【感想・ネタバレ】なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからないのレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

自立とは依存先を増やすこと。
頼れる他者を複数確保できたうえで、モヤモヤ(と悩み消化する)/スッキリ(と吐き出す)、ナイショ/シェアで悩んだら、まずはシェアしてスッキリする。

抱える悩みに対処するために今後長く指針とすることができるような繰り返し読みたい一冊。

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2024年03月24日

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「心という複雑なものを扱うにはどうしたらいいのか」と皆が頭を悩ませる中、あえて「2つに分けてみよう!」とする発想の転換が素晴らしい点だと言える。
アドラーは全ての悩みは人間関係の悩みであると言ったり、全ての相談は、「ひどいあの人とかわいそうな私」の2つであるといった。
普遍性を追求する面はいつの時代にもあるが、2つにあえて分けるというのは人々の心に残りやすく、難しくとも生活に根付いているため実践しようと思えやすいのがいい点だろう。

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2024年02月15日

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ネタバレ

最初の悩みは、よく聞く話かと思う。中盤になってくると、自分の経験や悩みと重複してきて、本の登場人物が言われていることなのに、自分事になってくる。

”働くこと”と”愛すること”を混同するからよくない。
仕事で行っていること(PDCAサイクルを回す、子どもにテストさせアドバイスを都度都度与える、など)を家庭に持ち込むと、例えば子どもは家庭で上司を得るが父または母を失う。
仕事と私のどっちが大事なのか、は男性に問うてはならぬと聞くが、この本を読んで考えていくと、この問いが真っ当な質問に思えてくる。
(だからといって問いただしたいとは思わないが。)

印象に残った文章:
愛することの本質は、何かをすることではなくて、何かとともにあること。
他者を敵ではないと感じられる、あるいは他者が安全であると信じられること。
働くことと愛することの人生のモードが絡み合いながら僕らの人生はできている。

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2024年02月13日

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良本。寄るべのない船のような心の状態を補助線という概念で整理されている。心の隙間にある枯れた心、悲しみの源泉、言葉にならないガラクタの気持ち、そして、自分への愛に響く言葉が凝縮されて、ぽたぽた涙が流れて癒された。

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2024年01月16日

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不純である
幸福とは、複雑な現実をできるだけ複雑に生きることである
複数の声に耳を傾け、ああでもないこうでもないと時間をかけて考えることを続ける。
不純なポジティブであり続けたいと思った

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2024年01月16日

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とても面白く、そして感慨深く読み終えた。
「小舟化」する現代でどのように生きていくか、その正解はないけれど、考えるためのいくつかの「補助線」が書かれている。
安易な自己啓発本や自分を慰めるためだけのような本ではなく、「補助線」を用いながら自分とその生き方を新しく捉え直す手助けをしてくれる。

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2023年10月03日

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ネタバレ

東畑先生ありがとう。という気持ち。
冒頭の部分、無数の窓の数だけ人々の営みがあるという考え方。よく電車の窓から見えるマンションの窓を見て思っていたな…余談です。
心の持ちよう、考え方、今の自分に必要な本でした。具体的なエピソードがあってわかりやすく、心の動きについて納得することができた。
人生、生きていれば色々ある。ゆっくり時間をかけて考えていける心になりたいものです。

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2023年08月30日

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自己啓発本とは少し毛色が違い、自分の心を分析するという目線で読めてとても興味深かった。流石心理療法士の先生が書いてる本だと感銘を受けた。まさしくカウンセリングを受けている気になれた。
これが正しいです。という本ではなくて、心ってこういうふうに捉えることができたら自分のことがより分かるでしょうという感じの内容なので、自分と対話しながら読み進める感覚となれる。心理療法の導入としても良いのでないか。実際に巻末に簡単な出典も載っているので少し読んでみようと思えた。
十分に優しい内容なのだけれど、学生用のものもこういうのがあればいいなぁと思う。

