【感想・ネタバレ】シャーロック・ホームズの生還のレビュー

あらすじ

ライヘンバッハの滝で死んだはずのホームズが生還した!……その顛末とモリアーティ教授の右腕モラン大佐による事件を描く「空き家の冒険」、有名な暗号ミステリ「踊る人形」、ナポレオンの胸像を壊してまわる不思議な人物の話「六つのナポレオン像」、有名なせりふ『さあ、ワトスン、獲物が飛び出したぞ!』を生んだ「アビィ屋敷」など、13編を収録。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

なぜか今ごろホームズにどハマりしているわけだが、空き家の冒険でおかえりホームズと当時の読者同様に歓喜せざるを得なかった。どれもエンターテイメントとしてよくできている短編だと思う。恐喝王ミルヴァートンのような強敵や、第二のしみのような国際問題と思いきや人の過ちの話まで、楽しませてくれるものが多いと感じた。

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2025年07月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

空き家の冒険
 ライヘンバッハの滝からのホームズの復活とモラン大佐との駆け引きが見所。ライヘンバッハの事件を読んでからもう一回読み返したい。モラン大佐がロナルド・アデア卿にばれてしまったトランプのイカサマ。これがベイカー街の亡霊の猿を使ったイカサマに繋がるわけか。

ノーウッドの建築業者
 コナンの「コンビニの落とし穴」のオマージュ元でもある「火事だ!」の話。結構好きやからよく覚えてる。母親との因縁から濡れ衣着せられかけたジョン・ヘクター・マクファーレンが可哀想。「ジョナス・オウルデイカーを紹介しよう」このセリフも印象に残ってる。

踊る人形
 ホームズの中でもかんなり有名なエピソード。依頼人のヒルトン・キューピッドが亡くなってしまうのが残念。暗号の解読方法が僕にとっては斬新。日本人やからついつい行と段に分けた暗号にしがちやけど、英語やとそうはいかない。26文字のオリジナル文字だけで十分暗号足り得てしまう。Eからどんどん推理していく様子はいつか真似したいなぁ。

美しき自転車乗り
 ぼんやりとどんな話か覚えていた。ヴァイオレットを追いかける人物は誰か?そしてその目的は?雇い人カラザーズ、いかにもな悪者ウッドリー、彼氏シリル、謎の牧師ウィリアムスンと申し分ない数の容疑者達。その真相は仲間割れ。ラルフ・スミスの遺産を手に入れるためにヴァイオレットと結婚する計画だったがカラザーズはヴァイオレットに惹かれてしまう。ウッドリーから妨害しようと考えたカラザーズはヴァイオレットの後をつけ守ろうとした。危険とヴァイオレットに伝えなかったカラザーズに言うワトスンの「それは愛ではなくエゴイズム」はまさしくその通り。エゴイズムであっても償いをしようとしたのだから救われた、ということだろうか。

プライアリ・スクール
 名前はなんとなーく覚えてる作品。ホールダネス公爵の息子、アーサーが誘拐され数学教師ハイデッガーも消息不明。犯人からの要求も一切無し。犯人の逃亡方向が判明してからのワクワク感がたまらない。二種類のタイヤ痕、いないはずの牛の足跡、そして見つかるハイデッガーの遺体。判明するいかにも悪そうな男、ルービン・ヘイズ。いきなり怪しげな行動をする公爵秘書ジェイムズ・ワイルダー。どんどん謎が明かされていく中ホームズが指摘したのはホールダネス公爵の共犯行為。びっくり仰天だった。ワイルダーがヘイズを使って憎き弟を誘拐したがハイデッガーの死に怯えホールダネス公爵に全てを打ち明ける。ホールダネス公爵は息子可愛さに絆されヘイズ逃亡の手助けをしてしまう。悪いのはもちろん誘拐と殺人をしたヘイズとワイルダー。でもその根底にあるのはホールダネスの優柔不断な態度。ワイルダーを危険に思いつつも母親の面影から切り捨てられない結果次男を危険に晒してしまう。「美しき自転車乗り」にも似てるかな。この恋愛感情で行動が乱されているが故の事件。

ブラック・ピーター
 この話も読んだことある気がする(当然か)。驚くべき怪力ってフレーズに聞き覚えがあった。悪名高い酔っぱらい通称ブラック・ピーターが銛で一突きにされた。父親の消息を知るためピーターを追う青年ネリガンをホプキンスは逮捕するも、真犯人はピーターを恐喝しようときていた銛使いのパトリック・ケアンズだった。「常に別の可能性というものを忘れてはならない」。良い言葉だ。覚えておこう。

恐喝王ミルヴァートン
 めっちゃビターエンドと言える話。ある意味ホームズの完全敗北ともとれてしまう。法を犯してでも正義のために恐喝のための手紙を手に入れようとしたホームズだったが、盗難の最中別の貴婦人がミルヴァートンを撃ち殺してしまう。ミルヴァートンは死に恐喝王はいなくなったがその犯人は世間的にはようとして知れない。

六つのナポレオン像
 はっきり覚えている話の1つ。モース・ハドスンの店で2つ、バーニコット博士の家で1つ、ホレス・ハーカーの家で1つ壊されるナポレオン像。ホームズは壊した場所から犯人が何かを探していることを推理し捜査を進めていく。どれに真珠を隠したかわからないから全部ぶっ壊す。このスタイルの話はこの後も色んな作家が真似ている気がする。どれとはぱっと思いつかないけど。

