【感想・ネタバレ】重力と力学的世界 上 ――古典としての古典力学のレビュー

あらすじ

私たちが自明としている力学的世界観の成立には、古典力学と古典重力論にもとづく天体力学、とりわけ“重力”概念の確立が大きな影響を与えている。本書は、“重力”理論完成までの思想的格闘の足跡を原典に則して丹念に辿りつつ、誤りや迷いといった紆余曲折までも含めて詳らかにする。先人の思考の核心に「同時代的」に肉薄する壮大でドラマチックな力学史。上巻は、ケプラーにはじまり、ガリレイ、デカルトをへてニュートンにいたる力学方程式確立の歴史、オイラーの重力理論までを収録。

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Posted by ブクログ

非常に面白かった。

ケプラーが思っていたよりも遥かにすごい人だということが知れた。

ガリレイやニュートンなども近代的な物理学者というイメージで見ていたので、全く違う思想背景で物理をやっていたということに驚いた。

デカルトなども哲学者としてしか見ていなかったので、物理学思想なども含めて見ることでイメージが変わった。

西洋思想を知る上で当然哲学思想は追っていたが、物理学史なども知らなくては哲学思想の理解すらもできないのだなということに気づけた。

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2025年08月09日

Posted by ブクログ

文章が読みやすくて引き込まれる!おもろい!
(あと作者の方にお会いしたことあるけど凄くかっこいいの!落ち着いてらっしゃるのに磊落で、刀みたいに目が鋭くて素敵)
古代ギリシアの哲人が非接触力をどんな思考上のフレームで把握していたのか?宗教上の要請が如何に近代の科学者の理論を構築させたか?興味深いテーマでした!
あと出てくる図表や挿絵ののセンスが超好きです。

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2023年06月01日

Posted by ブクログ

ニュートンが「発見」したとされる万有引力であるが、その意味が科学界に受容されるには長い時間を要した。物質が接触せずに力を及ぼす遠隔力としての重力は、神が作った第一原因からの演繹によって現象を説明するデカルト主義者からは、到底受け入れられるものではなかった。1世紀後の天才オイラーをしても、エーテルの存在を仮定した「誤った」説明への拘りから抜け出すことができなかった。最新の素粒子物理でも、4つの力のうち、重力を媒介する粒子だけが未発見であるという。神が造り賜うた自然の本当の姿は、そう簡単に人類の前に姿を現さないのだ。

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2021年06月27日

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