あらすじ
年少者に対する保護か,厳罰か――,少年法をめぐっては激しい意見の対立が見られる.しかし,そもそもの議論の前提として,わが国の少年犯罪の現状と少年法制の仕組みはどうなっているのか,諸外国はどう対応しているか等の知識は必須である.裁判官として少年事件を担当した経験を持ち,外国の少年法の現地調査も続ける著者が徹底解説.
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Posted by ブクログ
ニュースで時折センセーショナルに取り上げられる少年犯罪に興味が湧き、積読(流し読みはしていた)していたものを改めて読んでみた感想として、時事的な話題も含め、入門書として適切な分量でまとめてくれていると感じた。
少年法は話題に上ることは多いものの、学問の入口として耐えうる書籍は少なく、専門書を読み解く必要があったように記憶しているが、新書版で、ここまで分かりやすいものは画期的であると思う。
本書の特徴として、著者の家庭裁判所での実務経験から説得力をもった法の解説に留まらず、諸外国との比較や、刑事政策上の位置付けなど、入門書として充実した内容があげられるだろう。
少年に関わる法制に関わる方にも自信を持っておすすめしたい一冊となっている。
Posted by ブクログ
「あなたは少年法改正案に反対ですか?それとも賛成ですか?」
そう聞かれたときに何となくではなく、きちんと理由をもって答えることができるようになる本。
厳罰も保護も、根底にあるものは同じ。その手法が違うだけ。しかしながら、時代の流れとともに被害者の救済にも配慮が必要となっている。
様々な問題を時間をかけた議論のすえ、難産のすえで生まれた改正案では、重罪と軽犯罪、犯罪の軽重を考慮しながら処分内容を決めるなど、さらに細かく分けられるそうだ。
少年法の歴史、考え方、諸外国との比較等がわかりやすく書かれており、少年法に人生をかけてきた筆者の集大成ともいえる一冊である。
Posted by ブクログ
少年法の成り立ち・意義・諸外国との比較、少年犯罪の増減、などなど、素人でも一通り分かった気になるよう、上手くまとめられており、とても面白い。題名に惹かれたら読んで間違いはない。