あらすじ
私を抱いた男は記憶を失くす
だったら俺が確かめよう
容姿も中身も完璧な御曹司社長×特殊な体質を持った秘書
★第14回らぶドロップス恋愛小説コンテスト最優秀賞受賞作
〈あらすじ〉
上司である社長の龍悟に長年想いを寄せる秘書の涼花。彼女には『抱いた男性がその記憶を失ってしまう』という秘密があった。そのせいで心に傷を負った涼花は恋愛を諦め、龍悟の傍で働くことに喜びを感じていたが、あるきっかけから自分の不思議な体質を彼に話してしまう。「俺だったら、抱いたことを忘れるわけないと思うけどな」と豪語する龍悟に抱かれた涼花だったが……。
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切なく、愛が溢れるお話
最初は、記憶を失うってどんな話??
と、半信半疑で読み始めました。読み進めていくうちに、人にとって、記憶が大切なこと。
記憶を失う方も、忘れられる方も辛いのだなと、根本的な事を学ばせて貰いました。
悲しくて泣けるシーンもありました。
Posted by ブクログ
上司である御曹司社長・龍悟に長年密かに想いを寄せてきた秘書・涼花。
しかし彼女には「抱いた男性がその記憶を失ってしまう」という誰にも言えない秘密があり、恋をすることを諦めて生きてきた。
それでも、真面目で誠実な龍悟の傍にいられるだけで幸せだった。
けれどある出来事をきっかけに、彼に自分の体質を知られてしまう。
「俺だったら、抱いたことを忘れるわけないと思うけどな」
そう言って涼花を抱いた龍悟だったが、その後起きた出来事は、彼女の心を再び恐怖で締めつけていく……。
冒頭の“記憶を失う”という設定からして切なさが漂うけれど、実際に読み進めると、これはただのファンタジーではなく、人を愛すること・信じることに臆病になった大人たちの再生の物語だと感じました。
涼花の心の描写がとても丁寧で、彼女の孤独と優しさ、そして「もう誰も傷つけたくない」という想いに強く共感しました。彼女の“静かな痛み”が一文一文から滲み出ていて、読みながら胸がぎゅっと苦しくなる。
そしてそんな彼女を真正面から受け止めようとする龍悟。完璧な御曹司でありながら、実は不器用でどこか抜けているところもあり、その人間味がとても魅力的でした。彼の「忘れない」という言葉が、単なる強がりではなく、愛の宣言に変わっていく過程にぐっときます。
記憶を失うという残酷な現実を前に、それでも彼女を選び、繰り返し想いを証明しようとする姿に、静かな強さを感じました。
また、旭先輩の存在も印象的。彼の言葉は物語の陰の支えであり、涼花が前を向くための導きのようでした。彼の登場によって物語が一層深みを増し、ただの恋愛小説ではなく「人生における信頼と再生」の話として完成しているように思います。
原因がはっきりと明かされないラストも、この作品らしい余韻を残します。
「理由よりも、どう生きていくか」「どう寄り添っていくか」を大切に描いているのが伝わってきて、読後は不思議と満たされた気持ちになりました。
静かに心に沁みるような、大人の恋愛の物語。
優しさと痛みが溶け合うような一冊でした。
オフィスラブ
社長と秘書の王道オフィスラブです。ヒロインの特殊体質?のせいでヒロインが苦しむのですが、ヒロインがいつまでもうじうじしているので、後半はイライラしながら読みました。後半でヒロインががんばりを見せて、うまくまとまったので、良かったですが。絵が大好きなマナ先生で素敵でした。