【感想・ネタバレ】株式会社タイムカプセル社 新版 十年前からやってきた使者 (喜多川泰シリーズ)のレビュー

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Posted by ブクログ

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自分の手紙に書いた「熱く重い」言葉達。本気で伝えようとする気持ちは人生を変える力がある。自分なりに愛や言葉を受け止め、伝え、自分と向き合うことが今を生きる自分たちに必要なのだと思わせてくれた。

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2023年12月17日

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ネタバレ

とても素晴らしい言葉がたくさん詰まった本。
読んで良かったと思える本。
10年という年月は人が変わるのには充分な時間であり、それが10代〜20代ならなおさらだと思う。
夢や希望に満ち溢れ未来に期待しかなかったあの頃。
歳を重ねるに連れて人生の酸いも甘いも経験し、少しずつ現実が見えてくる。
自分の目の前にあんなに開けていた道が、
選び放題だった未来への道が、、
ある日突然一本道になっている感覚に陥る。
本当に本当に身に覚えがありすぎて、わかりすぎる。
でも…そんなことはないんだ。
何歳になっても人生をやり直すことはできるんだ。
これからの未来を変えることもできるし、今までの過去をいいものだったと変えることもできる。
とても心に響いた。
登場人物も魅力ある人たちだし、情景の描写が素晴らしいので頭の中で映像として流れるような作品だった。
これはぜひ【実写化希望】です。

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2023年09月02日

Posted by ブクログ

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『本 を 読む こと は、 自分 の 中 に「 友」 を 持つ という こと』
『立ち直る きっかけ を くれる のは いつも「 重 さ」 を もっ た 誰 かの 言葉。
これから も いろんな 人 の「 重 さ」 を もっ た「 言葉」 と 出会う べく、 読書 を』

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2023年07月11日

Posted by ブクログ

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ーー「今ココ」に集中すれば人生の好循環を生み出せる。だから人生はいつでも取り戻せる。その気になれば。

そんな信念が貫かれた物語集。各章のクライアントが「10年前の自分」からの手紙を受け取って人生の好循環のキッカケを掴むエピソードが綴られている。
コヴィー氏の「7つの習慣」の「第1の習慣」でも主体性を持つことが第一歩目と指摘されている。つまり自分で結果に影響を与えられる「影響の輪」に集中すること。それが「今ココ」ということだ。

嶋明日香は現実の厳しさに飲まれて自分を見失っていた。10年前も将来に不安を感じていたが先生から「夢なんて無くていい。眼の前の人を笑顔にすることだけをまず考えよう」と言われ、友達の髪を編んでキレイにすることを通して人を笑顔にする喜びを見出した。そしていつしかメイクの仕事に憧れるようになった過去を手紙で思い出した。明日香が自分を取り戻した瞬間だった。

過去の自分を許せない森川桜は、記憶に囚われている自分に気づいたら「今ココ」に集中するよう吉川海人から助言される。今できることに集中することで小さな良いことが積み重なるようになり、気づきも増えた。暗い過去と今起きた良いことの明暗のグラデーションが強いほど、”あの辛い過去があったから今がある”と肯定できる力も増すことを知る。

作品を通じて思ったのは、喜多川泰さんの「手紙」へのこだわりの強さ。エピローグで「読む人を心から思って書いた愛のこもった手紙は、読む人の人生を変える。読む人の悩みを吹き飛ばす勇気と壁を打ち砕く強さをくれる」とある。確かに10年前の自分が未来の自分に泥を投げることはないだろう。特に卒業式など一斉にターニングポイントに立つ人たちが暗い展望に飲み込まれていることもなさそうだ。この手紙をモチーフにした「手紙屋」という作品も残していることを知った。大切なモチーフなんだろう。

とは言え、引っかかり続けたのは「話のデキ過ぎ感」だ。喜多川さんの意図が見えすぎてリアリティに欠ける。受取人が「10年前に同じクラスだった人」という狭い何の変哲もないクラスターなのに、人生崖っぷちの人が多すぎて、さらに好転に成功する確率も高すぎる。タイムカプセル社の西山社長の面接・採用が神がかりすぎる。社員の吉川海人、若林麗子の仕事っぷりが完璧過ぎる。
「名探偵コナン君が蹴ったボールが何百メートルも離れた犯人に命中して一件落着」みたいな偶然を無理にリアルに描こうとするから違和感を際立たせてしまう。「不気味の谷」だ。だったら「ライアー・ライアー」の主人公が実はフィクション世界の住人だった、とか「マトリックス」で主人公が神のような存在に導かれていた、とかいったようにあえてファンタジーやSFまで振り切っちゃっても良かった。不自然さを必然に力技でしてしまって違和感を蒸発させて、「手紙の効用」に焦点を当てるともっと心地よく読めたと思う。

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2023年09月17日

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