あらすじ
港町で三代続く老舗洋食屋「キッチン風見鶏」。おすすめは、じっくりと手をかけた熟成肉料理だ。漫画家デビューを夢見るウエイター・坂田翔平は、幽霊が見えてしまうのが悩みのタネ。お客さん一人ひとりに合わせた料理が好評なオーナーシェフ・鳥居絵里は、家族の健康を案じつつ空元気を出して奮闘中! 誰しも未来は不安だし、人生は寂しいものだ。でも、だからこそ、自分の心に?をつかずに生きていく──。美味しさとやさしさが溢れる傑作長編。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
うわぁいい本に出会った!!
美味しい料理、素敵な人たち、美しい風景、胸が熱くなる展開、どこをとっても「うわぁ、いい!」しか浮かんでこない。
プロローグの秘密とか店の名前の秘密とか常連客の秘密とか、随所にある仕掛けにも全部気持ちよく引っかかったな笑
特に勉さんは「え!そういうこと!?」ってかなりびっくりして。。。
あーだから強い霊同士は同じ場に出られないって何度も強調して…!!
あれは全く予想してなかった。
物語の軸にいるのがちょっと生き方を迷って模索中の人たちだからか、至るところで前向きにやってみようかなと勇気もらえる素敵な言葉に出会えたのもとても良かった。
最近個人的に停滞してるなぁと、悩むほどではないけど元気出なかったのだけど、そういう時って不思議と向こうからメッセージやってきたりするよねぇとありがたい気持ちになったりもした。
自分で必要な言葉を選び取っているだけという合理的だけど夢のない解釈は受け付けない!笑
自分に合わせて調整してくれるやさしい料理、私も食べてみたい。
Posted by ブクログ
綺麗な色彩で始まる プロローグ!
初夏の風を感じながら 木陰のベンチに
座り 若葉の葉擦れの音が降ってくる。
この景色の描写が 凄く綺麗で
優しい気持ちで読み進めていきました。
坂田翔平さんは 幼い頃から 孤独を感じていて
山梨の田舎の 両親に罪悪感を覚えながらも
レストラン キッチン風見鶏で働いています。
翔平さんの夢は 漫画家 です!
必死に描いた作品が 有名漫画誌の新人賞から
落選してしまい 心が折れそうに、、、、
自分を理解してくれる人がいないと
孤独を感じています。
そんな中 公園のブランコに揺られながら
もう少しすれば 自分の理解者がやってくる予感が
する 不思議な夢をみます。
鳥居絵里さんは キッチン風見鶏のオーナーです。
お客さんを プロファイリングして 一番良いと感じる
料理を提供していて 何時も喜ばれています。
絵里さんは お母さんの病気や治療の事で悩む日々を
送っていて 翔平さん達に相談しながらも
気持ちは変えられない寂しさを感じていました。
手島洋一さんは 8歳の息子さん 歩くんの
お父さんです。
妹夫婦が 事故で亡くなってしまい 残された
歩くんを 育てていますが 未來の事や
お互いの事を 思い遣る気持ちは愛情が溢れていて
凄く応援する気持ちで読み進めていました。
洋一さんは 絵里さんの事も大切に想っていて
歩くんとの 生活や気持ちのバランスをの変化を
心配して 悩む日々を過ごしています。
宮久保寿々さんは 人気の占い師です!
寿々さんも 翔平さんと同じ事が理由で
幼い頃から 孤独を抱えて 両親とは離れて
この街で 懸命に生活しています。
凄く当たる 占いには 秘密があるのですが、、、
美味しい物を食べて 自分で味を再現する趣味があり
人気のお店! キッチン風見鶏を予約します。
予約の電話の声に 感じた事の無い違和感を覚える
寿々さんと翔平さん 必然の奇跡の始まりです!
鳥居祐子さんは 絵里さんのお母さんです。
余命は あと1年という 医師の見解。
辛い治療に耐えての懸命な姿に涙が溢れましたが
祐子さんの決断を 応援しての時間でした。
祐子さんの
わたしの人生のきらめきに気づけたはずだし、
この世界に自分が
在るだけで幸せ
という本質的な喜びをしっかりと味わえた
この想いが 深く胸に響いて 涙が溢れながらも
強くて 優しい色に包まれていました。
漫新人賞 落選で漫画から離れていた翔平さん、
ある日 人気の占い師の所へ、、、
その占い師が 寿々さんで 話してみると
沢山の共通点がある事を知ります!
寿々さんと翔平さんは お互いに気になる存在に、、
ある日 フェリーで海を渡り ドライブデートで あの公園に向かいます。
お互いの 思いや秘密を語りながらの楽しい時間!
周囲に理解されない哀しい経験も沢山ありましたが
共感し合える事の嬉しそうな2人をみて
私も凄く微笑ましい気持ちをもらえました。
約束のカレーでは 文太さんの
成、仏、大、作、戦 と思っていたら、、、!
でも 勉さんも カレーを食べられたし
文太さも 食べてもらう事が出来て
大、大、大成功ですね! 良かったです!
絵里さんとお母さんが 久しぶりに一緒に
寝る時に 語りあった2人の言葉は
私も同じように 想いを重ねながら
沢山の愛情を感じる時間でした。
エピローグは 翔平さん 寿々さん
絵里さん 洋一さん 歩くん
そしてきっと祐子さんも!
幸せを 沢山集めて
きらきら眼鏡を みんなかけているような
優しさや思い遣りに溢れたものでした!
沢山の素敵な言葉をもらえたし
キッチン風見鶏
最高の読後感でした!
キャラメルチョコチップ 食べたいです‼️