【感想・ネタバレ】深山の桜のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

『深山の桜』、『七四』、『桜と日章』という自衛隊三部作(今のところ)の1冊目。
自衛隊の日常や武器、階級などに興味のない方にとって前半は少々しんどいかも知れませんが、後半からラストにかけてのこれでもかという展開。そしてすべてが明らかになった時の感動。落涙必至です。
後半から登場するオネエ言葉を話す植木はこの作品だけを読むとやや唐突で活躍も少なく思えるかも知れませんが、3作とも主人公は他に譲りながら、この植木の考えや信念こそがこれらの作品に通奏低音のように流れる骨格であり、作者の思いでもあるのだと思います。
どうか3作続けて読まれることをお勧め致します。

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2020年08月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

南スーダンの自衛隊宿営地で連続する盗難事件を調査するよう命じられた、退官間近の亀尾准陸尉と部下の杉村陸士長。
日本から特別派遣されてきたオネエの警務官・植木一等陸尉も調査に加わるが謎の脅迫状や小銃弾の紛失という事件が次々と起こり、事態は予想のつかない展開となる…。

前半は自衛隊内部の階級や独特の習慣や言葉に引っかかることが多く、読み進めるのに苦労しました。
冗長と思えるほど隊員たちの日常生活や装備などの描写が細かく、それも読みにくい原因かも。
でも、ディティールが描写されることによってリアルな説得力のある世界が形作られ、現在の自衛隊が抱える問題をより明確に浮き彫りにしていて、物語に奥行きを与えていると感じました。
描かれる隊員たちの人間関係も日常もかなり緊張感のある厳しいものですが、未知な世界を知ることができて新鮮でした。

中盤から、オネエ言葉で喋りまくり、物語をガンガンかきまわす植木一尉がかなり目立ってます。
最初は異色すぎて違和感を感じたのですが、物語の展開がハードになるにつれて、彼の存在がオアシスのように感じられ、ホッとするようになりました~。

現行の法律や政治が抱える問題や矛盾、現場の隊員たちの矜持についてもわかりやすく描かれ、改めて考えさせられました。
作者は元自衛官だそうですが、メッセージ性の強い問題提起もちゃんとエンタメに昇華され、完成度の高い作品になっています。

抒情的なラストシーンは美しすぎて…涙腺がゆるんじゃいました。

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2019年11月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

元陸上自衛官の著者が描く、自衛隊内の窃盗事件を描く。

舞台は南スーダンに派遣された陸上自衛隊基地内。
私物の窃盗事件から弾薬の紛失事件へと発展し、それを調査するベテラン隊員と若手隊員の調査を追う。

アクションは最後以外にほとんどなく、基本的には窃盗事件調査がメイン。

この本を通して、自衛隊が枝葉末節まで規定するルールと現実を見ない上層部のおべんちゃらに付き合わされ、現場はがんじがらめになっていることがわかる。
また国民の目を過度に気にすると感じられ、主要な目的外の作業が多すぎると思った。

こんな枝葉末節にがんじがらめにされてしまうと本当に有事が起きたとき、自衛隊がいかに有能でも、自由迅速に行動する敵に対して、応対行動がとれるのか?と不安になる。。

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2017年05月18日

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