あらすじ
「この町で、いままでにクマゼミの声をきいたことってある?」
両親から農家のあとをついでくれることを期待されている野歩人(のぶと)は、転校してきてからだれにも心を開かず、まわりから距離を置かれている川村ちとせが、クマゼミをつかまえようとしているところに出くわした。ちとせは、この町にはクマゼミがほとんどおらず、とてもめずらしかったのに逃がしてしまったと、野歩人に怒りをぶつける。
この町にクマゼミがいることを証明できれば自由研究で市長賞を取れるのではないかと考えた野歩人と親友のカモッチは、協力してクマゼミさがしに奔走するが――。
田園風景の残る千葉の町を舞台に、丹念に生き物を観察する小学生たちと、彼らの揺れ動く心情を描いた、12歳のひと夏のものがたり。
第23回ちゅうでん児童文学賞 大賞受賞作品。
[選考委員:斉藤洋氏、富安陽子氏]
物語がはじまった瞬間、読者はこの少女の魅力にとりつかれてしまうか、あるいは、この少女に対する嫌悪感で本を閉じるかもしれない。――斉藤洋
輝かしい子どもらの夏を瑞々しく描く作品の基盤には、土を耕し自然と向き合って生きる農家の人々の営みに対する愛情と信頼が感じられました。――富安陽子
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Posted by ブクログ
シャンシャンと聞いてすっかりパンダの話だと思っていた私
実はクマゼミの鳴き声?のことでした!
南の方に生息しているはずのクマゼミが温暖化によって段々北上してきているという話を知ってそれを自由研究にしようと思った野歩人(のぶと)
転校生で感じの悪い女の子、川村さんとクマゼミのことで話をするようになり
ラジオ体操や夕涼み会、お祭りと、夏休みを一緒に過ごすうちに段々と打ち解けてきたが…
川村さんには転校を繰り返すある理由があった
2023年中学入試でいくつかの学校で出題されたという本作
最近は教育格差だとか、貧困家庭についての物語が国語の素材文として取り上げられることが多いです。
作中で
「あたしも、できれば、こんな家に生まれたかった」
という川村さん
親ガチャという言葉もあるように生まれてくる家は選べないし
子どものうちは親の意に従うしかない
私たち大人は何をどうしたらいいんだろうなぁ…
大人の都合で振り回されてしまう子どもたちが少しでも減ればいいなと思います