あらすじ
○コロナ危機の混迷が長引き、「コロナ敗戦」という言葉も出回るようになった。しかし、実は、この長い混乱からの出口は次第に見えてきている。混迷脱出のカギはワクチン接種の急速な拡大である。英米など接種の先行国は感染をコントロールしながら、経済活動再開に踏み切った。日本も数カ月の時間差で急速にこれらの国々を追いかけており、秋には「感染制圧」が見え始める。感染再拡大リスクのある冬を超えた来年春には、社会・経済の正常化が現実のものとなる。
○しかし、「コロナ後」の日本社会は、「コロナ前」とは大きく異なる。それは、(1)従来以上の人手不足の深刻化、(2)コロナでとどめを刺された低採算企業(ゾンビ企業)のいよいよの淘汰・退出と業界再編、(3)必然的な社会・企業・行政のデジタル化とそれに適応出来ない中間管理職層の消滅、等である。
○この大きな変化への対応の可否が、日本が「新しい高生産性・躍動感ある社会」となるか、「衰退が加速し、世界から見捨て忘れられる社会」となるかの大きな境目となる。
○本書は、「感染制圧」が見えてくる21年秋のタイミングで発刊することにより、その先どのようにして「感染制圧」が確実になり、社会が正常化へ向かうのかを、先行国の事例を踏まえて読者に指し示す。さらに「コロナ後」が、読者にとっても社会にとっても、「チャンス」にも「リスク」にもなりうることを伝える。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
読むなら早めに 2021年8月に出版された本書を同11月に読んだが、今のところ本書の予想通りのコロナ感染状況となっており、データからの推測精度が高いことを評価できる。
データに基づいてどのように読み解き、示唆できるかを詳細に書いているため、データの読み取り方に関する論理的思考力が勉強になる。
ただし、過去のデータ分析が主で、ウィズコロナのビジネスの在り方に関してもう少し記載してほしかったことが、読む前の期待とは異なった。
Posted by ブクログ
自由民主党の総裁選挙をめぐる話題が毎日メディアで取り上げられている。コロナウイルス感染対策どうするのか、これからの日本をどうするのかなど気になるテーマがある。
少しずつ見えてきたコロナ後はどうなるのかが気になり今回の本を読んでみた。
欧米諸国と比べて遅いと指摘されていたワクチン接種だが、ゴールデンウィーク明けから一気にギアを上げてきた。そこには菅義偉総理の懸命な陣頭四季があったと述べている。
一時期、ワクワク接種回数が100万回を大きく上回っていた。
自分の言葉で説明をされていればもっと違ったかもしれないが、支持すると思っていた権力を持っているご老人たちにハシゴを外されてしまい、ジ・エンドとなってしまった。
一番気になるには、新型コロナウイルスの感染収束はどうなるかだ。ワクチン接種先行国の状況を見ると、日本で本格的に感染が制圧するのは来年の春かと予想している。
期間が長くなるかどうかは、コロナウイルスが感染拡大しやすい冬の到来と、ファイザー社などの効き目の高いと言われるmRNAワクチンの効果が継続する期間次第と見ている。
コロナ後のカギはデジタル化と指摘している。紙が大好きな役所のシステムをがらっと変えることができるか。このままだと過去形を売りにせざるを得ない日本になり、転げ落ちるのみだからなあ。
昨日、河野太郎ワクチン担当大臣がテレビ東京のWBS(World Business Satellite)というニュース番組に出演していた。そこでコロナ前に戻すのではなく、前に進むためにどうするかやっていきたいという趣旨の発言をしていた。
新たな日本に向けて政策を実行してもらわないと日本人の気がしずんだままで、景気が良くならないからなあ。
Posted by ブクログ
現在も続く新型コロナ騒動の出口の先を分析した一冊(著者は未来創発センターの梅屋真一郎さん)。ワクチンによって世界中の新型コロナは抑制されつつある(デルタ株の問題はある・・・)が、日本はワクチン接種が遅れたため経済活動再開は他の先進国の後塵を拝している、それを踏まえ日本がどのタイミングでコロナを脱するのかと、コロナ後の社会・企業はどうなるかがデータを基に解説される。コロナ後は低採算起業の淘汰や業界再編、(今以上の)デジタル化の波が訪れると予測されており、リスクもあるがチャンスもありそうな感じはする。