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2023年06月22日

Posted by ブクログ

「こころ」が常にモヤモヤしている状態は、現代
社会で生きることでは普通かもしれないです。

なぜモヤモヤしているのか。

本書では、現代は我々は小船で大海原を航海せざ
るを得ない時代だからと言います。

「社会の小船化」が進んだということです。

「護送船団」とまではいきませんが、かつては
大船に皆一緒に乗り合わせて航海をしていました。

「村落」とか「親族」「社会」など、時代によっ
て船の形は違いますが、ホッと一息つける大きな
船に乗っていました。

しかし「社会の小船化」が進んだ現代では、小さ
な波や、ちょっとした風で船体はぐらつき、ひど
い時には転覆してしまいます。

そんな小船が広い海を航海するにはどうしたらい
いのか。

ちょっとしたヒントが示される一冊です。

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2023年06月14日

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2人のクライエントさんの存在により、心の揺れや戸惑い、カウンセリングとの出会いでどのようなことが起きてくるのかのイメージがより伝わってくるように感じました。

「働くこと」と「愛すること」の部分が特に印象に残りました。今まで出会った説明の中で、一番私にしっくりくる表現でした。

「夜の航海」の例えのように、それは揺れることも、危険に晒されることもあるのだけれど、「愛すること」を大切に生きていけたら、と思いました。

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2023年06月10日

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心の機微をとても上手に書く方だなと思いました。
ミキさんとタツヤさん、自分!?って思うほど共感してしまった…笑
特に響いたのはシェアとナイショ、スッキリとモヤモヤ。心に響く文章がたくさんありました。

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2024年05月10日

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苦悩、苦しみ、の構造を考え抜いて、そこからどう抜け出るか。
極端に走ることは、案外楽だが、その先には、乾き切った結論しかない。グラデーションを受け入れる、複雑なことを複雑なままに受け入れる苦しさを、周囲の助けを得ながら、時間をかけてやり続けることが、幸せを感じながら生きるために必要なのではないか。ということを説いている本。
案外いいことが書かれているように思う。

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2024年04月29日

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多少なりとも人文学をかじっているとそこまで目新しいなにかが得られるということはないのだけれど、それでも読んでいるあいだ、すごく救われる感じがした。寓話形式をあわないと感じる向きもあるかもしれないけれど、夜の海にふたり小舟でうかんでいる、という空想は、目の前の苦しい社会をいったん括弧にいれることができるので、ぼくはこれをすごくありがたいと思ったし、ともすれば子ども騙しのようかもしれないけれど、それでこんなに救われることもあるのだなと思った。それから中盤以降の、結構な分量を割かれる物語が、起業家志望のあつまりを題材としているのがすごい、いっけん強者とされそうなひとびとにも弱い面はたくさんあって、そのことが、こういう言い方もあれだけれど、安心をもたらすなあと感じた。複雑さを複雑なまま生きる、という考え方は、それなりに苦しいときにはかなり効くと思う。けどそれではやっぱり刺激が足りず、結局その解明に乗り出そうとして、それでまた苦しくなって、そうやって生きていくのだろうなという気もする。

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2024年03月19日

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途中ついていけなくなりましたが、小舟化されてきている世の中は、それはそれで生きにくい世の中になってきているんでしょいね。

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2023年11月16日

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新米臨床家だが東畑さんの本が気になって読んだ。理論がちょっとややこしくて気を抜くとついていけなくなる時もあったが、事例が一緒になることでするっと理解できた。

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2023年11月13日

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近すぎる(夫婦、親子など)ほど人を傷つけてしまう関係、私は将来いつか言動で子を傷つけてしまうことがあるかもしれないと恐れていたけど、それは「ナイショのつながり」、相手と一緒にいられる形となっていく。この本は読者がそれぞれ持つ心のモヤモヤに直接解決策を提示してくれるわけじゃない(そりゃ直接カウンセリングしてもらってるわけじゃないし)けど、恐れていることやモヤモヤすることに丁寧に手を差し伸べてくれる言葉やエピソードがたくさんある。

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2023年11月05日

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このように精神分析を日常語に翻訳して語ってくれる東畑さんは本当に天才だと思う。
相手に巻き込まれることなしにセラピーはできないということがよくわかる。

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2023年08月23日

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ここには明確な答えはなかったかもしれません。
しかし、なるほどなと考えさせられることがたくさんありました。


私は「シェア」することができる友達のグループを持っていないことに気づきました。
複数人のグループに属して、それぞれの人に気を遣うことを避けているのかもしれません。
そのような場が私にも必要なのだろうなと思いました。


We have to voyage on our small boat in this society.
We are lonely instead of getting free.
I want to go back to this book when I lost my way.

