あらすじ
アレトゥサ暗号の謎を追うローレンスは進撃する米軍に同行、暗号電文の発信地フィリピンへ向かった。彼は、その地で日本軍が隠した莫大な金塊とアレトゥサの意外な関係を知ることに…半世紀後、ランディもアレトゥサに挑んでいた。彼は資金難のデータヘブン事業を救うため、祖父の遺した記録をたどり、日本軍の金塊探索に赴くが…!?半世紀の時をへだて、幾重にも交錯してきた謎と冒険の物語は、今ここに大団円を迎える。ローカス賞受賞。
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Posted by ブクログ
長いが面白い、どこがSFか分からない作品
表紙 4点佐伯 経多 中原 尚哉訳
展開 6点1999年著作
文章 7点
内容 660点
合計 677点
Posted by ブクログ
本書は四分冊の最後の本だ。第二次世界大戦で日本軍が隠した金塊などを現代で掘り起こす物語。埋蔵金の場所は暗号化されているので、それを解読する過程にドキドキする。ラストに向かって大きな冒険があるにはあるが、冒険小説ほどではなく、暗号の解読も思っていたよりあっさりと成し遂げられてしまったので、意外な展開と言えばそうなのだが、盛り上がりにかけてしまった印象を持ってしまうのが残念なところだ。これは、自分の期待が暗号寄りだったためであり、小説としては良質のエンターテイメントになっていると思う。本書で意外にも良かったのが解説である。本書意外にも暗号について分かりやすい解説が巻末にあり、暗号に馴染みがない人が読んでも面白いと感じるだろう。
Posted by ブクログ
第二次世界大戦中の暗号に隠された謎とは?
海底ケーブルの事業で窮地に陥った暗号解読者の子孫たちが、その謎に挑む。
大戦中と現代が、暗号(クリプト)によって絡み合う。
題名の「暗号書(クリプトノミコン)」は、もちろん「ネクロノミコン」のもじり。
いやー、毎度ながら、物語はブツ切れで終わってますな。
あれですね、この人の小説は、読み終わってから、「あ〜おもしろかった」と思うものではないです。
いろいろ考えながら読んでいく過程がおもしろい。
筋道きっちり立てた小説が好き…というヒトには向かないかもしれんね。
しかし、SF…というには、無理があるかも。かといって、どこのジャンルに入れるかと問われると、これも困ってしまう。
第二次世界大戦の暗号戦の話、高度な数学の話、ITビジネスの話が出てきたかと思うと、神話の話やTRPGの話やオタクあれこれ、電気街の頃のアキハバラまで出てきますから。
本当に何でもあり。
オタクのオタクのための小説だよなー。話をきっちりまとめられないところもオタク臭くてよいです。
暗号てのは数学の世界です。確率やら素数やら関数やらいろいろ出てきましたが、……えーと、さっぱり分かりませんでした。
数学はものすごく苦手な人間です。100点満点中2点とか取ったことありますからね。
それでも、こうやってパソコンに向かって字を書いてネットに上げるという作業のうちに、そういうわけの分からん数学のお世話になっているわけなんですね。
高度な暗号技術のおかげで、安心してメールのやりとりをしたりネットで本を買ったりもできるわけで。
サイモン・シン「暗号解読」とかを読んでおくととっつきやすいかもです。