感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
全3章、最後の3章に入ってからの、北朝鮮海軍の潜水艦同士の息詰まる攻防、更に最後の50ページでの拉致被害者救出に向けた怒涛の展開は、流れる涙を構う暇さえ与えられずの興奮、感動の一気読み。映画化を望むけど、所謂お涙頂戴的東宝的陳腐な感動巨編にはして欲しくないな。
人命救助か国際関係か、という場面で、毅然とした対応を決められない日本国政府の姑息な対応、つまり様子見に終始するのに対して、そんな状況を突破するのは庶民、一個人の強烈な思い、正義感なんだなぁ、というのも納得感あり。
終盤での鈴本海上保安官の思い(「世の中を見ようともしない政治家達は一昔以上も前の感覚で、簡単に揉み消せると本気で考えていたのであろうか。いや、むしろ一昔前なら大きな社会問題となったはずの事件も、今や政府与党にとってはなんの脅威でもなくなってしまった。政治家は自分達の不正を堂々と隠蔽し、恥じることなく虚偽答弁を繰り返した。まるで私物の日記であるかのように公文書を無造作に改竄し、法律どころか憲法まで無視して政権を維持してきた。司法さえまともに機能せず、権力者による明らかな犯罪が裁かれることすらない。国民もマスコミもそのことに慣れ切って追求しようともしない。」)は、昨今の日本の政治状況に対する作者の思い、怒りが炸裂、か。
願い
フィクションではあっても………。一時の夢。 かって少女だった女性の、残された家族の、胸を裂くような叫び、苦しみ。長い長い年月が、どうか、どうか、………。 これが 現実になる日が来る事を 心より願わずにはいられない。 作品としても、とても上質なエンターテイメントです。
Posted by ブクログ
苦しい~!
「君の父親が犯罪者と言うのならば、この国に犯罪者ではない人は存在しない」
苦しすぎて奥に刺さった。
腐敗している社会の中で、家族を守るために自分を消して、押し殺して、生き抜いてきた男達が祖国に反乱するストーリー。
北朝鮮系の話っていつ聞いても苦しいし、悲しくなる。
映画を観てるかのように頭の中で情景が浮かんできて、ストーリーとしても最高。名前が漢字ばかりで、専門用語?も多くて読みにくかったけど、話の展開が面白すぎてぐんぐん惹き込まれた。めちゃくちゃよかった。人に勧めたい。
最後はハッピーエンド。久しぶりに泣いた。
Posted by ブクログ
いろいろとリアル。
とても扱いづらいテーマかと思うのですが、その分考えさせられる。最後の日本政府の対応なんて「あぁ、そうなりそうー」と大きく頷いて納得してしまった。
結局頼りになるのは現場の判断。
自分あるあるで、キャラクター名が日本人の名前でないとイメージがしづらく相関関係を描きにくいのが難点。なので人物紹介は非常にありがたい(笑)
あと、戦闘用語が馴染みがなく、本来臨場感満載であろうシーンであまりのれなかったという自分本位な星4つで申し訳ないです。
そして、あの日本政府の対応だと珠代さんはいいとして、他の潜水艦乗員の今後が心配でもあります。
どうなるんだろう??
Posted by ブクログ
狭い潜水艦内、極限状態での緊迫したやりとりに、引き込まれる作品だった。
乗組員が、それぞれ、いろんな思いを持ちながら、脱北する。
日本政府も、事なかれ主義、お得意の「検討中」だから、手を出せない。
考えにくいけど、「ありそう」な設定に脱帽。
簡単ではないけれど、横田めぐみさんを連れて、こんな感じで帰ってきて欲しい。。