あらすじ
本当の自由はどこにあるのか?
「本物の世界」を求めて、遊牧民の暮らすアフリカに旅に出たら、
そこで待っていたのは放射能に汚染された砂漠だった。
各氏、推薦!
「砂漠のブルーズ」で注目されたトゥアレグ族。ラクダでサハラを横断するキャラバンに同行するドキュメンタリーを撮ったアリサは、放射能汚染や近代化に脅かされる彼らの世界の行方を勇気ある取材で記録しています。
ピーター・バラカン[ブロードキャスター]
テネレ砂漠に霞む『風の樹』を見おさめると、砂嵐に追い立てられるようにオレは走り去った。その一週間後の『風の樹』を目撃した人と、20年後に大駱駝艦の楽屋で会ったのは奇跡である。
篠原勝之(KUMA)[ゲージツ家]
サハラ砂漠の最深部で、ラクダの塩キャラバンに同行した記録の美しさに息を呑んだ。著者はトゥアレグの人に「ティシューマルト(放浪する女)」と言われた日系フランス人女性。フランス語が通じない人々の中にもタマシェク語で接しながら入っていく。
石田昌隆[フォトグラファー]
サハラ砂漠の遊牧民トゥアレグ族の日常は、生死を賭けた大冒険だった。ラクダを購入し、ソーラーパネルを担いで、サハラ砂漠で1000年以上前から続く塩キャラバンに帯同、ニジェールでラクダを保有し、「本物の世界」を体験できる砂漠ツアーを主催する著者。トゥアレグと結婚し、日本、フランス、アフリカと3つの拠点を行き来しながら20年以上にわたり取材をして見えてきたトゥアレグの実態と魅力とは。この時代に、トラックではなく、わざわざラクダを使って交易をするのはなぜなのか? 本当の自由はどこにあるのか?
【目次】
第1章 砂漠との出会い
第2章 はじめてのトゥアレグ
第3章 Caravan to the future
第4章 密航ルート
第5章 放浪する女
第6章 サハラ・エリキ
第7章 原発とテロ
第8章 放射能の砂漠
第9章 自由への帰路
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
砂漠をラクダに乗ってキャラバンすることを選んだ女性の話。
すべてを自ら切り開いて進んでいく力強さ、たくましさが計り知れず、尊敬する。
この本を読み、書かれていることはほんの一部なんだろうと。
自分の人生に対する主体性を体現している生き方だなーと思った。
アフリカ大陸において、国境がどんな影響を実際の人々の生活、生計に与えているのか、それに対して人々の能動的な行動とそれが及ぼす影響の複雑性、そこから見える現在の世界の状況についても考えさせられる。
そんな社会課題について語り、解決策をとろうとする際に、そこで生きている人々について知ることがどれだけ重要か。そんなことを伝え、気づかせてくれる本でもある。