【感想・ネタバレ】深山の桜のレビュー

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Posted by ブクログ

同級生に薦められて読みました。自衛官を経験されているだけあり、専守防衛をベースに様々な制約の中での自衛官の葛藤を感じました。自衛隊をモデルにした小説を沢山読みましたがダントツです。ラストは泣いてしまいました

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2020年09月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『深山の桜』、『七四』、『桜と日章』という自衛隊三部作(今のところ)の1冊目。
自衛隊の日常や武器、階級などに興味のない方にとって前半は少々しんどいかも知れませんが、後半からラストにかけてのこれでもかという展開。そしてすべてが明らかになった時の感動。落涙必至です。
後半から登場するオネエ言葉を話す植木はこの作品だけを読むとやや唐突で活躍も少なく思えるかも知れませんが、3作とも主人公は他に譲りながら、この植木の考えや信念こそがこれらの作品に通奏低音のように流れる骨格であり、作者の思いでもあるのだと思います。
どうか3作続けて読まれることをお勧め致します。

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2020年08月04日

Posted by ブクログ

世の中は、ほんの一握りのヒーローと
大多数のクズからできている。
そのことをまざまざと見せつけられる本(- -

前半部分、ストーリー的にはあまり進展がなく、
正直やや冗長な印象を受けた。

が、そこで細かく描写される「自衛隊員の日常」、
=一般人にとっての「非日常」が、
あとからじわじわと効いてくる。

一応は「犯罪捜査」の話であるが、
犯罪を「犯す側」の気持ちも嫌と言うほど分かる。
...気がする(- -

誰が悪いのかというと...「現場の目」で見ると
「事情を真に理解せず勝手なことを言ってる奴ら」
ということになろう。

が、それは防衛省の制服組や政治家だけではなく、
「現場」を理解していない大多数の国民を含む。
私もあなたも含まれる(- -

...そんな「悪い奴ら」ですら、
いざという時には命がけで守り、助ける。
それが自衛官というものである(- -

東日本大震災やら、南スーダンのPKOやら、
現実に起きたことを絡めて話が進むので、
誰でもが多かれ少なかれ共感できるものがあろう。

いつ北朝鮮のミサイルが飛んでくるか分からない今こそ、
多くの人に読んでいただきたい一冊である(- -

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2017年12月01日

Posted by ブクログ

植木一等陸尉が登場するまでと登場してから、そして終盤の畳み込むような流れと、息をつくのも忘れて読んでしまいました。そして終盤は泣けて泣けて…
リアルの中に現れる植木一等陸尉の場面転換力に惚れました。
映像にするのは難しそうですが、できることなら植木をまったくイメージとかけ離れた玉木宏で見てみたい。

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2016年07月20日

Posted by ブクログ

ディテールがリアルでとてもおもしろかったのだけど、リアルすぎて胸が痛いので私はやっぱりGATEぐらいぶっとんでるほうがのんきに楽しめていいな…。

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2016年07月17日

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自衛隊員の矜恃が描かれている。多くの感想にあるように、前半は読書スピードが上がらない。植木陸尉の登場からテンポアップし、終盤は怒涛の展開。多くの伏線がつながっていく快感。そして、深山の桜で感涙。

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2021年01月06日

Posted by ブクログ

【桜と日章】で出逢った神家さんのデビュー作。
自衛隊モノの中にミステリーという要素を取り入れるというバランスが凄い。
そして圧倒的なスケール感。加えてミステリーとしても成立しているというのが本当に驚いた。
植木さんの大活躍も見られて、とても楽しめた。

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2019年11月15日

Posted by ブクログ

読み応えがあって面白かった。自衛隊の中身や環境について知らないことが多かったけれど、細かく描写があったからのめり込むことが出来た。人物描写がなんだか違和感を感じるところが多くて少し残念。
170814

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2017年08月14日

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日本から約一万二千キロ、アフリカ大陸。国際連合南スーダン派遣団の第五次派遣施設隊内では盗難が相次いでいた。定年間近の自衛官・亀尾准陸尉と部下の杉村陸士長が調査に乗り出すが、さらに不可解な事件が連続して発生する。果たして相次ぐ事件は何を意味するのか。日本から特別派遣されてきたオネエの警務官・植木一等陸尉も調査に加わり、事件の謎に挑む。『このミス』大賞優秀賞受賞作!

