あらすじ
2021年5月、地球に帰還した宇宙飛行士の野口聡一さん。民間の「スペースX」社が開発した宇宙船で宇宙へ行った初めての日本人として、偉業を成し遂げた。その野口さんは、毎朝地上からの指示を受け、400km離れた宇宙で仕事をこなしていた――それはまさに”テレワーカー”だろう。地上でのテレワークを究極にした形である。その環境下で、数々のミッションを成功させた野口さんは、いかにして地上と良好なコミュニケーションをとっていたのか。テレワークが成功するポイントは何か。野口さんが経験した民間宇宙船や国際宇宙ステーション(ISS)の最新状況なども、併せて公開する。宇宙好きはもちろん、ビジネスマンにも役立つ1冊だ。
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Posted by ブクログ
…何か問題に突き当たったとき、それまでの常識だけで動いていては問題を解決できない。1次元より2次元、2次元より3次元と、視点をひとつ高い次元に置いてみれば、かならず新しい解決策が見つかるんじゃないか。それが新しい時代を切り開く突破力になるんじゃないか。
常識なんてどんどん変わる。
新しい宇宙という場所に飛び込んでいく勇気さえあれば、新たな気の合う仲間と、面白くて夢中になれるものに出会えるはず。
…この道は行き止まりじゃないかと思うこともある。けれど、経験から得た知識をこらし、別の視点から見ることができたなら、気付かない場所に、解決の道はきっと開けているはずだと思う。その先には、知らないこと、面白いことがまだいっぱいある。
だから、諦めることは何もない。
いつだって挑戦はできる。
野口さんの熱く、深く内省した言葉が胸にグッと刺さった。
私は…宇宙に行くことはない…
が、それでも、この地球から宇宙に想いを馳せ、私自身の心にも宇宙を持つ続けていこうと思う。
Posted by ブクログ
宇宙飛行士の仕事術とはどんな内容なのだろうか、と興味が湧いたので一読。興味深かったのは、宇宙飛行士にもムービーナイトがあったり、座禅を組んで瞑想したりするという話。さらには、宇宙飛行士の転職についても触れられていて興味深かった。宇宙飛行士の仕事は究極のテレワークである、という言い回しも面白かったですし、民間企業の宇宙事業に携わった経験を持つ野口さんのお話は非常に新鮮でした。
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宇宙で働くという、「究極のテレワーク」「究極の職住近接」(本文引用)という環境下での働きかた、労務管理、コミュニケーションなどを紹介。実際の体験談としての読み物としても面白い
Posted by ブクログ
野口さんのミーハーな一面も垣間見れ、親近感が湧く宇宙に纏わるエトセトラ。
どんな職業を選んでも、最終的には『自助努力』なのだなぁ、としみじみ。
Posted by ブクログ
面白い!
私は宇宙そのものよりも、
「宇宙という究極の職場で働く」という事に、
とても興味があります。
なるほどなー、の連続でした。
ロコ・ソラーレの話も興味深かったです。
Posted by ブクログ
3度も宇宙へ行った野口さん、おごることなく、コロナ化で人とのつながりが薄くなった人たちの悩みは、宇宙での生活と同じと共感してくれる。その心意気がすごい。
深い経験をされているから、共感にも深みがある。
共感、ハートを開く、相手へのリスペクト。この3つはこれからの時代、ますます大事になる。
宇宙飛行士の仕事術を、一般の仕事にあてはめる。
•言葉できちんと伝える、言語化力の大切さ
•リーダーは、メンバー全員の不満のバラツキをなくす役目
•チームメンバーそれぞれの立ち位置を見る観察力と自分の役割の客観視の必要性
自分はいつでも世界とつながれる。つながっていけるという気持ちが大事。
視点を高くもち、新しい解決策を見つける。常識はどんどん変わる。新しい「宇宙」という場所に飛び込む勇気をもとう。諦めることはない。いつだって挑戦できる。
Posted by ブクログ
野口さんの人柄の良さがわかる本。
・ちょっとタンマで一休み。で客観的に見る、他の意見を聞く。
