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ジャンルを知らずに読み始めたため、同じ飛行機に乗っていたことがどんな運命をもたらすのか、まったく先が読めず、物語に魅了されて頁を捲る手が止まらなかった。
ドッペルゲンガーは死の前兆だとか、不吉なイメージがつきまとうし、ドッペルゲンガーが自分とまったく同じ思考を持っているとは、あまり考えなかったけど、作中の「ダブル」はまったく同じ思考パターンをもった、まったく同じ自分。
自分を自分の目で見る、まさしく客観視できるなんて、相当面白い。
登場人物が多すぎるゆえか、一人ひとりの人物像があっさりしているので、純文学的な楽しみ方はできなかったけど、テンポよくリズミカルな構成でエンタメ的な要素は抜群。
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カテコライズに悩んだであろう小説、しかし本来小説というものは全てがそうであって欲しい気もする。出版は早川さんですかそうですか。
序盤は群像劇かと思いきや、展開もラストも思わぬ方向へ。様々な人物が登場するが、それはそこに読者である「私」を想定できるようにする仕掛けだと感じる。私が現在過ごしているこの世界も、この私も、しかしたらそうではないのか…と思わせた時点でこの小説は成功していると思う。
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とんでもない本を読んでしまったという気持ちです。SFなのかホラーなのかサスペンスなのか・・・。
中盤までひたすら登場人物の姿を一人づつ描き続けているので、まだ本題に入らないのかよと思いましたが、その冗長とも思える骨格作りがこの本にさらに厚みを与えています。
そして中盤以降の怒涛の展開で完全にやられてしまいました。もしかして僕らの暮らしている世界って・・・。と色々現実を勘繰りたくなるような本です。
読んだ人と議論したくなる本です。
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最初は群像か。けどこんなに話題になるってことはコイツが、と思ってたがびっくり。第一部の終わりにとんでもないことになり、そのあとずっとピーク。最高に良かったけど、2,3日で読み切ってしまうのと、登場人物ごとに印象や状況をメモしながら読んだ方がいい。もし僕のダブルがいたらそう忠告しますね。
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現代のテクロノロジーの発展が可能たらしめることもありうるような現象について、人間が科学的、倫理的、宗教的、社会的な面から考察しながら、それぞれの当事者の背景に想いを馳せながら「わたしがわたしとして生きる」あり方を模索する小説。
作者の教養と博識ぶりには舌を巻くばかりだ。
自分としては、当該飛行機で起きたことが超高速演算によって実際に起こりうることであろうし、もはや人間と知能と意識の明確な定義がどうなるのか曖昧な状態に陥ることで引き起こされる社会の混乱もまた予想されるものである以上、我々はどのように対処すべきなのか深く考えなければならないのでは?と思った。
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6月、パリ発ニューヨーク行きのエールフランス006便が嵐に巻き込まれる。ようやく脱して着陸しようとしたその機体は、3月に着陸したものと全く一緒、乗員乗客も全て一緒。つまり完全なコピーが現れたということ。この機体や乗客の取り扱いをめぐって、米国、仏国政府を始め、乗客の母国、諜報組織、軍、宗教組織などが暗躍し、3月に着陸した乗客と6月に着陸した乗客(同一人物)が翻弄される。この3ヶ月の間に別れてしまったカップル、癌が発覚したパイロット、自殺した作家、殺し屋、母が二人になった息子など。今までにないストーリーだし、安易な結末にしていないのも秀逸。
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なるほど…(-ω-;)
そうきたか…。
ありそうでなかった作品…なのかも。
(もちろん、私が知らないだけで、という意味。)
人間ドラマ・SF・自己啓発などが入り混じり哲学的な意味が齎されている作品。
話題の本だったし、いつものようにタイトルとインスピレーションで、あらすじも読まずに拝読させていただきましたよ。
(タイトルのインパクト笑)
想像と全く違う内容でビックリ!(^▽^;)
結論から言うと、面白かったです!!
と言うか、これは読んでおくべき小説!
『自分を俯瞰して見る』啓発的な要素が1番のポイントと解釈しました。
(細かい説明はネタバレになりそうなので控えますが…)
よくあるテーマではありますが、なんせ設定が面白すぎて、ノンストップで読ませます!
