【感想・ネタバレ】ひきこもりの真実 ──就労より自立より大切なことのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

著者の林恭子さんの実体験を述べられている第四章は、今までに読んだひきこもり関係の本の中で一番具体的な実体験の内容を述べらています。

林恭子さんは、ご自分の実体験をこうして外部にアウトプットしたかったのだと思います。
参考になる人達がたくさんいるはずです。

子供の頃から、荒れていた中学でのこと、転校を繰り返して育たれたこと、ご家族、ご姉妹のこと、通院、入院、大検、自分だけではないことを知ることができた不登校関係者との出会い、そしてご自分で当事者発信を開始されたこと、『ひきこもり』にかかわるようになって二〇年以上が経過しているが、その間に五人の友人を喪い、うち四人は自殺だったこと。


人類史上前例のない、歴史上始まって以来の世界中で最も多い日本の大量の『ひきこもり』問題は、直面し、当事者たちを中心にして、なんとかコツコツと少しでも乗り越えていかなくてはいけない、大きな課題・問題です。
いままでに過去にかって地球上に前例がないため、解決して乗り越えていくために参考にしていくことができる正解がどこにも見当たりません。

それでもやっていくしかないです。

『不登校・ひきこもり』の人達が相談したり参加すことのできる、いくつかのひきこもり関連サイトが巻末に記載されています。
他のひきこもり関連サイトよりも、おそらく林恭子さんのお勧めの関連サイトだと思われます。

林恭子さんの本を読むことで、自分でWeb検索をしてみて、YouTubeやアメブロもやってくださっている後藤誠子さんのことや、厚生労働省が初めて、様々なひきこもり経験者の方が発信されているYouTubeの「ひきこもりVOICE STATION」を知りました。
いままででの中で、これほど真面目で誠実で誠意を感じられることのできる人たちがたくさん参加されている有意義な発信活動はなかったです。

動画を視聴することができる環境の『ひきこもり』当事者や、ご家族の方でしたならば、必ず「ひきこもりVOICE STATION」を視聴すべきです。
後藤誠子さんも、御自分や息子さんの恥ずかしいことや悔しいことは、それを抑えて発信されています。

どんな年齢層、性別の『ひきこもり』の人達でも、自分だけではないということを知ることは、とても大切なきっかけで始まりになるはずです。
自分と似た人がいるということは、安心感や、意欲になります。
傷のなめ合いだけになってしまってはいけませんが。

数多くの『ひきこもり』の人達は、なにか行動をやっていかなければ、ますますどんどん自分が置いてきぼりになっていくことはわかっています。

ですが、なにか自分が社会的な行動・活動・社会参加をしていけば、いくほどに、どんどんどんどんますますと、卑しくて、屈辱的で、惨めで、情けのない、自分の人間性、人間の尊厳を失っていき、否定されていくことになってしまうことになる、悪循環に追い込まれていくことにしかならないのではないのか?という、とても大きな恐怖感と不安感とあきらめ、絶望感があるわけです。
夢や希望や目標やりがいを持てないわけです。


『ひきこもり』の中のほとんど大多数の人達にしてもわかっています。
自分が屈辱的で情けがなくて、卑しくて、惨めな、奴隷やペットみたいな人間の尊厳や人間性のかけらもないような人間に追い込まれていくことになる、働き方や生き方ならば、いくらでも社会活動をしていけることを。

ですがそれでは尊厳を失っていくことがわかりきっているので、それが耐えられなくて、自分が一番居心地の良い、自宅の自分の部屋に閉じこもってしまう。

わたし自身の意見ですが、一つの生き方として、古代中国からあった勉強法に、ひたすら“「記録していく」”という勉強法があります。
このひたすら“記録していく”という勉強法の姿勢は、ほとんどの社会活動、自宅、家族、街や職場、人とのコミュニケーション、勉強、学習、仕事、職場でも有意義に活かしていくことができると思っています。

例えば自分が感情的に思い込んでやっていくと、勉強しているときでも、読書や、映像や写真を目にしたり、記事を読んだり、すべての他人と接しているときでも、なにか想像してしまったりして、あまりにも生々しくて、自分には負担が大き過ぎて、受け容れられなくて、混乱したり、抱えきれないことがよくあります。

ですが、自分の精神や心や内面的なものが、混乱して、傷つき、衝撃を受けないためにも、ひたすら周りのすべてを“記録していく”姿勢で打ち込んでいくのは、かなり効果的だと思います。
ただし適度に距離を取って、誠実に、詮索したり、探ったり、想像していくのではなくて、礼儀正しく“記録していく”ような姿勢です。
そうすれば、傷ついたり、なにか余計負担を抱えていくことが少しでも減るはずです。
精神的、情緒的、身体的に自分を主張して社会活動をしていくのではなくて、知力的にすべての社会活動をしていけるようになっていくイメ−ジです。