・完璧主義の危うさ(ストレスがたまる。宇宙飛行士は楽天主義が多い)
Posted by ブクログ
宇宙飛行士 野口聡一さんが3回目の宇宙飛行であるISSでの仕事やチームワークについて書かれた一冊。手順書が命、明確な優先順位付け、指示は直接的かつ的確に、ホウレンソウよりも現在は「指示、承認、責任」が重要。リーダーの役割は全員を満足させることではなく、全員の不満にバラツキがないようにすること、等々自分の仕事に応用できることも多々あり勉強になった。
いちばんインパクトがあったのは、揺るぎない目標は「全員で生き抜く」こと、半分だけが生き残ることはない…確かにそうなのだろう。宇宙で仲間の犠牲の上にヒーローだけが生き残るのは映画の世界だけだ。
また、野口さんがもう55歳で、引退に関する話にも触れているのが興味深かった。
編集者の意向なのか、無理やり「究極のテレワーク」に結び付けている感じがしたので少し減点。
Posted by ブクログ
まさに膝をうったのは、「宇宙飛行士はただのオペレーターでしかない」というところ。多分、読んでいる人にとってあまり印象に残らないとこだと思うけど、自分にとって、宇宙飛行士になんか惹かれないのはなんでなんだろう?という疑問に答えが出た言葉だった。
Posted by ブクログ
野口さんが宇宙飛行士の仕事の中で実感した英語の格言は、仕事をする上でも覚えておきたい内容だった。
Better is the enemy of good(より良いことは善の敵)
は、完璧主義は時に落とし穴に陥るという意味。
We-They syndromはしばしば対立構造を作ろうとしてしまうことを戒める言葉。
Truth is negotiableは、事実は一つでも真実は交渉次第であるというシビアな言葉。
つくづく、宇宙飛行士は最強のビジネスパーソンであると感じる。
Posted by ブクログ
宇宙という空間で「究極中の究極のテレワーク」を3度経験して帰還した野口聡一さんの本。コロナ禍から当たり前になったテレワークをどうしたら良くなるか?に焦点を当てて、さまざまなアドバイスが綴られている。
ただ、仕事術という面では個人だけで解決できる問題ばかりではないため、全てが参考にできるかというと理想論で止まってしまうなーという部分もある。
宇宙兄弟が好きなので、個人的には宇宙でどんなお仕事をしていたのか、どんな働き方だったのかという点が面白かった。宇宙に興味がある人に特におすすめ。
個人的なメモ
・ノンバーバル・コミュニケーションが効かないところでは、伝える側と受け取る側との間で、別の解釈の余地のない、明確にして簡潔な言葉を使うべし。
・リーダーの役割は、全員を満足させることではない。全員の不満の間にばらつきがないようにすることだ。
・スペースXの強さは、①革新的である(従来の手法にとらわれず、柔軟な発想に基づいたアプローチをする)、②アジャイル(機敏で、迅速である。スリムな組織な上、上下の連携が直接的で、かつ濃密)、③変化を厭わない(どんどん進める、失敗を隠すのではなく公表して次に生かす)
Posted by ブクログ
テレワーク関連
宇宙飛行士にも、働き方改革がある。
テレワークにおいて必要なのは
指示(目的に沿った明確なもの、裁量範囲を狭めておくことがポイント)、承認、責任(納品後は上司の責任)
タイムアウトで、切り替え。
→ちょっとタンマ!
協調型リーダー
→不安度を均等にする
Posted by ブクログ
宇宙でのテレワーク 指示→承認→責任
手順書=宇宙飛行士と地上の契約書
リーダーは 全員を満足させるのではなく、不満のバラツキをなくす
ダイバーシティ 同じ問題に様々なアプローチ
Truth is negotiable 真実は交渉可能 主張して勝った説が定説となり、真実になる
We-They Syndrome 対立 悪い流れを断ち切るTimeout
Situational Awareness 周囲の状況理解と把握
J-SSOD 放出事業 無人補給線で運んだ衛星を「きぼう」のロボットアームで放出
Space X 1社生産体制 宇宙服の縫製まで内製
Task oriented 目的達成への柔軟な発想
Agile 機敏 迅速
Radical 変化をいとわない