そして、それに肉付けして盛り上げるエンタメ性に、ド派手なSF。
読ませるためのエンタメは欠かせない。
よーーーく考えるとホラー味もあります。(人による)
極め付けは搭乗員達の人間ドラマ。
多様な人生を送っている登場人物達のエピソードに、読者が当てはまる像を見つけ自分自身に重ねて感情移入してしまう。
一冊で何役もこなす完璧な作品。
翻訳特有の読みにくさが一切なく、没頭してしまいました。
何が起こっているのか、
どうなってしまうのか—。
続きが気になって気になって仕方ない。
宗教や哲学が重要で、異常な事態をどう受け入れていくか各目線で熟考し、各々結論を出していくのですが—。
自分自身に当て嵌めて読んでずーーんと落ち込んでしまいます…(-_-;)
(私は恐らくリュシーに近い感覚になる。)
ラストがとにかくすごく良い!
このラストがあるから好きと言ってもいいくらい߹ㅁ߹)♡
ラストも込みで意味合いの解釈合ってるかな…と不安になりググりかけたのですが、これは素直に捉えてよい作品だと(勝手に)思い込み、やめてます笑笑
(他者の感想を先に聞いてしまうと引っ張られてしまうのであまり好きではない。)
ので、これは私個人の感想です。(^-^)
間違ってたらごめんね。笑
読んでよかった作品です。
オススメ!!
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いや〜!久しぶりにネタバレ厳禁作品に出会った!
本の表紙やタイトルも印象的でしたが、やっぱり内容が1番面白く説明するのも難しい作品です!
予備知識無しで是非とも挑んで欲しい。
考えるな感じろ!!
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静かで、異様で、でもユーモラスで、それでいて衝撃的。
作中の登場人物である作家の書いた本も、本書と同タイトルの「異常」で、物語の進行とともに、作家の異常の一文が抜粋されている。
最初はこれはなんの話?舞台は飛行機の機内?嵐?バミューダトライアングル?と思いながら読み進めると、自体はバミューダトライアングルよりもよほど深刻だった。
ドッペルゲンガーという単語は使われていなかったが、DNAレベルで同一人物がいる現象って、どれだけ恐ろしいだろうと思った。
なぜ本書で起きたような出来事が起きたのか、解明されないまま物語は幕を閉じる。
私たちは本書における現象について、登場人物たちと同じようになんとか理解しようとするだけ。
いろんな議題が盛り込まれた一冊だった。
私にはめちゃくちゃ面白いと思えるほどでもなかったけど(多分私の理解力の無さのせい)、それでもページをついついめくって物語の最後を見納めたいと、読まされる本だった。
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ブラインドブックになっていた本を個人的に突き止め貸し出した。
おもしろく読み進めたが、難解な箇所が多く、じっくり読んだ。
登場人物の名簿が、職業ベースのものではなく、もっと見ればどのような人物でどんな物語があったか想起できるものであれば良かったと思う。度々混乱し、一覧に戻ったがよく分からずじまいになることが多くストレスであった。巻末にあったように11人もカタカナの人物がいれば関係性などを全て整理•暗記しながら読み進めることは難しく、その点詳細な人物紹介が載っていればと悔しく感じた。(気付いても時すでに遅し)
《何者かにシュミレートされている自分》というテーマは大変身近でおもしろかった。『自らの言動がプログラムによるものであろうがなかろうが、自分が考え、そして考えていると思っていることに変わりはないし、日々の生活は変わらない』というところに感銘を受けた。
結局この不可解で突飛な出来事はなんだったのか、登場人物それぞれのジューンとマーチがどうなったのか、整理しきれない点が多くモヤモヤが残ったのが少し残念。関連記事を読んで理解を深めたいと思う。
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フランスの作家、エルヴェ・ル・テリエの本邦初訳。作家期間は結構長く、作品も多いらしい。
ジャンルの振り分けが非常に難しい作品。あえて言うなら、文芸SF?
