【感想・ネタバレ】ここに物語がのレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年12月11日

梨木さんが雑誌等で書いた書評・解説の類をまとめた本。2000年以降のものを集めてあるようだ。いろいろ読んでらっしゃるが、小説よりずっとノンフィクションが多いのがちょっと意外に感じる。

「読書の不思議な力の一つは、生身の自分は決してその場に居合わせるわけがないのに、内側のどこか奥深く、その場を『生き...続きを読むている』確かな感覚が逃れようもなく生じることだ」
幼少からかなり本を読んでいらっしゃったという話は前にエッセイでも読んだことがあるけど、「罪と罰」も小学生で読んだというからすごい。本に、作者に、登場人物に、すっと近づいて行ってぴったり寄り添うような、深く潜り込もうとするような梨木さんの姿勢。同情し、憤り、ともに楽しんで……とてもエネルギーを使う読み方だろう。「こころ」の話の洞察力はさすがだ。

哨戒されているのは私自身はほとんど読んだことがない本ばかりで、片山廣子の「新編 燈火節」やアリソン・アトリーの本、アナグマの本など、読んでみたくなるものがちょくちょく出ててきてわくわくする。特に片山廣子は前にエッセイを読んで素敵だったので、詳しく人となりなど書かれていて嬉しかった。まだ読みたい本がたくさんあって、人生がとても足りない……。

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