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2023年08月19日

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読むセラピーって、なんだよくある自己啓発本ですか、と思って読んだけれど、臨床心理をものすごく簡単な言葉とシンプルなストーリーで読ませてくれる良書だった。
心に補助線を引くことは、自分の複雑性を見つめること、そしてそれを繰り返す時間を経て心は整理され消化可能になっていく。心が真っ黒になってしまったときは、自分の中に灰色を見出すよう本書を思い出すようにしたい。

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2023年08月15日

Posted by ブクログ

最近人気らしい(妻から聞いた)臨床心理士の本。気がつけば本屋にも結構並んでいる。
五角形の面積を求めるためには二つの三角形にする補助線を引くと求められる。複雑な心理も保持線を引くことで、考えやすくしてみようという内容、ざっくり言うとですが。
その補助線の選び方が著者独特のセンスがあり、心理士が書いた小説のような新しいカテゴリーを開拓しているが故の人気なのかと思いました。
二つに分ける補助線としては、馬とジョッキー、働くことと愛すること、シェアとナイショ、スッキリとモヤモヤ、ポジティブとネガティブそして純粋と不純(最後の章は二本の補助線)。タイトルだけ聞いても、「?」なものも読めば納得の内容です。

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2023年07月21日

Posted by ブクログ

人は正常な時はグレーでいられるのに、
自分に余裕がなくなると白か黒かと
決めたくなるのかもしれない。
生きていれば何かしら厄介ごとがある。
働くこと、愛すること
仕事の人間関係や大切な人たち。
それでも自分がキャパオーバーになった時
依存先が複数あれば人は心が安定するのだと思った。
大切な人と思っていても自分だけに依存されると
元気な自分も心が疲弊してしまう。

頼れる他者大切な人がいるかどうか。

そんな時は手放すこと、距離を置くことも
大切だと教えてくれている本。

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2023年07月06日

Posted by ブクログ

キングコングの西野さんが昔この方をおすすめしていた気がするのです。(記憶違いかも…)
他の著書を購入しようとしていましたが、タイトルと装丁に惹かれてこちらを購入しちゃいました。苦笑

読んだ時の私のコンディションが悪かったのか、
冒頭部分の夜の海に漕ぎ出す場面は、
なかなか頭に入らず、もやもやしました。
どーゆーこと?え?何なの???と戸惑い。
寝る前に読んでいたのですが、集中できず、文章が頭に入ってこないような感じでした。

ですが、読み進めていくうちに途中から、
読み進める手が止まらず。

本書も先日読んだトミーさんの本同様に、
カウンセリングルームに訪れた人の話が展開し、
それに対して東畑さんのコメントが書かれています。

補助線て、自分ではなかなか引きにくいかもしれない。
一つの感情や問題に大きく取り込まれてしまっているときに、補助線を引くことで、違う視点が見つかる。
アドラー心理学でも問題の切り分けが書かれていたきがしますが。
渦中にいるときは、客観的な視点でその線を引けるようになりたい、と本書を読んでいて思いました。

また馬(感情や気持ちに素直な自分)とジョッキー(それをコントロールする自分)のバランスも難しい。

・傷つけない関係が「自分らしく」してくれる
・ナイショのつながりは「傷つけあい」
・傷つけあう時間はつらいけど、接触を試みている時間であり、調整、修復、再建していく
・境遇の違いが傷つける
・もやもやを自分の一部にする、成長、成熟