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2022年12月19日

Posted by ブクログ

■ひきこもりの支援というと「社会に適応させること」と思っている人が多い。問題があるのは本人(又は家族)であるから、その当人を指導、矯正して元の社会に戻すという発想。
問題があるのは本人ではなく、社会の方かもしれない、という視点は必要だ。「ダメな人」を矯正して社会に戻すという発想ではなく、様々な個性や特性こそが強みで、それを活かしてもらうという発想が欲しい。また、その人がその人のままで生きられる社会を作っていくこともとても大切だと思う。

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2022年08月24日

Posted by ブクログ

先日、江戸川区でひきこもりの調査が実施されました。現代社会で引きこもりをしている人に対する理解、これこそが最初の一歩です。

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2022年06月13日

Posted by ブクログ

とてもとても良かった。著者がひきこもり経験者というのがとてもよく伝わる内容で説得力があった。
前半はひきこもりについての実態調査内容、支援の仕方や居場所づくりの大切さと作り方など支援する側のあり方。
後半は著者の林さん自身のどうしてひきこもってどのような経緯でまた生きていこうと思ったかが書かれて、最後に家族にどうしてほしいかをかいている。
私自身が現在ひきこもり当事者なんですが、本当に首がもげるほどそうなんです!!と頷く内容で、こんな人が居てくれるのが心強いと思うほどでした。
とくに家族にどうしてほしいかの章は本当に素晴らしかった。当事者のご家族には本当に読んで欲しいしまた、支援者の方や、ひきこもりを知りたい方にも、知らない方にも是非読んで欲しいです。
ひきこもり当事者の感想として、当事者なら私が以前読んだ石川さんの「「ひきこもり」から考える」よりこちらの本が当事者として共感できるのでオススメします。

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2022年05月03日

Posted by ブクログ

僕は自分がひきこもりにならなかったのは、偶々タイミングを逸したからだと思っている。だから引きこもりとは何かに関心を持つ。
当事者主体の支援の必要性、女性など見えにくい当事者。経験者の実態により露わになる問題点と必要なもの。

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2022年09月24日

Posted by ブクログ

著者は、不登校と「ひきこもり」の経験者。
40歳近くに社会復帰を果たす。その間何をし、何を考えていたのか。原因は何だったのか。同じような境遇にある人は、何を求めているのか。実体験をもとにリアルを語る。

不覚にも読み始めて気づいた。著者は女性だ。ひきこもりは、なんとなく男性だという先入観があった。著者自身もそのことについて最初に触れる。内閣府の調査ではひきこもりは男性が77%だが、自分たちの独自調査では女性が61%。どちらかの調査が偏っているのかもしれない。別のデータでは小中学校の不登校の女子は合わせて48%であり男女にほとんど差がなく、確かに女性の比率は、内閣府の調査よりもっと多いのかもしれない。

ひきこもりは、つらい。6割以上の人がそう感じながら、ひきこもる。きっかけは、心の不調や病気が最も多い。生きづらさを感じている。

社会で生きる事は、容易では無い。必要最低限の能力を維持し、時に悪意を退け、日々の生活費を手に入れなければならない。また、ただ何気なく生きるのではなく、自我や尊厳も保たねばならない。食事が得られても、存在を否定される日々では、心が生きていけない。だからこそ、承認欲求の奴隷にもなるのだろう。しかし、その全てにおいて、「他者の期待」に応える能力、努力、労力が求められるのだ。他者への働きかけを止めれば、〝対価も承認”も得られない。

社会との関係性を断ち切り、ひきこもる事は、この他者の期待との連環を断ち切る事。そのエネルギーが尽きてしまった状態だ。更に自己否定を繰り返し、負の悪循環に陥っている。人の心は難しい。微かな期待、小さな尊厳からやり直さねばならない。

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2023年09月02日

Posted by ブクログ

ひきこもりを就労に結びつけるまでがゴールではない。当事者目線での支援の在り方を提起した本。
個人的には著者の妹さんのインタビューが参考になった。

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2023年03月10日

Posted by ブクログ

半分以上は同じような内容の
繰り返しかなという感想だったけど、

第四章以降から、読みたかった内容が
かかれていたのでそこからは
興味深く読んでいった。

ひきこもりだけではなく、
ヤングケアラーなど本人が
自分のほかにも同じことで
苦しんでいる人が居るんだと
気づけること、知ることで
少し何かかわるのかなと思った。

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2022年02月18日

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