【感想・ネタバレ】配達あかずきん 成風堂書店事件メモ1のレビュー

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『成風堂書店には本屋ミステリーが平積みだって!』

成風堂書店を舞台に、書店員・杏子とアルバイト・多絵が、訳ありのお客さんが持ち込んだ謎に取り組んでいく日常ミステリー。元書店員の著者だからこそ書ける本屋の舞台裏、そして、謎を解くヒントとなる本の数々。純粋に面白かった!

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2021年12月28日

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ネタバレ

威風堂という書店の店員たちが謎解きをするシリーズの第一作。
と当時に、表題作は大崎さんのデビュー作とのこと。

最初の場面が楽しい。
書店に来た人のうろ覚えから書名を割り出す。
久世番子さんの『暴れん坊本屋さん』さながらの話だ。

この本探索で活躍する書店員杏子が名探偵かというと、そうでもない。
しろ、鋭いのはアルバイトの多絵。
二人がホームズとワトソンよろしくコンビで軟禁されたご老人を助けたり、店内ディスプレイを荒らした犯人を見つけたりする。

起こる事件は犯罪といっていいものも多い。
そんな中にある「六冊目のメッセージ」は、ほのかなラブストーリーとして好感が持てる。

この間読んだ『本バスめぐりん』より、こちらの方が好きかもしれない。
「事件」とのかかわりが、比較的自然な気がするから、かな?
割と素直に、ミステリーとして楽しめた。

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2021年07月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 本屋さんを舞台とした「日常の謎」系ミステリ。まず,主人公の杏子と探偵役の多絵のキャラがその立ち位置も含め,きっちりかき分けられており,しかも,かなり魅力的な存在に描かれている。「パンダはささやく」以外は,ミステリは弱いが,いずれも読後感がいいさわやかな話がそろっており,通勤のおともや寝る前の読書に最適。誰にでも勧められる良作。ミステリとして弱いところが好みではないので,★3かな。

 個別の作品の所感は以下のとおり

○ パンダはささやく
 購入してほしい本を暗号で伝えたおじいさんの話。実は,おじいさんは資産家で,「姪」という触れ込みで押し入ってきた女に命を狙われており,暗号のカタチで危機を伝えていた。出版社が「パンダ」からYondaのキャラクターを使っていた新潮社。「あのじゅうさにーち」は,新潮社の「あ」の13の21で赤川次郎の「透明な檻」,「いいよんさんわん」は「い」の43の1で井上夢人の「ダレカガナカニイル」,「ああさぶろうに」は,「あ」の36の2で綾辻行人の「殺人鬼」。「やににまる」は,「や」の2の20で,山本周五郎の「ひとごろし」。自分が監禁され,命を狙われているというメッセージだった。暗号のトリックこそ,マニアックすぎるきらいはあるが,暗号で使われた本のチョイス,意外な真相など,デキは傑作といっていいと思う。

○ 標野にて 君が袖振る
 「あさきゆめみし」という漫画の存在を知り,失踪した沢松という女性の行方を捜す話。真相は,交通事故で死んだ沢松の息子が,高校生だった頃に教師と付き合っており,その子供がいたので,ストーカーみたいになっていたというもの。この話は,ややリアリティに欠けると思うが,意外な展開ではある。

○ 配達あかずきん
 かなりドジな存在である吉川博美というアルバイトの女性が登場。美容院に配達した雑誌から,美容院のお客の盗撮写真が挟まっており,美容院と客のトラブルが発生したという話。真相は,吉川が配達していたほかの床屋で前にバイトしたいた男が犯人。トラブルになった美容院の客の子どもが犯人だった。吉川博美のキャラクターが微笑ましく,読後感はなかなかよいが,ミステリとしては平凡なデキ。

○ 六冊目のメッセージ
 入院している人に勧めた本がいずれも適切だった書店員を探す話。書店員が進めた本は,「宙の旅」,「散策ひと里の花」,「ダヤンのスケッチ教室」,「民子」,「夏への扉」。これらの本を勧めることができるような読書家の男性店員はいない。いったい誰が?という謎。真相は,書店の版元の社員だった。本を勧められた女性と,店員の間に恋愛感情が発生しているような雰囲気を残して終わる。読後感はいいが,ミステリとしては平凡。謎というほどのものではない。

○ ディスプレイ・リプレイ
 杏子の勤める本屋が,人気漫画「トロピカル」のディスプレイ・コンテストに参加する話。バイトの角倉夕紀とその大学の友達が見事なディスプレイをするが,閉店後,誰かが店に忍び込み,黒いスプレーでディスプレイを台無しにしたという話。犯人はだれか?真相は,トロピカルの盗作騒ぎに乗じて悪質ないたずらがされたと思い,ディスプレイを手伝っていた夕紀の友達である紗弥加が犯人だったというもの。これもミステリとしては弱いが,読後感は悪くない。

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2022年11月12日

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