【感想・ネタバレ】21歳男子、過疎の山村に住むことにしましたのレビュー

あらすじ

「見とれ!」,74歳のみっちゃんは僕からクワをとりあげると,田んぼの畦を泥できれいに塗っていく.さすが! ――地域おこし協力隊員として村に入った大地は,お年寄りの元気と技に驚く毎日だ.都会から若者たちが入り込み,地元の人に学びながら,棚田再生,米作りや炭焼きに取り組む.8300枚の棚田の里に輝きがよみがえってきた.

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Posted by ブクログ

ネタバレ

2009年大学二年の春に、著者は当時付き合ってた彼女にフラれたことで自分を見つめ直すきっかけができた。

学生生活を満喫しながらも自己分析をしていくと「自分がいま取り組んでいること、大学入学時にもともと取り組みたかったことはなんだ?学生としての時間の過ごし方はこれでいいのか?」と関心が変わっていくのが興味深かった。

そもそも著者は法政大学現代福祉学部現代福祉学科に所属している。(そんな学科があるのも初耳ですが、昨今は必要なんでしょうね)そこは地域づくり・社会福祉、臨床心理の観点から学ぶことができる学部だそうです。
私の時代にそういう学部があったら大学に行ってみたかったです。
著者がこの学部を選んだ理由がまた素晴らしい。あるドキュメント番組で「高齢化・過疎化の進む農山村とそこで暮らす独居老人」を見たから。東京で何不自由なく暮らす著者にとって、そういう暮らしがあることにショックを受けたようです。

それから受験して入学し、最初は志も忘れて学生生活を送っていたのだけれど、彼女にフラれたことではたと思い直したのだ。

ゼミの図司直也先生の部屋を訪ね相談したことで、大きく人生が変わった。
総務省主管の事業「地域おこし協力隊」の存在を知り、いくつか調べて岡山県美作市の地域おこし協力隊に応募した。
岡山県の上山(うえやま)での活動となり、先に活動している協力隊の人たちといっしょになって、地元の人たちと交流をしながら山村を切り拓いていく様子に、感心した。

地元住民と移住者との関係も素晴らしい。
地元を尊重しつつ、新しいアイデアや消滅してしまった古い風習を復活させていく。
生まれも年齢も、仕事も別々な人たちが集まって上山を盛り上げていくのだ。

著者のすごいバイタリティは、やはり20代の若さだろう。大学を休学して上山の活動をしている。その後、東京と岡山を行き来して大学を無事に卒業しているのだから、頭が下がる。

まだまだプロジェクトは始まったばかりだと言う。
彼らの今後の活動を見守っていきたい。

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2014年06月13日

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