あらすじ
「はっきりNOと言えればこんなに楽なことはないけれど」。
誰しもが日常感じていることでしょう。
銀座で38年間にわたって一流クラブのオーナーママを努めてきた著者は、「長年、政財界で活躍するお客様と接してきて感じるのは、できる人は男女ともに、断わり方がお上手だということです」と語ります。
また、自らのお店で働く数多くの女性たちを見てきて、断わり上手な女性のほうが長いスパンでお客様の信頼を獲得できることも感じてきたと言います。
ビジネスから恋愛まで、著者が接客のプロとして大切にしてきた、今すぐ使える、角の立たない「お断わりの作法・技術」をまとめました。
【目次】
第1章 断わることを恐れない――断わり上手はつき合い上手
第2章 カドを立てない断わり方 7つの作法
第3章 ビジネスシーンの「お断わり」
第4章 プライベートの「お断わり」
第5章 恋のアプローチを断わる――男と女のお断わり劇場
【著者プロフィール】
伊藤由美 (いとう・ゆみ)
銀座「クラブ由美」オーナーママ。
東京生まれの名古屋育ち。18歳で単身上京。
1983年4月、23歳でオーナーママとして「クラブ由美」を開店。
以来、“銀座の超一流クラブ”として政治家や財界人など、名だたるVIPたちからの絶大な支持を得て現在に至る。
本業の傍ら、公益社団法人動物環境・福祉協会Evaの理事として動物愛護活動を続ける。
著書に、『銀座の矜持 ~「クラブ由美」が30年間、一流を続けられた理由~』『スイスイ出世する人、デキるのに不遇な人』『銀座のママが教えてくれる「会話上手」になれる本』、共著に『記憶力を磨いて認知症を遠ざける方法 ~銀座・由美ママと脳神経外科医が語る記憶の不思議とメカニズム~』(いずれも小社刊)がある。
発行:ワニ・プラス
発売:ワニブックス
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Posted by ブクログ
今日の2冊目の書評ブログは「できる大人は、男も女も断り上手」伊藤由美(銀座「クラブ由美」オーナーママ)です。
まず断れない人には傾向がある、と論じます。すなわち、
①申し訳なくて断れないー真面目なお人好しタイプ
②相手からの評価を気にして断れないー人の目が気になるタイプ
③「何とかなるだろう」と断らないー無責任な安請け合いタイプ
と3パターンに分類されます。
またこう断言します。周囲から信頼されている人、人望が厚い人というのは総じて、できないことは「できない」とはっきり言える勇気を持った人です。
従って
A:最初から「できない」とはっきり断った。
B:断れずに仕方なく引き受けたが、できなかった。
では天と地の差があります。
すなわち、Aは信用され、Bの方は信用を失ってしまう。つまり、同じできないなら、最初から引き受けない方が信用度は上がるのです。
著者はこうも言います。
「断るのは失礼ではないー思うほど相手は気分を害していないもの」だ。
たとえば、逆の立場になって考えてみよう。自分が頼んだり誘ったりした側だったらどうでしょう。
もし相手に「ごめん、都合が悪くて」とていねいに断わられたとして、それだけで「私の頼み(誘い)を断るなんて、とんでもないやつだ」と激怒しますか?しないでしょう、と問う。
確かに、はっきり断られるとその瞬間、頼んできた相手はがっかりするかもしれません。
でも、よほど”つっけんどん”な断わり方をしない限り、相手はそこまで傷ついたり、あなたの全人格を否定するまで恨んだりしません。
たいていは「そうなんだ。じゃあ仕方ない。ほかの誰かに頼んでみよう」くらいに思っているのものです。
だから、著者はこうも言います。
「断るのは自分で「よかれ」と判断した結果。自信を持てばいい」
伊藤さんは本書を書くにあたって「断る」という言葉について改めて調べられたそう。
「断る」の語源は「こと(事)をわる(割る)」つまり「物事がいいか悪いか、正しいか正しくないか、有益か無益かなどを区別して判断し、論理的に説明する」という意味です。
なるほどと、伊藤さんがと思ったのは「論理的に」というニュアンスです。論理・道理の「理」、そしてこれは「ことわり」とも読みます。
つまり依頼や誘いの申し出を辞退する際に、「事情(道理)をきちんと示して、辞退が理に適っていることを伝える」行為が「断る」なのです。
そこで著者が考える「断わり方上手になるための7つの作法」を紹介します。
①あいまいな表現や態度をとらないー断るなら、はっきり断る
②自分が言われてイヤな断り方をしないー相手を否定しない
③「感謝&おわび」のセットで断わるー断わることで相手を否定しない
④断わりっぱなしでなく「代案」でフォローするー「その代わり~」の効用
⑤「断わる理由」は簡潔&明確に伝えるー冗長なほど「言い訳」に聞こえる
⑥ウソの理由は”諸刃の剣”ー「方便」と「NG]を使い分ける
⑦「断わる基準」を持つー「悩んでズルズル引き受ける」を回避する
とここまで書いてきたが、これを見て「俺ってなんでも安請け合いしちゃう~」「断わり切れなくて~定時に帰れない~」という方は、ぜひ本書を読んで欲しい。銀座で35年間トップを走ってきた著者の含蓄がうかがえます。大野は目からうろこでした。(大野も断わり切れないタイプ❤)
Posted by ブクログ
同じ断りでも相手に与える印象は色々。
プライベートでもビジネスでも、気を悪くさせずに上手く受け流したいモノ。
カドを立てない7つの断り方は当たり前かもしれないけど、改めて見るとそうだよなと思うもの。
カラオケが苦手なお客様が歌を断るときのフレーズはジェントルマンだなぁと関心。
歳を重ねるほど、その歳にしてのかわし方をサラッと言えるようになりたいものです。