ようやく読むことができた。いろいろな要素が含まれ、しかもグッとくる結末。今さらながらおすすめ。

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2017年08月09日

Posted by ブクログ

ミステリーというより、自衛隊海外派遣にまつわる日常生活や制度の不備の問題なんかを描いた作品と思っている。

『駆けつけ警護』など、現在進行中の問題も。

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2016年11月30日

Posted by ブクログ

感想として、万感という言葉がしっくりくる。
物語が進むにつれて、様々な思いが浮かび上がっては去っていくように感じた。

冒頭では自衛隊という作中の作り込みをし、小さな伏線を張りつつ、徐々に物語を加速させていく。
俯瞰して読んでいたかったが、途中からはただただ物語にのめり込んで、正に読まされてしまった


さて、読み終わり、准尉のことが気がかりではあるが、
それよりも自衛隊とはなんだろうかと思う。
今まで深く考える機会すらなかったが、本書は1つのきっかけになり得ると思う。
就職先・仕事である前に、自国の大事な機関なんだと思う。災害時の活躍が記憶に新しいが、本来の役割は防衛である。
そんな自衛隊が、今なにができて、何ができないのか。
必要なのか、なんで必要となるのか。

あまりにも考えてこなかったと、恥ずかしく思う。
私だけかもしれないが、日本という国に愛着がないんだろう。
政治などには盛り上がりを見せず、今だけを生きて、不利益が出そうな時だけ不満をいい、改善案は誰かに任せる。
自分の家と同じように日本という国を考えることが、あまりにも少なすぎて愛国心が育たないんだろうか。

小学生の子どもと一緒に、日本を学んでみたいと思う。

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2019年07月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

南スーダンの自衛隊宿営地で連続する盗難事件を調査するよう命じられた、退官間近の亀尾准陸尉と部下の杉村陸士長。
日本から特別派遣されてきたオネエの警務官・植木一等陸尉も調査に加わるが謎の脅迫状や小銃弾の紛失という事件が次々と起こり、事態は予想のつかない展開となる…。

前半は自衛隊内部の階級や独特の習慣や言葉に引っかかることが多く、読み進めるのに苦労しました。
冗長と思えるほど隊員たちの日常生活や装備などの描写が細かく、それも読みにくい原因かも。
でも、ディティールが描写されることによってリアルな説得力のある世界が形作られ、現在の自衛隊が抱える問題をより明確に浮き彫りにしていて、物語に奥行きを与えていると感じました。
描かれる隊員たちの人間関係も日常もかなり緊張感のある厳しいものですが、未知な世界を知ることができて新鮮でした。

中盤から、オネエ言葉で喋りまくり、物語をガンガンかきまわす植木一尉がかなり目立ってます。
最初は異色すぎて違和感を感じたのですが、物語の展開がハードになるにつれて、彼の存在がオアシスのように感じられ、ホッとするようになりました~。

現行の法律や政治が抱える問題や矛盾、現場の隊員たちの矜持についてもわかりやすく描かれ、改めて考えさせられました。
作者は元自衛官だそうですが、メッセージ性の強い問題提起もちゃんとエンタメに昇華され、完成度の高い作品になっています。

抒情的なラストシーンは美しすぎて…涙腺がゆるんじゃいました。

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2019年11月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

元陸上自衛官の著者が描く、自衛隊内の窃盗事件を描く。

舞台は南スーダンに派遣された陸上自衛隊基地内。
私物の窃盗事件から弾薬の紛失事件へと発展し、それを調査するベテラン隊員と若手隊員の調査を追う。

アクションは最後以外にほとんどなく、基本的には窃盗事件調査がメイン。

この本を通して、自衛隊が枝葉末節まで規定するルールと現実を見ない上層部のおべんちゃらに付き合わされ、現場はがんじがらめになっていることがわかる。
また国民の目を過度に気にすると感じられ、主要な目的外の作業が多すぎると思った。

こんな枝葉末節にがんじがらめにされてしまうと本当に有事が起きたとき、自衛隊がいかに有能でも、自由迅速に行動する敵に対して、応対行動がとれるのか?と不安になる。。

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2017年05月18日

Posted by ブクログ

★3.5ですね。

いままさに進行中の国連南スーダン共和国ミッションへ派遣された自衛隊部隊を舞台にしたミステリー。

って言うか、『ミステリー』と言う意識はありませんでした。でも第13回『このミス』の優秀賞だったんですね。それを認識してもなお、あまりミステリーと言う感じはしません。むしろ、自衛隊の置かれた厳しい立場を、少しコミカルに描き出した小説という認識です。

だってねぇ、確かに推理小説の要素はありますが、それよりも、南スーダンに派遣された自衛隊の厳しい日常生活、国内でぬくぬくとしている防衛官僚に手を縛られた現地部隊、不穏な現地情勢・・・。2016年より、やっと法制度化された駆けつけ警護も任務に加わるようですが、そんな悠長なことを言っている状況じゃないんですよね。奇しくも、実際にあった自衛隊から韓国軍への断薬貸与などを鑑みると、よくこれまで戦闘による死亡者が出なかったなと。

そう言う意味で、ミステリーと言うより、南スーダン派遣自衛隊の厳しい日々を描いた小説だと思います。

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2016年09月03日

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