あらすじ
脱炭素という課題を企業の成長に変えるポイントが60分でつかめる!
2020年10月の臨時国会で菅総理が「2050年,脱炭素社会の実現を目指す」と宣言したことにより注目を集めたキーワード“カーボンニュートラル”。気候変動への対策といった人類共通の課題という側面ばかりでなく,企業にとってはビジネスモデルの転換や新たなテクノロジーの開発,雇用創出などの経営課題やESG評価による投資への大きな影響が生じます。生活者もエネルギーの転換や食など,生活の抜本的な部分での変化が予想されます。本書では,「国際社会および日本の政策」「影響の大きい産業(エネルギー,運輸,製造)」「国内外企業の取り組み」「最先端の脱炭素技術」「消費生活の変化」といった,広い視点から身近な事象までを捉えて「カーボンニュートラルとは何なのか」をわかりやすく説明します。
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Posted by ブクログ
すごくまとまったとても良い著書だった。
カーボンニュースカルの事はこの1冊を読めばかなりの部分で理解できる。
キーとなる企業も記載されていた。
それらの株を買っておくと面白いかもしれないととも思った。
デスクなどにおいて、事あるごとに見直したい。
Posted by ブクログ
私が今まで読んできたカーボンニュートラル関連の本で最も基礎的かつ網羅的。見開きで右がデータや図解、左が文章。プレゼンを聴いているような分かりやすさ。知識の定着だけではなく、体系的、論理的にそれらが繋がり納得感を高める読書ができた。
例えば、人一人の二酸化炭素排出量は年間320kg
これは植木23本に相当。2013年比で46%減を目標とする日本、総排出量は14億800万、35年にはこれを7.6億へ。森林の二酸化炭素吸収量は1億に満たない。注目される石炭火力へのアンモニア混焼20%でも0.4億、50%で1億程度の効果。足りない。
そもそも、何故カーボンニュートラルに焦るのか。化石依存からの投資引き上げであるダイベストメントや投資家対策。26年から国境炭素調整措置で鉄鋼含む5品目に課税、これは自国産業保護の観点からも。国内でもカーボンプライシングの施策あり。再エネ供給乏しく電力購入契約PPAの枠を早期確保する戦略が重要。争奪戦が予想されるためだ。また、パワー半導体は、電力ロスを低減し、省エネを実現するが、その確保も競争へ。半導体は、建設コストの低い太陽光発電でも必要。国境炭素税は、エネルギーコストが低い旧エネルギー製品の輸入へ課せられる。これの対処に向いているのは、途上国でも設置し易い太陽光発電。しかし、カドミウムなどの有害物質、新疆ウイグルの強制労働問題もある。この半導体不足も含め、この辺は各々の利害で既に動き始めている。
石油価格も既に高騰。サウジアラビアやUAE、ロシア、オーストラリアもカーボンニュートラル宣言。化石燃料需要減を見越した石油、石炭価格引き上げへ。しかし、上げ過ぎるとアメリカのシェールオイル復活。このバランスで保たれるが、足下、生活に影響し始めている。LNGはグリーンエネルギーに含まれる事が宣言された。その後のウルグアイ侵攻。
国の考えに従い、最適なパフォーマンスを考える事、複雑に絡み合う主義主張の最適解を見誤らずに調整する事。俯瞰して個々の論理を読み解けるようにならねば。
Posted by ブクログ
"カーボンニュートラル"という言葉はよく見聞きするが、具体的にどんな技術があり、どこまで開発が進んでいて、絵空事ではなく目標達成できるのはいつなのか、実はよくわかっていなかった。
この本は、コンパクトに、カーボンニュートラルに貢献する様々な技術やその開発状況、メリット、デメリットなどが説明してあり、初心者にもわかりやすい。
また、カーボンニュートラルが進んだときの生活の変化や各企業の取り組み状況も紹介されている。
初めて知ったことも多数あり、とても参考になった。