あらすじ
政治責任を問うことも,それを看過することも日常になってしまったいま,私たちは「政治に無責任はつきものなのだ」という諦念を追認するしかないのか.自己責任論と政治不信の渦中で政治責任を取らせることは可能なのか.H.アーレントや丸山眞男などを参照しつつ,政治責任をめぐるもどかしさの根源を理論的に究明する.
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Posted by ブクログ
いわゆる「政治責任」における「責任を取る」とは、過去から与えられた責任を次の選択を導くことによって未来に向けて果たす(取る?)ものである。そして、民主主義を採用している我が国では「政治責任」は最終的に私たちの責任の問題に帰着する。どのような人間を責任者にするかは、私たちの責任の問題であるし、責任を取らない政治家の跋扈を許すような政治制度の存続も、私たちの責任の問題になる。これが、本書の理解だろうか。新書だと思って軽い気持ちで読んだが、さまざまな学説に話が及び、なかなか難しい本だった。