三人の学生
 タイトルは覚えていた。アイザック・アシモフでもあったなぁ。試験問題の謎。今回は誰が部屋に侵入し試験問題を盗み見たのか?悔しいなぁ。身長や体格に着目すれば良いってのは想像ついてたのに。部屋からこっそり出られるのは一番小柄なダウラット・ラースかと思ってたのに見事にはずされた。誰が試験問題を知り得たか?これを考えれば謎はすぐに解けたのに。コナンで出てきた陸上競技はハンマー投やけど、ホームズでは走幅跳びが出てきていたか。粘土状の土ってのはよくわからんが、昔はそんな感じやったんかな。

金縁の鼻眼鏡
 結末だけ覚えていた話。アンナは奥歯に毒を仕込んでたんちゃうかったっけ?あんなにぼかした書き方やったかな?そこだけ記憶と違う気がする。鼻眼鏡の特徴から犯人の特徴を推理する。それだけに留まらず犯人のとった行動まで推理できた。もう一歩推論を突き詰めれば真相に気づいたのになぁ。思想活動で捕まった同志のための侵入、侵入した家は思想活動を裏切った夫。今でもパロられそう…。

スリー・クォーターの失踪
 ストーントン!!覚えてる!覚えてる!何の話やと思ってたけどストーントンを見て思い出した!結末も思い出せた。電報を見ていきなり姿を消したスリー・クォーター、ゴドフリー・ストーントン。吝嗇漢な伯父、マウント-ジェイムズ卿、ホームズすら出し抜くレズリー・アームストロング博士と謎のおっさんが揃う中、結末はなかなかに悲しい。密かな結婚生活に突如訪れる不幸を前にしてはラグビーの試合すらも手につかなかった。失敗ではないけれど悲しい話や。

アビィ屋敷
 全然記憶にない…。レディ・ブラックンストールが嘘をついてることはすぐにわかった。今回の肝はホームズがどうやって解決するか、だと思う。横暴なユースタスを殺したのはレディ・ブラックンストールと所縁のある人物。その動機はおそらく彼女のため。口を絶対に割らない彼女からは真相は聞き出せない。ホームズは彼女と恋におちたクローカー船長と対峙し、司法よりも正義を優先させた。犯人を見逃したことについては賛否のわかれるところやろうけどホームズは法の上位概念に位置しているタイプの探偵だと思う。陪審員が無罪と言ってるのだから無罪なんだ。それが正しいことは2人の人生が証明するだろう。「獲物が飛び出したぞ!(The Game Is Afoot!)」ホームズの名言とは初めて聞いた。何故gameを獲物と訳したのかも解説されているからそこを深堀りしたらもっと面白そう。

第二のしみ
 ドイルはこれでホームズの話に2回目の区切りをつけるつもりだったらしい。それに相応しい話だったと思う。イギリスの首相と官僚から依頼された書簡盗難事件、殺されるスパイ、秘密を抱える美女。ここでも原因は過去の恋。この時代にもリベンジポルノってあるんやなぁ。ヒルダ夫人はスパイ、エドアルド・ルーカスに脅され書簡を盗む。だが、ルーカスは浮気を疑った妻に殺されてしまう。隠し場所を見ていたヒルダ夫人は絨毯を動かして書簡を奪い返すが第二のしみを残してしまう。皆が幸せになるようにしれっと嘘をつき夫婦を救う。それに首相は薄々気づき、そんな首相にホームズは粋な返答をする。うん、これが終わりでも十分な出来やと思う。

 覚えている話、忘れている話、色々あった。記憶を掘り返す作業ってやっぱり楽しい。まだまだ読みたい。もっと読みたい。ロンドンの霧の中で一生埋もれていたい。

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2023年08月10日

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ネタバレ

ホームズが正式に復活した「空き家の冒険」
「恐喝王ミルヴァートン」などが収録された短編集
作者コナンドイルが、ホームズものを終わらせたい
或いはあまり乗り気でないと思わせるような描写が
微細だが随所に見られる。

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2022年12月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ホームズがライヘンバッハの滝から生還!
ホームズが生還するのは知っていたので驚かなかったけど、ワトスンが独身に戻っていたのは驚いた。理由ははっきり書かれていないので、死別説と離婚説、両方あるようだ。ワトスンが家庭を持って開業医をやってるとホームズの助手として動かしにくいので、元のルームメイトに戻したんだろうか。
事件はバラエティに富んでいる。特に「恐喝王ミルヴァートン」は今までにないタイプの話だったし、「アビィ屋敷」もラストが印象に残った。

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2020年12月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前回ライヘンバッハで死亡したと思われたホームズの生還から始まる短編集第三弾。

ずっと角川文庫のを読んでたけど、この辺はまだ出版されてなくて、でも待てないので光文社に乗りかえ。

作者はホームズを復活させる気は当初なかったらしいので、生還できた理由のところは無理矢理感が凄いし、納得出来ないような部分もあるけど、それでもホームズを復活させてくれたことには感謝したい。
きっとファンの皆さんもそんな気持ちなんだろうな。

今回は『空き家の冒険』と『恐喝王ミルヴァートン』が好きだな。
二人が一緒に捜査するところがいい。
ホントいいコンビだなぁと。

あとは、『踊る人形』も暗号もので面白かった。

次はバスカヴィル家の犬読もうかなぁ…

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2013年11月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ホームズが帰ってきたよ!!
というわけで、再会していきなり「人生初の失神」をしてしまうワトスンが超可愛い。
つーかどんだけ働くハドソン夫人っ。

事件そのものは、現代ミステリーに比べて驚天動地な設定はないけれど、日常に即している分、飽きが来ないのではないかな?と思わされる。
それにキャラクターの魅力が加われば、そりゃ最強ですね。はい。

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2011年09月13日

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