あらすじ
心理学や遺伝学、教育学、脳科学といった各分野の研究者が、それぞれの視点から「絶対音感」の謎を徹底解剖。「絶対音感とは?」「特別な才能なのか?」「絶対音感がある=耳が良い?」といった数々の疑問に切り込み、「絶対音感」が纏う神秘のベールを一枚ずつ剥がしていきます。
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Posted by ブクログ
《絶対音感を学問的に理解できるようになる本》本書は、絶対音感という能力や、それを持つ人の特徴を順序立てて説明している本。質の高い論文を集めたような本で、言葉の定義や文章構成も体系立っており、大変素晴らしい。特に、絶対音感と相対音感がトレードオフの関係にあることが改めて理解できた。絶対音感という分かりにくい能力が明瞭に説明されており、絶対音感に対する理解を深めたいという好奇心のある人におすすめできる。
Posted by ブクログ
学会でのシンポジウムを基に作られた本なので、かなり専門的。私には難しくて読み飛ばしてしまった部分も少しあったけど、概ね理解できた。
自分も気がついた時には絶対音感が身についていた側なので、どのような仕組みなのか、またそれを持たない感覚はどんなものなのか、興味があった。
日本では絶対音感を持つものが多く、欧米ではかなり少なく、中国はその中間くらい、という話が興味深かった。「固定ド」教育の弊害という話も…
ただ、音楽は全て音の羅列=相対的な音の関係性で出来ているということから、絶対音感より相対音感の方が音楽家にとって大事なのではという提議になるほどなと思った。
各章により違う人が執筆しているので(心理学や音楽や脳の専門家など)、絶対音感への意見や立場も違うものになっており、そこも面白かった。