あらすじ
「河童の釣り堀」の看板を掲げた建物の中には、なんと本物の河童がいて――(「岩手 河童の釣り堀」)。「餃子捕り放題」と書かれた店で目撃する驚きの光景(「栃木 餃子の羽」)。食べるとあまりのうまさに、しばらく言葉を忘れてしまうという、うどんの秘密とは?(「香川 さ抜きうどん」)日本全国47都道府県の名産・名所を題材にした不思議なお話47編プラス1。
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Posted by ブクログ
大学生の頃の田丸さんと関わらせていただいたことがあり、それ以来作品をたまに読まさせていただいている。
47都道府県のショートショートという発想がとても面白く、サクサク読み進めることができてスキマ時間に読むのに最適だった。特に「愛媛」のストーリーは会話がまさに現地のものであり、田丸さんの地元愛を強く感じられた。
Posted by ブクログ
最高。旅行+本好きなので、どちらも満たしてくれる一冊。旅のお供でもある。
「アイデアを思いつくだけではダメ、行動しないと意味がない」とはよく聞くが、まず設定を47つも出して、一冊の本になるまで全て描き切ったのがすごい。行動力の鬼。
特にお気に入りの作品は、東京『虎柄の』。まさかの山手線のラッピング車両であんなものを作るとは、発想力いかつい。
他にも熊本『懐かしい肉』、福岡『替え玉』、三重『月の雫』、岐阜『合わされた手』、山梨『ブラッド・ワイン』、長野『賭けソバ』、青森『褒めリンゴ』など、発想力に脱帽する作品のオンパレード。ぜひ手に取って、自分の県の作品をチェックしてみてほしい。
そして田丸さんにはいつか世界193カ国のショートショートを……
Posted by ブクログ
読んで空想の国内旅行に行ける一冊。
現代のショートショート作家である田丸雅智さんの作品集。
47都道府県をテーマに、1都道府県につき1作品が書かれ、北は北海道から徐々に南下していき最後は沖縄で締めくくられています。
47作品(カバー裏にも1作品あり)も収録されているため、これまで田丸さんが書かれたショートショートよりも1作品あたりの文字数は少なめです。
人によってはあっさり終わった、捻りが少ないと読後に感じる方もいるかもしれません。私の場合は短さを感じながらも、どの作品も楽しめました。
自分の出身地をテーマにした作品では「故郷をこんなふうにユーモアに書いてくれ嬉しい」と。
また、行ったことがある土地や名産品などを知っている土地の作品では「あれをこう捉えて書くのか」と。
自分と縁遠い土地では「こういうのが有名なんだ。本当にこんな風だったら楽しいな」と思いました。
読後に日本中を旅した気持ちになれます。
新型コロナが落ち着いた時にどこか旅行をしてみたいとも思いました。
旅先を選ぶ時に旅行ガイドブックと一緒に読んでいると楽しい一冊です。