あらすじ
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たったひとつのパンをぬすんだ罪で、十九年間も監獄に入れられたジャン・バルジャン。すっかり身も心もすさんでしまいますが、やさしいミリエル神父に出会い、生まれかわる決心をします……! 激動期のフランスを舞台に、必死に生きる人びとの姿を描いた名作『レ・ミゼラブル』を親しみやすい文章と絵でお届けします。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ジャベール警部のように法律(世の中のきまり)が全てでそれを犯すものは悪という考えはやはりよくない。自分が責任を取ることを放棄して法律に責任を押し付けていると感じた。自分の判断基準で善悪を見抜く能力と、その責任を負う覚悟を持たなければならないと感じた。
あと責任を負うにはやはりお金は欠かせないものなのかなと少し残念な気がした。
Posted by ブクログ
全体的には、すっきりさっくり飛ばし飛ばしといった印象。
警部殿の自殺の理由をどう解釈・表現するかは難しいですが、この本での書き方は誤解が生じやすそうではと思う。
◯飛ばされているエピソード例
・プティ・ジェルヴェの銀貨
・警部殿の生い立ちの記載(「若い頃に監獄で働いていた」旨はあります)
・ファンティーヌが娼婦になったこと
・棺に隠れるエピソード
・ABCの友の名前(「マリユスの友人たち」で一括り)
ほか多数
・ファンティーヌの感情
この本でのファンティーヌは工場を追い出された直後から、「なんて冷たい人なんだろう」と市長を恨んでいます。
ユゴー先生の原作だと、最初は自分自身を恥じるばかりで誰のことも恨んでいませんでしたが、生活と精神が荒むにつれて怨嗟の気持ちが生まれてきます。
・ファンティーヌの放免
放免の件で、ユゴー先生の原作だとかなり食い下がる警部殿が、この本では警部殿が反論一つせず引き下がります。
「さすがのジャベール警部も、市長には逆らえません」だそうです。ちょっと弱腰でかわいい警部殿ですね。
・免職願いの場面
この本の警部殿はバルジャンを告発していないようなのですが、「ずっと疑っていた」ことで警察を辞めようとされています。責任感が強いですね。
またこの本では、警部殿はバルジャンの説得に従って警官職にとどまったようで、バルジャンが警部殿を「なだめて帰した」という記述になっています。
・オリオン号で水夫を救助しない
「軍艦で働いていたとき、足を滑らせたふりをして」逃げ出すことは書いてありますが、その契機だった救助はありません。
・バルジャンの予感(追加の記述)
この本のバルジャンは、警部殿がパリまで追いかけてくることを予感しています。
用心深いのかもしれませんし、ちょっと臆病なのかもしれません。
・会堂番に変装しない
警部殿が会堂番に変装するエピソードが省略されていて、いきなりゴルボー屋敷においでになります。
思い立ったら即実行で不言実行な警部殿ですね。
・窓ガラスを破る人
アゼルマがガラスを手で割るエピソードがないので、彼女は怪我しません。
テナルディエが自分で割っていますが、怪我はしなかったようです。
・馬車で追えなかった理由
コゼットを追いかけようとしたマリユスが馬車に乗り損ねたのは、お金がないからではなく出遅れたからのようです。
なので「乗れなかったのはエポニーヌのせい」ではなくなっています。
・ジルノルマン翁の失言
結婚したいと相談に戻ったマリユスが怒って帰る理由のジルノルマン翁のセリフは、「妾にすればいい」とまでではなく「金をせびり取ろうとしている女だろう」になっています。
それはそれで非常に失礼なので、もちろんやっぱりマリユスは怒ります。
・布団・兜の緒
バルジャンのバリケードでの活躍「布団で砲弾を防ぐ」「兵士を殺さずにうまく反撃する」などが特にありません。
でも警部殿の身柄は問題なく譲り受けて、ちゃんと逃がしてあげます。
・警部殿の入水の理由
この本では「こんな気持ちでは警察の仕事を続けられないが、警察を辞めたらすることがない」という書き方になっています。
ユゴー先生の書き方も解釈が難しいですが、「辞めたらすることがない」という自ご分の今後への心配ではないように思います。
・マリユスの嫌がらせ
バルジャンの告白を聞いたマリユスの嫌がらせが、マイルドでさっくりとですが書いてあります。
ここも省略されがちなので、珍しいなと思います。