその「熟考する余地」を見出して行くという「疑え」を提起する総論の後、古代、平安時代、鎌倉時代、室町時代、戦国時代、江戸時代というように、「時期毎のテーマ」を取上げている。
「既に変わらない、変えようのない過去」なので「疑う」という余地が少ないような気もしないではない「日本史」ではあるが、それでも考えてみると「判っていない」という事柄の方が「判っている」という事柄よりも多い筈である。その「判っていない」を「判ろう」と研究が積上げられている。
積上げられたモノが定説と化し、「学校で教えるような内容」になって行っている。が、この「定説」も変わり続けているという面が在る。端的に言えば、例えば現在50歳代の人達が学校で教えられた事柄と、現在20歳代の人達が学校で教えられた事柄とを比べる場合、「ディーテールの差異」が存外に多い。その「ディーテールの差異」が「定説の変遷」に他ならないのだ。
本書では、その「ディーテールの差異」である「定説の変遷」に通じるようなことに言及もしながら、歴史の諸相を「疑え」と「考える」ような内容を問い掛けている。実に興味深い!

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2022年07月24日

Posted by ブクログ

日本史の学び方、古文書の読み方の基本、定説や最新学説、
史実の確かめ方、歴史の流れ、世襲と実力等をレクチャーし、
各時代の定説や史実への視点を、疑問から切り込んでゆく。
第一章 日本史を疑ってみよう
第二章 古代  第三章 平安時代  第四章 鎌倉時代
第五章 室町時代第六章 戦国時代  第七章 江戸時代

教科書での日本史は定説化した基本のようなものだから、
内容を暗記主体で学んできたような感じだった。
でも、様々な観点から日本史に興味を持ってみれば、
様々な疑問が湧いてくる。それが知りたくなって、
多くの研究書を読むと、多くの知識を豊富に得られ、
取捨選択しつつ、思考が磨かれる。
“疑う”は強い語句だけど“疑問”と捉えれば解る。
律令体制のその後は?
遣唐使はなぜ廃止されたか?
御成敗式目が制定された訳は?
南北朝は何なぜ五十年以上続いたのか?
守護大名と戦国大名の違いと存続は?
なぜ江戸幕府は滅びたのか?
地理、対外、国内の「面」と「線」での支配の違い、東と西、
法律や税の問題、家族制度の変化、そして人の、時代の変化等を
鑑みてみれば、歴史用語から更に理解が深まってくる。
そんな感じで読み、改めて日本史って面白いなぁと思いました。
定説だって隙があるし、新説が将来に定説になるかもしれない。
実際、鎌倉幕府の成立は新史料により、1192年から1185年に
なっていますし、更に変わる可能性もありそう・・・とか?
それに最近、不思議な形の銅鐸や剣が発見されたりして、
まだまだ疑えることが出てきそうな感じがしました。

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2023年02月13日

Posted by ブクログ

「一次史料である古文書や古記録などをもとに編集された歴史書などは、二次史料となります。一次史料に比べると、二次史料は信頼性がやや落ちます」(第一章 日本史を疑ってみよう p.26より)。なるほど。

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2022年10月19日

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中学・高校の歴史の授業が、こんな内容だったら、めちゃくちゃ面白いだろうなあ。鎌倉幕府の1192年も、徳川幕府の1603年も、もはや意味のない数字だったことを知るにつれ、ホント、日本の知識詰め込み教育って、アホ量産システムだなと痛感させられる。

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2022年10月09日

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放送大学のテレビ講義が面白かったので、本屋で偶然見つけて購入。年号を覚えるのでない歴史の面白さが伝わってきた。年号と言えば、幕府ができたとは何をもってそう言うのか。権力の確立がその定義となる。こんな風に学んだら日本史も楽しかったかな。でも、ある程度知識がついた今だから楽しいと思えるのだろう。

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2022年07月06日

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ネタバレ

<目次>
第1章  日本史を疑ってみよう
第2章  古代
第3章  平安時代
第4章  鎌倉時代
第5章  室町時代
第6章  戦国時代
第7章  江戸時代

<内容>
われわれが至極当たり前と思っている日本史の常識を、単純な疑問から解き明かしていく。「変だな?」「不思議だな?」の感覚は大事である。それを大人はスルーしていることが多い。授業の後の「振り返りシート」でも、予想外の質問がくることが多く、「確かにな」とつぶやきながら、調べて返答することが多い。それの根幹の部分を論じている本だと思う。本郷氏はやや粗製乱造の感もあるが、この視点は大事だろう・

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2022年06月03日

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東大の本郷先生の本。
WEB掲載等の他の記事と同様の語り掛けるような文体で書かれている。

各時代の事例をあげながら、定説を疑う「考え方」について説く。

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2024年01月09日

Posted by ブクログ

どれだけ表面を取り繕っても、実際に歴史を作るのは人間と考えれば、そこには綺麗事ではない損得勘定がある。その視点を持つと、定説と言われるものがひっくり返る可能性があるのがおもしろい。特に、他の著作でも語られる、律令国家は機能していなかったという説は面白い。
一方で、いま現在ロシアや中国でおこっていることを考えると、一人の独裁者のパラノイア的な暴走によってと歴史は作られるとも思ってしまう。そうなると資料をもとにした歴史学者の研究手法では真実に迫れなくなり、本書でもタブーといわれる「歴史上の人物の頭の中を想像する」ことが必要になってしまう。いまの時代を将来の研究所がどう評価するのか、楽しみでもある。

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2022年12月27日

Posted by ブクログ

いわゆる教科書に書かれている定説に、斜め(?)からの視点で切り込む、このような読み物は単純に面白い。
かつて小中学校で学んだ江戸時代は、厳しい封建制度の元で人々が押さえつけられて生活しているイメージだったが、大人になって視野が広げられ、そうでもないのでは…、と個人的に感じていたことも肯定されたように思った。
数年後には、ここに提示された斜め視点学説が正論・定説に置き換わっているかもしれないと思うと興味深い。

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2022年11月29日

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