【感想・ネタバレ】福岡県警工藤會対策課 現場指揮官が語る工藤會との死闘のレビュー

あらすじ

このとき野村会長から「北九州はいいとこでしょう」という言葉が出た。私は「いいところだとおもってますよ。私は生まれも育ちも北九州だし、今も北九州に住んでいます。ただ、◯◯◯がなければもっといい街なんですけどね」と答えた。
「『やくざ』ですか……」野村会長が苦笑した。
前回の捜索時とは異なり、田上理事長も冷静だった。野村会長も、年下だが警察の現場責任者である私には丁寧な話しぶりだった。
私が言った「◯◯◯」は伏字ではなく、そのまま「まるまるまる」と口にした。意味合いとしては「ヤクザ」ではなく「工藤會」のことを指していたが、さすがに工藤會会長を前に多少の遠慮があったのだ。

(本文より)

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Posted by ブクログ

福岡県、特に北九州市で暴力団・工藤會の取締りに従事してきた筆者の死闘の記録。定年退職後も、暴力追放運動に関わり続けている。

淡々とした語り口の中に、強い闘志と暴力団への怒りが滲み出ている。「悪い奴らを捕まえたい」という志から警察官になり、自ら志願して暴力団対策の最前線に立ち続けた経歴は、命知らずで相当な精神力の持ち主だと敬服したい。

警察内の不祥事もあったり、市民が標的にされた卑劣な犯罪が起きたりと苦難が続きながらも、市民も暴力に屈せず闘ってきて工藤會の弱体化を実現。しかし暴力組織は姿形を変えていつの世にも現れる。それに対抗し得る「武器」を警察に与える必要性で締めくくっている。

淡々とした語り口の中にある闘志を感じられる、読み応えのある本。

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2025年11月09日

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