あらすじ
新感覚サイコ・サスペンス!
殺人や拷問を愛好する異端者たちが集うアンダーグラウンド・サイトの管理人である月森高校2年生の摩弥京也は、巷を騒がす連続殺人犯と偶然ネット上で知り合う。彼から被害者の惨殺写真を受け取った京也は、それがクラスメイト南雲小百合のものだと気づき、結果犯人から狙われることになる。殺された小百合の葬式で、彼女の妹・南雲御笠と出会った京也は、御笠に犯人捜しを手伝わせて欲しいと請われ、二人は事件を独自に調べ始める……。
●第1回小学館ライトノベル大賞・大賞受賞作品!!
※※この作品は廉価版です。廉価版にはイラストが入りません。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ブラッディ―ユートピアみたいなサイトがあったら、一回覗いてみたい。
だからこその一見さんはお断りなんだろうけど。
結局、マージナルっって言うのは自ら手を下した者であって、間接的であれば一線を越えたとは言わないのか、と疑問がわいた。
京也はともかくとして御笠の交友関係がヤバイ人ばかり。
大丈夫か…。
個人的にはマージナルで描かれている事件って日本では起きていない気がする。
外国ではあった気がするが…。
日本では津山三十人殺しとかぐらいしか思いつかない。
Posted by ブクログ
殺人とかグロとかそんなに好きじゃないというか苦手なんだけど、これは結構面白かったですね。どこがというとちょっと具体的には出てこないんだけどさ。
境界人間のの京也が御笠への殺意を必死に押さえ込もうとするところとかはいい感じだけど面白いという要素じゃないし、恵や明美とのやりとりもあとの展開を思うと純粋に楽しめないし。なんだろうね。
京也の妹とかカラテビクスのくだりとか表と裏のギャップかなあ?
京也の姉と妹とか登場してないし、これからもっと掘り下げることができそうなので今後が楽しみです。
Posted by ブクログ
そもそもの主人公自身があれな感じ(どんな感じ)。世間一般良識的な人間とは一線異なる主人公摩耶京也。彼の優等生という外面とはまったく異なる内面の猟奇的な部分やダークな血に飢えた獣のような一面が私は好きです。そんな摩耶を構成することになった過去の経験等々。サイコサスペンスと銘打つにはふさわしい作品であると思います。こういった作品がもっと増えていけばなぁと思います。
Posted by ブクログ
「ダ・ヴィンチ」で紹介されていて、表紙に惹かれて購入した。サイコものなんて滅多に読まないので、最初は気持ち悪さに襲われて歯を食いしばりながら(結構ホント)読んでいた。が、2章で京也と御笠が急接近した辺りから、坂を転がり落ちるような勢いで嵌っていった。
タイトルにもされている「マージナル」というのは「正常と異常の境界に立つ人間」という意味だ。そして、境界の向こう側にいる者は「オーバーライン」という。この物語は、マージナル VS. オーバーラインの闘いを描いたものでもあり、マージナルが恋をして、人間らしさを徐々に取り戻そうとするものでもある。
基本的に京也に共感できる部分は少ない。それが当たり前だと思う。しかし、御笠に共感することも難しいだろう。京也がマージナルに至った経緯を知り、京也の異常さを目の当たりにした時、彼女は確かに恐怖し、嫌悪したはずだ。しかし、彼が深手を負い御笠に助けを求めると、彼女は迷わず彼を救い出した。京也のような異常者にとって、彼女のような存在は貴重だろうと思う。彼の異常さを「病気」として捉えることができるからだ。普通の人間ならば、そんな判断を下す余裕も優しさも持ち合わせていないだろう。
御笠に出会ったことで、恋愛感情を経験し、友人もできる京也。天然キャラ御笠との漫才にもにたやり取りに京也の人間らしさを感じ、この暗い物語の雰囲気を和らげている。これがまた絶妙で、理解できなかった京也という人間像が少しずつ少年として身近になってくる。そうなることで、一層物語にのめり込んでいくことになった。
残念だったのは、文章の所々に不備や拙さが見られるところ。気が抜けず、スピード感ある展開なのに、それで少々気分が萎えてしまう…。
とは言いつつも、ラストの二人の会話は良かったし、全体的に勢いがあった。アニメにありそうな展開と結末だったとは思うが、私はこういう希望が持てるものは好きだ。本格的なサイコものを次作に期待したい。