あらすじ
人生のちょっとした手違いで、たまたま覗いてしまった中国。そこは、まったく予期せぬことが起こる、驚天動地のワンダーランドだった! “何でも喰ってしまう”恐るべき胃袋たち、選りすぐりの美女たちが集う謎の学園、上海で見た天国と地獄、そして「中国的多知増力の法則」とは!? 戦慄、絶句、爆笑の、たった一人の体当たり旅行記。
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Posted by ブクログ
中華が好きだ。と言うと巷のネトウヨに攻撃されるが、中華の歴史や文化、料理が好きなのであって習近平や中国共産党が好きな訳では無い(日本共産党は好き、笑)。であるからして、これまで3度ほど個人旅行をした。今は、怖い。スパイ容疑で拘束され人知れず牢に囚われる恐れがあるからだ(自称お笑いテロリスト)。
著者はフリーカメラマン。バブル期に業界の社員旅行に誘われ初めて中国を訪れ、万里の長城で初日の出を拝むと言う、如何にもバブリーな催しに参加し、極寒の中、闇夜に蠢く物売りの団体に囲まれ恐怖を感じるが、あまりの寒さに毛皮の帽子を買う決心をする。一つ五十元だという帽子を交渉の末値切って二つで五十元とし、「しめしめ一つを旅仲間に売り突けただで帽子をゲット」と財布を見ると五十元札はなく百元札のみ。手を差し出し「お釣り五十元」と、売り子のおばちゃんの目を覗き込んだ次の瞬間、脱兎のごとく闇に消えて行く中国ババア。変に感心した著者は以後何度か仕事とプライベートで中国を訪れる。取材元に金を工面してもらい、外国人に開放された旅順の203高地や記念館を訪れる許可書を中国旅行社を通じて五万円で取得、旅の途中、やたら写真を撮る著者を訝しみ「本当に、観光客あるか?」と取材が終わってもホテルで詰問される。「許可書は本当に取っているのか」と押し問答。日本に問い合わせると、直接中国の旅行社から電話があり、「大丈夫、通訳以外にいた中国女性は捕まえる人あるよ」。なるほど、早速早めに旅を切り上げ翌日出国した。他、『ディスコで出会った女』、『中国美人の学園』、『何でも喰え』、『中国的多智増力の法則』など。1999年光文社文庫書き下ろしの本作。あれから、25年。日本が中国に民衆の勢いに凌駕されているのは自明だけど、家元は思う。日本の歴史、文化、料理は中華に劣らず、今一度ネトウヨは勉強しなさい(喝)。