あらすじ
皇族から一民間人へ。それは「二重の人生」だった――。
祖父で軍令部総長を務めた伏見宮博恭王の家庭での姿、広い邸と家族一人ずつの別荘、親と離ればなれの教育、幼い頃からの公務、皇太子(現上皇)との日光疎開、皇籍離脱、米ケンタッキーへの留学、外資系企業の営業、菊栄親睦会、そして「皇族」への思い……。
90歳を前になお鮮明な記憶が紡ぎ出す数奇な物語。
貴重な写真も多数収載。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
旧皇族・伏見博明氏のオーラルヒストリー。
皇族時代に家の中では名前でなくお印で呼ばれていたことや、臣籍降下後会社員となったが営業で旧皇族としての役得があったことなど、とても興味深い内容で、皇室について考える上での重要な素材となろう。
Posted by ブクログ
敗戦後、GHQの思惑で皇籍離脱させられた、宮家筆頭の伏見宮家。
恥ずかしながら、宮家の序列とか細かいところは全く理解出来ていない。パッとわかるのは竹田家の竹田恒泰先生くらいだし。
皇室とか、日本の在り方を考える時に、ラーメン屋筆頭竹田恒泰先生の言葉だけでなく、他の宮家の方々の話を聞きたくなった。
面白かった。実に。
戦前から戦後にかけての、ご自分たちの運命を飄々とした感じで語られる。
平民として糧を求められたわけだが、そこも、宮家という後光が劇的に影響しているわけなのだが、そんなもんだと普通に、得したね、くらいの感じで。
帝国海軍元帥であられた祖父も、「おじいちゃん」と普通に言ってて、何度も笑ってしまった。
だが。
宮家は天皇を守るためにある。
その一念だけは当たり前のように、当たり前にお持ちであった。
若い世代はどうなんだろう。
過酷であることに変わりはあるまい。
色々と、考えてしまう。