あらすじ
「先生、僕が快楽を教えてあげます」「我慢している顔、可愛いですよ」濡れた下腹部を的確に責める指先。昂ぶる体は熱いキスで蕩けていく。ダメ、淫らな声が出ちゃう!優等生の一樹に翻弄される養護教師の栞。昼休みの保健室、放課後の教室でも求められ、次も期待してしまう。ついには校舎の外でも密会を重ねはじめ……。学園ロマンスの決定版!甘く切ない禁断の恋
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Posted by ブクログ
新米養護教諭の栞は、優等生で生徒会長の一樹にある“秘密のノート”を読まれてしまう。
未経験な描写からそれを見抜いた彼に、「僕が教えてあげます」と迫られ。
保健室という静かな場所で芽生えた、禁断の関係が始まっていく。
一樹は、頭脳明晰・容姿端麗・家柄も完璧という非の打ちどころのない優等生。
けれどその完璧さの裏には、誰にも見せない孤独と愛情への飢えが潜んでいて、
「優等生である自分」しか求められない虚しさを抱えていた。
一方、栞もまた、過去の出来事から恋愛に臆病になり、人を信じることに怯えていた。
そんな二人が惹かれ合うのは、欠けた心が互いに同じ痛みを知っていたから。
彼の優しい言葉と強引な手、彼女の戸惑いと欲望。
どちらかが一方的ではなく、傷ついた者同士が少しずつ心を近づけていく過程が丁寧に描かれていて、
“禁断”という設定でありながら、読後には不思議な清らかさすら感じました。
特に印象的なのは、一樹が「逃がしませんよ、先生」と言うシーン。
その言葉には支配や執着だけでなく、彼なりの“愛の証明”が込められていて、
彼の若さゆえのまっすぐさと、大人びた包容力が共存してる。
沢上先生の筆致が、その危ういバランスを見事に保っていて惹き込まれました。
ヒロイン視点だけでなく、ヒーローの葛藤や恋心も描かれることで、
“禁断の恋”でありながら決して一方通行ではない相思相愛感が心地よく、
最後に彼が見せる誠実な決断には、年齢を超えた強さと優しさを感じました。
全体を通して重すぎず、純粋に二人の成長と愛を楽しめる構成。
保健室・放課後・教室
それぞれのシーンが甘くて切なくて、一樹の独占欲と栞の戸惑いが交わるたびに胸が高鳴るようでした。
学園ロマンスとしても、恋愛ドラマとしても満足感のある一冊です。