【感想・ネタバレ】ESG入門 新版 経営、投資での実装のレビュー

あらすじ

責任投資のパイオニアが実践
経済と環境・社会をつなぎ、持続可能な世界に導く戦略
欧州No.1の資産運用会社が、ESG投資の豊富な蓄積に基づいて解説

地球温暖化対策でカーボンニュートラルを目指す潮流、国連が提唱するSDGs(持続可能な開発目標)達成などのため、ESG(環境・社会・企業統治)に対する関心が高まっています。
機関投資家の間ではESGに配慮して投資先を選定することが当たり前となっており、投資を呼び込みたい事業会社にとっても経営で不可欠な要素です。

本書は、「E」「S」「G」それぞれが表すもの、ESGの歴史といった基本から、投資での実践、企業経営での取り組みまで深掘りして解説。
ESG投資で利益があがるのか、という重要な点についても、株式、債券、それぞれのデータに基づいて分析しています。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ESG関連4冊目。運用会社の世界的大手であるアムンディの日本法人が出した本。

感想。
バランス良い。これまで読んだ他の本よりもIIRCのフレームワークを推し。

備忘録。
・国際統合報告協議会IIRCは、企業の活動を捉えるためのフレームワークを6つの資本で整理した。財務資本、製造資本、知的資本わ人的資本、社会関係資本、自然資本。

・いずれかの資本を毀損すると、企業活動の持続に大きな制約を与える。

・共有価値。マイケル・ポーターとマーク・クレイマーが定義した概念。社会のニーズを満たし、課題に取り組むことで生み出される経済的な価値のこと。

・ESGとSDGsの違いについて、「SDGsは目的・ゴールであり、ESGは手段である」と述べている。他の本にはなかった腹落ちする表現だ。ゴールとしてのSDGsは理想と現実のギャップを明らかにする。数ある理想と現実のギャップのうち、どこに、どのように貢献するかがパーパス。パーパスに沿ってギャップを解消するためのプロセスがESG投資でありESG経営。うまくいってギャップを解消できるモノやサービスが誕生すると対価が支払われる。

・以前までの資本主義市場は、常に新しい市場が出現し角度することが前提とされていたのではないか。今や多くの市場が成熟。そうやって限られた市場の中で自己の利益追求合戦になると、社会全体は良くならない。

・GPIFのESG投資開始。

・インベストメント・チェーン。資金の提供者から、資金を最終的に使う企業に至るまでの経路および各機能のつながりのこと。2014年の伊藤レポートで定義された。

・ESGの具体的な課題例は有用。

・アムンディが実際にどのようにESG投資をするのかの記載がありがたい。

・「守りのESGから攻めのESGへ」。リスク対応が守りのESG。価値創造につなげるのが攻めのESG。この両立が大事。

・マテリアリティについてはSASBによる、サステナビリティ情報の定義を推している。それは、①財務諸表に反映された情報、②事業の価値創造にとって重要だが財務諸表に反映されない情報、③社会の持続可能性にとって重要な情報に分類される。企業は③を②として説明できるようにすることが重要。

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2022年08月14日

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