あらすじも何も見ずに読んで正解だった。
ただ、他の皆さんの感想にもあるように、序盤が本当にキツすぎる。読みづらいし、何を読まされているのかわからない。ちょっとした違和感が積み重なって。。。という点は良いのだけど。中盤以降は打って変わって非常に面白いので、序盤だけが少し残念。
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作品紹介・あらすじ
殺し屋、ポップスター、売れない作家、軍人の妻、がんを告知された男……なんのつながりもない11人だったが、ある飛行機に同乗したことで、運命を共にする。飛行機は未曾有の巨大嵐に遭遇し、乗客は奇跡的に生還したかに見えたが――。ゴンクール賞受賞作
面白かった。
最初は多くの人物が登場してくる群像劇的な内容なのかな、と思ったのだけれど、途中で「あら、SFじゃん」と方向転換。
ユーモラスでもあり、シニカルでもあり、スラップスティックでもあり、知的っぽくもあり、最後までスラスラと読めた。
あまり書いちゃうとネタバレになりそうなのだけれど、思うにドッペルゲンガー(?)と対峙してからの物語を書きたかったのかな、なんて邪推。
何故こんな現象が起きたのか、については最後まで明らかにされていないけれど、特に不満には思わなかった。
最後は「やっぱアメリカだな」という「とにかく元からぶち壊しちまえ!」なベタな手法にちょっと笑ってしまった。
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あらためて表紙のアートワークを読み解くとなるほど、と思うとろがある。
これはミステリーか、はたまたSFかホラーかコメディか。
一見難解だが、割とベタな引用が多く、また大統領が若干ゆるめなキャラであったり、読者を置いてけぼりにさせない工夫も随所に垣間見えて良かった。
一章のラストから一気に熱量が上がります。
壮大な世にも奇妙な物語。
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これは面白い。
冒頭は殺人を仕事とするブレイクの話から。これ自体がストーリの基軸になるほどの立ち上がりなのだけどそうではなかった。
パリ発ニューヨーク行きの飛行機に異常が起こる。それがとんでもないのだ。
SF的でありながら、結局人の心に触れる内容。
もし、自分と同じ記憶とDNAを持った人間がいきなり現れたがあなたはどうする?あるいはそんな人が自分の知り合いに現れたらあなたはどうする?
と問いかけている。
平野啓一郎の「空白を満たしなさい」からインスパイヤーされたのではないか、と思ってしまった。あちらは死んだはずの「僕」がなぜかこの世に現れる。こちらはいつもの日常の中に自分が現れるのだ。
残念ながらフランス文化を知らないと理解できない部分があり、注釈はあるものの…フランスで大ベストセラーになったというのはよく理解できる。
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感想|『普段の生活から逸脱した体験』
良い思考実験だった。文の構成自体にも驚きがあったが、個人的にはSFならではの発見が大きかった。何より、「自分自身について考える」という普段あまりみき合わないことについて向き合う機会が設けられた!笑また!これからの社会このような現象に近いことも起こりうるのではないかと肌で感じた。
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登場人物が多い点が、この本を面白くさせている要因であることは間違いないが、一方でカタカナを覚えるのが苦手な自分は結構苦労した。メモを取りながら読むことをオススメします。
とてつもない「異常」というよりは、起こり得そうで、でも静かな「異常」とでも言うべきか。
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ぐいぐいと読まされてしまった。
登場人物の多さで振り落とされる人もいるかもしれない1部が、私は一番好きかも(なにも起きてないけど)
物語は2部で「こんなことが起きたけどどうする」に右往左往する人々が描かれ(オタクカップルが好き)、3部で「実際会ったらどうなる」が描かれる。
なぜこんなことが、という点は解決されない(主眼はそこにない)。だけど、自分と似た人似てない人、様々な人の人生の一部を体験させてもらい、よかったことも悪かったことも「なるほどねえ」と飲み込む、そんな読書体験だった。
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「予の汝を夢というもまた夢なり」
扉に書かれた荘子の言葉。あなたを夢だという私もまた夢。みんな夢だ。まさにそんな話。もちろん夢オチではないのでご安心を。
最初の章は殺し屋から登場する。ロマンノワールかと思わせておいて、弁護士、歌手、作家など様々な人たちの日常が描写される。そして彼らが乗り合わせたエールフランス006便NY行き。異常な乱気流に巻き込まれ、漸く着陸したのは3ヶ月後のニューヨークだった。一方で3ヶ月前にエールフランス006便はパリから無事到着し、別の彼らが何事もなくNYの街に降りていた。
読んでいてパンアメリカン914便かと思った。1955年に乗員乗客61名を乗せてNYからマイアミに飛んだまま行方不明になり、37年後の1992年ベネズエラのカラカス空港に降りた(しかしまた飛び立った)と言われる、あのミステリーを。
しかし話は少し違う。こっちは同じ人間がNYに2人いるという異常状態なのだ。彼らは3ヶ月前にエールフランスに乗るまでの記憶は全く同じ。その時、人はどう反応するか。
エンタメSFのように、この謎を解こうとする誰かに焦点を当てて、サスペンスに描かれはしない。ドッペルゲンガーのようなもうひとりの自分がいる、いろいろな立場の人たちがどのような捉え方をするのか。ある人は受け入れ、ある人は混乱する。なぜこんな事になったのかは、議論されるが、話の主題はそこではない。そこは文学的にフランス的に、人生観、生き方、その人の内面が考察される。
設定だけを捉えて娯楽小説を期待して読まないほうが楽しめます。フランス文学にしてはかなりスラスラ行ける。
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殺し屋、弁護士、作家、母と子ども、乗客を乗せたエールフランス006便がニューヨークに向けて飛んでいる時、異常な乱気流に巻き込まれる。
ある特殊な場面において、人はどんな選択をするのか。
怖〜い… (表紙の写真は、そういう事かぁ。)
SF、哲学、宗教、ディストピア、そんなお話だった。
過去の自分、現在の自分、どれも自分なのに、
選択を迫られた時、本人も周辺の人も人間の嫌な部分があからさまになってしまう。
様々な考え方、生き方があり、たくさんの登場人物が象徴として出て来るが、どの人物にも思い入れできず、客観的に読んだ。国や要人、宗教家については、皮肉たっぷりで海外作家はハッキリ描くなぁと新鮮だった。
衝撃の終盤を迎え、異常の真実は何か?これからどうなるのか、ラスト2ページの表記が意味するモノは何なのか?
