あらすじ
実物と瓜二つだった『インタステラー』のブラックホール。30年の時を経て似た惑星が見つかった、『スター・ウォーズ』の太陽を2つ持つ惑星タトゥイーン――。時にフィクションの壁を超えて、現実世界へと飛び出してくるSF世界。そんな一度は夢見たSF世界の可能性と限界を、テレポーテーションから星間飛行、はたまたタイムトラベルまで、宇宙物理学が専門の著者と一緒に探る! フィクションが未来の科学を導く!?
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Posted by ブクログ
第1章 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズ
p45
過去に戻って親を殺すと、自分が消えてしまうのか? というものです。
第3章 『TENET』
p84
映画ではマスクをして呼吸をしていましたが、その程度では解決できない問題だといえます。
第9章 『インターステラー』
p154
しかし、その傍にはガルガンチュアと呼ばれるブラックホールが存在し、その星では重力的な時間の遅れによって、1時間の滞在が宇宙船での7年に相当するという設定でした。いわゆるウラシマ効果です。
p160
実際は宇宙空間が真空なので、全く音は伝わりません。
タイトル通りの内容ですが、ひとつの映画にフォーカスしすぎず、他のテーマや作品に脱線していく感じが読んでいて楽しかったです。
作中内での台詞の聞き違いや事実関係の誤認など、いくつか引っ掛かる部分はなくもありませんが、そっちの専門ではないのでご愛嬌ということで。
『メッセージ』(原題『Arrival』)は言語学もテーマのひとつとなっており、専門外ですがスルーすることなく一応触れていたので◯
そもそもSFの映像作品は、ひとつふたつの矛盾を無視して楽しむもののような気がしますが、あえて学者の視点から真面目に論じているように見えました。時間や宇宙というテーマに注目が行きがちですが、物理や力学など、様々な語り口から視野を広げてくれる一冊だと思います。