著者の言葉は、目の前に突き付けてくるわけではなく、
穏やかにそっと、言葉にしてくれます。

私が言語化できない気持ちや感覚を、
それはきっとこうだから傷ついたんですね、と
寄り添ってくれるような。

自己責任という言葉があふれて、
個人を守り抜かなければいけない日々で、
東畑さんのような人がどこかにいると思うと、
少し心が軽くなる気がします。

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2023年06月18日

Posted by ブクログ

心の補助線について、「処方箋と補助線」、「馬とジョッキー」、「働くことと愛すること」、「シェアとナイショ」、「スッキリとモヤモヤ」、「ポジティブとネガティブ、そして純粋と不純」。なるほど、目から鱗の視点である。面白い本でした。

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2023年06月18日

Posted by ブクログ

おもしろく、良い本。
著者の過去作にくらべて、語り口が丁寧に、より繊細になっている。「居るのはつらいよ」はドキュメント風のエッセイだったが、こちらは物語を組み込んだエッセイであり、幸福論とも言える。
カウンセリングルームで直接語りかけられているような気分で、するする読み進んでしまう。
今の時代の「つながりやすさとその脆さ」については新しい知見だった。

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2023年06月14日

Posted by ブクログ

カウンセリングについて実例というか物語を使って説明している本。比喩や物語化を用いているため読みやすいけれどそれ故に抽象化され過ぎて読みづらいという矛盾を感じてしまった。私にはもう少し具体的で専門的なスッキリした内容の方が読みやすいようだ。

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2024年04月18日

Posted by ブクログ

心理学者、臨床心理士の著者がいくつかのケースを題材に心の整理方法など記した書籍。幸いにも今の自分はこれほどまでには追い込まれていないが、なるべく多方面から見れるようにしておこうと思った。

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2024年01月07日

Posted by ブクログ

P123 僕らは孤独になりやすい、一人で食事をしたくない時、誰かを誘いたくなるのだけど、そんなことしたら相手に迷惑をかけている気がしてしまう。困った時、誰にSOSを送っていいのかわからない。
*調子が悪くなればなるほど、人に会いたくなくなる。

「つながり」という言葉、良きニュアンス。実のところつながりをひどく恐れている。
僕らの抱えている傷つきの多くはつながりからやってきたものではなかったか、人間関係では時に手酷い攻撃が起こり、深刻な裏切りが生じます。確かだと思っていたつながりは、あっという間に壊れたり失われたりしてしまう。
「つながり」は危うくはかない。

色々なテーマの中で一番分かりやすかったというか納得できた?内容を引用してみました。
大勢の人たちと「つながり」ながら生活している日々、それはかなりのストレスに…納得。
世の中 大分 小舟化(孤独)になってきているのは実感できます。いざという時頼れるものが無い不安。

色々な本を読み私のいき着いた答えが、起こってもいないことを不安に思わない事!です(笑)

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2023年10月13日

Posted by ブクログ

この20年、社会の仕組みが変わってしまった。
その言葉には共感するけれど、だから、どう生きていくか、
そこがよくわからなかった。
自由であること=私はひとりです
といわれても、そこから人とつながる難しさはなかなか解消されない。
そこのヒントがもっとわかりやすくあってほしい。
そこが難しいから、人は生きづらいのだから、
私にはそこが伝わってこなかった。

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2023年09月19日

Posted by ブクログ

一度読んだあと、モヤモヤ感が残ったので連続でもう一度読んだ。
人間は、矛盾した感情に葛藤しながら生きているのだなと改めて思った。許したいのに許せない、信じたいけど信じられない。そういうものが苦しみとなる。
本作の内容よりも、具体的なケースの話の方が楽しく読めた。

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2023年06月14日

Posted by ブクログ

シェアとナイショでつながる。学生の友達、ママ友シェアのつながりは希薄。ナイショは傷つけあうことで深くつながる。相手を深く知ろうとしたり自分を知ってもらおうとすると相手の境界に足を踏み入れたり、期待してしまったり。他人は自分と違うからそれで傷つく、、

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2023年09月12日

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