私には、わからず答えは出ないままである。このモヤモヤした読後感が、本作を強く印象づける味わいとなりそうだ。
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思っていたものとは違った作品であり、また期待した展開ではなかった……のだが、構成の妙が光り読み進めるのが止まらなかった不思議な一冊。
非常に文学的であり、かつ翻訳物のためめちゃくちゃ読みにくいのが難点。
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第一部。
殺し屋、作家、弁護士、恋人たち。
それぞれの人生がまず描かれる。
殺し屋は淡々と二重生活をこなし
作家は急に今までと違う物語を生み出し
弁護士はキャリアの節目に立ち
恋人たちは破局の予感に怯える。
そしてみな来し方になぜか
「あのとき飛行機で体験した乱気流」が
あったことを感じている。
第二部。
その「飛行機」に乗っていた人々が
なぜか秘密裏に軍に軟禁され始める。
そういうことか!
誰にでもある人生の分岐点。
これはSF? ミステリ?
全然違うけれどちょっと『わたしを離さないで』や
コニー・ウィリスの作品に近いものが。
第一部は少しペースが滞ったものの
第二部に入ってからは、スイスイ読めました。
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子供の頃の3ヶ月はとんでもなく長かったけど、大人になったらあっという間。
と思ってたけど、大人の3ヶ月ももしかして運命を大きく変える選択肢の連続?
ラストは観察者がスイッチを切ったのだと思ったけどどうなんでしょうか。
リュシーがあんまり好きになれなくて、アンドレはなんかよくいる若い女口説くしょーもないおっさんだし…
スリムメンは前向きでたくましい。
夫が2度亡くなったり、知らなかった子の虐待を知ったりもうエピソードが多様!
飛行機の中で読み始めたんだけど、第一部は冗長に感じられて途中で寝ちゃった。
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想定していた面白さと、提供された面白さが全く違ったため、面食らってしまった。序盤はわくわくしただけに、なんとも消化不良な気持ちになった。宣伝文句を変えたほうがいいと思う。
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実験的な作品かな?SFっぽいような流れで登場人物は多いがそれぞれ特徴的で読み易かった。ゴンクール賞を獲ったらしいが、日本では理解しがたいのでは、と思った。
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前半まるまる退屈なのでくじけそうになったが、後半は一気読み。ハッピーエンドでもなければディストピアでもなければ、こういうSFをなんと言うのだろうか。
余韻の残る終わり方は個人的には好き。続編あるか?
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事前の情報無しで読んだ感想は「なんだこりゃ」という感じ。タイトルどおり異常なことが起こりますが、「あ、そういう話なの?」という予想外のストーリーでした。
三部構成になっていて第一部は登場人物紹介。様々な人物のエピソードが登場しますが、共通点や接点はほとんどなく、正直この冒頭150ページがしんどかった。この本は何の話なのか、第一部の最後あたりまで見えてきません。
話の設定や展開がなんとなく見えてきたところで、この話にどうオチをつけてどうまとめるんだ?ということが気になってきて、第二部からちょっと面白くなります。
きれいにまとまるストーリーではなくて、なんなら最後まで散らかされるので、なんだこりゃな一冊でした。
母親と賢い子どものエピソードが好きだな。
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飛行機が嵐を乗り越えて着陸したら…というお話。
マニフェストみたいなのか?と期待して読みましたが、そうではなかったです。
中盤の飛行機の話になるとこまでは、人々の日常の話で、人数も多いしなんなんだろという感じですが、これが後半に効いてくるなぁ〜と思いました。