【感想・ネタバレ】寝るまえ5分のパスカル「パンセ」入門のレビュー

あらすじ

なぜこれほどまでに彼の言葉は刺さるのか

「心には心の言い分があるが、理性はそれらをまったく知らない」
「この無限の諸空間の永遠の沈黙が私を恐怖させる」
「人間は天使でも獣でもない。そして不幸にも、天使のふるまいをしようとすれば、獣のふるまいをすることになるのだ」

優れた数学者、物理学者、また哲学者にして神学者でもあったブレーズ・パスカル(1623―1662)。彼は人間と信仰について思索を重ね、未完の断章を大量に残してわずか39歳でこの世を去った。のちに『パンセ』というタイトルでまとめられた主著は、「考える葦」「賭け」「クレオパトラの鼻」など、忘れがたい名句やイメージに溢れ、世界中で読み継がれて今日に至る。
本書は、そんなフランス屈指の名文家パスカルの選りすぐりの断章(パンセ)を、フランス文学界最高の案内人が豊富かつ巧みに紹介しながら、その思想の真髄に迫る刺激的なエッセイ。好評を博した毎日5分の人気ラジオ番組が元となっている。本格派でありながら広く開かれたテクストが、最良の研究者・翻訳者を得て、いま日本の読者に届けられる。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

全体として、難しい文章もあるが、かなりわかりやすい点が多い。
17世紀のフランスにおいてさえ、ここまで現代に通ずる観念を見出すパスカルに感銘を受ける。
自己愛にひたることなく、自らの愚かさを認め、見つめること、そして神を知ること。その間に身を置くことが大切。
自分とは何か、中庸の重要性と言った根幹の思想に触れるものも比較的わかりやすく解説されている。
哲学、宗教的な観点が中心にはなるものの、読書するときの心の動きや、相手の説得など、現代でも実用的でありつつ共感性が高いポイントも。

0
2025年06月06日

「学術・語学」ランキング